朝日が昇って少しの時間が経過するとかつて、『ドラム王国』だった島へと向かう海賊船が一隻。
「畜生、あの野郎め……良くも俺様たちをあんな目にぃぃぃ……絶対に復讐してやる」
「ええ、我らが受けた仕打ち以上の事をやってやりましょう」
「リベンジだ」
ルフィによって遥か彼方に投げ飛ばされたワポルにチェス、クロマーリモ三人、ワポルは悪魔の実の能力者が故に海に落ちた際、溺死しかけたがチェスとクロマーリモが何とか助け出し、そこで近くの島へと上陸すればそこには超凶悪で狂暴な先住民と動物たちに襲われて死にかける羽目になる。
何とか逃げ出したところに今度は海賊に襲われ、これを何とか撃退しその海賊団の船を奪うと再び、『ドラム王国』へと帰還するために航海をし、凄まじい悪運と執念の成果としてとうとう自分たちの故郷手前まで帰ってこれたのである。
「ようやく、我らの故郷に帰ってこれましたね」
「ああ、城に帰るぞ。海賊は止めて王様に戻るのだ」
「此処まで本当に長かった……」
ルフィへの恨みはいったん置いといてようやく故郷に帰ってこれた感動で三人は涙を流しながら、島の中へと入れば……。
「よう、ワポル。久しぶりー……でもねぇな。昨日投げ飛ばしたばっかだ」
ワポルたちの接近を『見聞色の覇気』で感知したルフィはゾロとサンジ、チョッパーにドルトンたちに連絡して島へと上陸するための場所へと行き、ワポルたちを待ち伏せしていた。
そして友人に会うかのような調子でルフィは言うと苦笑する。
『んなぁぁぁぁぁっ!?』
三人は当然、驚愕。更には……。
「て、てめぇ何を……俺様のロブソンに乗ってやがるっ!!」
船に乗せてまで可愛がっていたホワイトウォーキーという種族で通称毛カバの上にルフィが乗っている事に対して怒った。
因みにワポルの羽織っている毛皮はロブソンの兄弟を殺して作ったものである。
「仲良くなったから、乗せてもらったんだよ。なぁロブソン?」
「モフー……モフッ」
ロブソンの頭を撫でながら言うルフィに嬉しそうにするロブソンは次にワポルを見て、あっかんべーをした。
「な、て、てめぇ……」
「碌に海賊と戦いもせず、即座に国を見捨てて逃げ出しておいて良くも帰ってこれたものだな、ワポル」
ロブソンの態度に怒るワポルにドルトンが怒りと共に声をかけた。
「ワポル? ワポルさ・ま・だ!! 我が家来、ドルトンよ」
「いやいや、何言ってんだ。一度、国を見捨てて、逃げ出した以上はもうお前はこの国の王じゃなくなったし、当然、ドルトンさんはお前の家来じゃなくなった。自分から捨てた物はもう、戻らないんだよ」
「お前たちこそ何を言ってやがる。俺はただ、避難しただけだ……ドラム王国は俺という王あっての国だからな」
「……成程、話にならない。お前の父は常に国民の事を想う名君だったとドルトンさんが言っていたが……お前は自分の父親から王として大事な事、あるべき姿を学ばなかったようだな」
「はッ、親父はただ甘かっただけだ。俺様こそ正しい王なんだよ」
「……ッ、貴様ッ!!」
ワポルの反論に先代国王を、ワポルの父親に未だ忠誠と敬意を捧げているドルトンはさらに激しく怒った。
「まあ、父親が名君だからって息子もそうなるとは限らないって事か……それにしてもあんまりだろう、お前のような塵屑が一時期でも国王になっていたなんてな。きっと、ずっと草葉の陰で泣いてるぞ、お前の親父は」
「ご、塵屑だとぉぉぉぉぉっ!? 貴様、この俺様に対して良くもぉぉぉぉっ!!」
ロブソンから降りながら言うルフィの侮蔑にワポルは激しく怒った。
「塵屑が嫌なら出来損ない、蛆虫、愚物、他にもあるから色々な言葉で呼んでやろうか? まあ、ともかくもうお前たちはこの国では受け入れられないんだよ。だから、退場願おう」
「くく、良いだろう。どのみち、お前には復讐してやろうと誓っていたとこいろだ。本気で戦ってやるよ、見るが良い……これが俺様が食ったバクバクの実の真の力……バクバク
ワポルの姿が変貌し、頭部に肩、手に腹部から大量の刃物や銃口、砲口を生やす。
「さらに王技、バクバク
『ぎゃあああっ!?』
チェスとクロマーリモを食らうと次の瞬間、口の中から……。
『我こそはドラム王国の最強戦士、チェスマーリモ』
チェスの上にクロマーリモが肩車しただけにしか見えないチェスマーリモが登場する。
「一緒になってくれて良かった。手間が省けるからな」
ゾロはチェスマーリモへと近づきながら、三刀を構える。
『馬鹿め、そっちは三刀でもこっちは四本だ。ドビックリマーリモ――
チェスマーリモはどこからともなく、四本の戦斧を出しそれを構え……。
「ふっ!!」
『ぬんっ!!』
三刀の斬閃と四本の斧の斬閃がぶつかりゾロとチェスマーリモは交錯……。
『ぐあああああっ!!』
チェスマーリモは四本の戦斧と共に切り裂かれ、地面に倒れ伏した。
「数は問題じゃねえよ」
そうゾロは言葉をかけたのだった……。
「馬鹿な、チェスマーリモがあんなに容易く……くそ」
「次は俺たちの番だぞ、ワポル。昨日は俺からだったから次はお前からやらせてやるよ」
『鉄塊武身』を使い筋肉が膨張した巨漢と化したルフィはワポルを手招きする。
「まーはっはっはっは。そりゃ、ありがとうよ。死ねぇぇぇぇっ!!」
そうして大量の銃口と砲口による射撃と砲撃をルフィに浴びせたが……。
「お前の攻撃じゃ死なないようだな」
ルフィの肉体には傷一つもついていなかった。
「それじゃ次は俺がやらせてもらうぜ、くらえええええっ!!」
ルフィの後ろから飛び上がるとワポルへ蹴りの連撃をサンジが浴びせる。
「ぐぶおおおおっ!!」
ワポルは大きく仰け反り……。
「
ルフィが嵐脚の手刀版と言っても良い技を繰り出すと斬閃と共に斬撃波がワポルへ放たれ、銃口と砲口に刃物、ワポルの両腕も切断された。
「ぐうおおお、この野郎っ!!」
大口を開いてルフィを頭から飲み込もうとすれば……。
「行儀が悪いぞ」
「ごっ!?」
右手で上の歯を、左手で下の歯を掴んでワポルの食撃を阻止し……。
「お仕置きだ」
「ぎゃばああああああっ!?」
掴んでいる歯を握り潰す事で破壊した。
「おおおおっ、ベロ
ワポルはまた大口を開くと舌を大砲に変化させ……。
「行儀が悪いと言っているだろう。『
右の五本指を合わせた貫手を旋回させながら、ワポルの舌の大砲の咆口へと放つと舌の大砲は咆口の中から抉られ破壊される。
「ぶごおおおっ!!」
それにより、ワポルは悶え苦しむ。
「せっかくだ、エルバフに伝わる巨人族最強の槍を見せてやる」
ルフィは大きく蹴りを放つための溜めの態勢を取り、生命帰還の応用で蹴撃を繰り出す右足に全力を集中し……。
「
リトルガーデンにてブロギーとドリーが見せた『威国』の合体技たる『覇国』の原理を応用し、嵐脚の要領で放った斬撃波と斬圧がワポルを蹂躙し、吹っ飛ばす。
「まだまだ、苦しんでもらうぞワポル。まずはゾロ、ぶった切れっ!!」
「ぶごおおおっ!?」
瞬時にワポルの元へと移動したルフィはゾロに向かってワポルを蹴っ飛ばし……。
「了解だ」
「ぐぎゃああああっ!!」
三刀の斬撃をワポルに浴びせて切り刻みながら吹っ飛ばした。
「次はサンジだっ」
「喜んで……まだまだ蹴り足りなかったからなぁっ!!」
「ぶぼごぅぉぉぉぉっ!!」
吹っ飛んでいるワポルをサンジの元まで蹴り飛ばすとサンジは全力の蹴撃で蹴っ飛ばし返す。
「次はドルトンさん、頼む」
「おうっ、はあああっ!!」
「んぐぁぁぁぁっ!!」
ドルトンはバイソンそのものに変身すると全力の突撃を炸裂させてワポルを吹っ飛ばし……。
「それじゃあ、チョッパー。決めてやれっ!!」
「うんっ!!」
ルフィはワポルを更にチョッパーへと蹴っ飛ばしながら呼びかけるとチョッパーは丸薬で悪魔の実の変形の波長を狂わせて変形形態を増やす『ランブルボール』を口にし……。
「
腕力を強化した形態になると岩すら砕ける鉄の蹄による一撃を繰り出し、ワポルに炸裂させて吹っ飛ばし、地面を転がらせた。
「ご、ぅ……あ……が……」
ワポルは息も絶え絶えの状態ながらも生きていたが……。
「くく、やはりこの世の中、お前のような塵屑はしぶといなぁ?」
「……ひ、あ、ああ……あ……」
ルフィはワポルに近づき、塵屑を見るような目で見下ろすとワポルは恐怖と怯えの表情を浮かべる。
「ん、どうした? 随分と怯えているし苦しそうだ……」
ルフィは膝を地につけ、ワポルの目線まで屈みこむと安堵させるような笑みを浮かべながら優しく言い……。
「今、楽にしてやる」
「っ!!」
ルフィは懐に納めていた元はMr.5から奪ったリボルバーであり、現在改造されて威力と射程など全ての性能が劇的に強化されているそれを素早く抜き、ワポルの額を撃ち抜く事で鮮血と脳漿を飛び散らせると次に素早く、倒れ伏しているチェスマーリモへと銃撃する事で射殺した。
「お前たちのような塵屑が行くべき場所は地獄だけだ」
ワポルとチェスマーリモの死体にリボルバーを懐に納めながら、ルフィは呼びかけるのだった……。