内乱によって荒れているアラバスタ王国の復興作業に協力するために首都、アルバーナの宮殿にてしばらく滞在する事を決めたルフィ達、『麦わら旅団』。
とはいえ、昨日に引き続いて朝の時間帯であっても雨が降り続いているのでまだ復興作業は先とはなるだろう。
そして……。
「ん……」
深い眠りから覚め、気怠下にベッドより起き上がるルフィ。
「あ、起きた。おはよう、ルフィ」
「ふふ、流石のあんたも私達、三人相手はきつかったみたいね」
「……逆に疲れさせてしまったようで……すみません」
そんな彼へと声をかけるのは満足げな様子であり、どことなく色気があり、艶めいているウタとナミ、そしてやはり、満足げで艶めいているビビであった。
ルフィは結局、昨日の夜、ウタとナミにビビと三人と深夜近くまで激しく関係を交わしたのである。
「いや……体力的にはともかく、精神的にはとても満たされた。ありがとうな、ウタ、ナミ、ビビ」
『どういたしまして』
苦笑を浮かべながらも礼を言うルフィに微笑み、三人はそう答えた。
「それじゃ、身支度を整えたら食堂に行きましょう、テラコッタさん達が朝食を用意してくれていますので」
ビビがルフィへと言う。テラコッタとはイガラムの奥さんであり、宮殿に仕える『給仕長』であるが見た目としてはイガラムをそのまま、女性にしたもので『似た物夫婦』どころの話ではなく、『人類の神秘』と言っても良い程である。
ビビに従い、身支度を整えたルフィはウタとナミにビビの三人と食堂へと向かい……。
「おはよう……」
「……おはよう」
先に『麦わら旅団』の面々にコブラ王とイガラムが食堂で待っていたのだが……まず、ゾロとウソップはルフィと彼に付き添っているウタたちを見て、察し……というより、ルフィが単独でアラバスタへと向かった時から度々、三人がルフィについて話しているの見ていたのでこうなるだろうなぁというのは察していたから、挨拶だけをした。
「……」
「さ、サンジが固まったぁぁぁぁぁっ!?」
サンジはショックのあまり、固まったのでチョッパーが驚愕する。
「おはようございます、ルフィの兄貴」
ルフィに対しては兄貴分に対する態度であり、それ以外の者に対してはオカマ口調であるベンサムは特に何も言わずに挨拶だけをし、ラキとアンも大人な態度で挨拶するのみ……。
「……」
「……」
ビビの父親であり、国王であるコブラは娘のビビの様子に色んな感情が綯い交ぜになった表情を浮かべ、イガラムもまた、複雑な表情を浮かべる。
ともかく、ルフィとウタたちは挨拶をして大食堂の席へと座ったのだが……。
「なぁ、何でルフィからウタたちの……うむぅぅぅぅっ!!」
その嗅覚でルフィの体、ウタたちの体より嗅ぎ取った匂いについて純粋に質問しようとしたチョッパーだが、瞬時にラキとアンが仕置き人モードになって、一旦、チョッパーを大食堂の外へと連れ出していった。
とはいえ、当然食堂での空気はガラッと変わり……。
『……』
嫌な沈黙が漂う中でサンジは目を背けていた事実を言及された事で物理的に石化する。
「……話は後だ、良いねルフィ君」
「ああ」
コブラが空咳をしながら言い、ルフィはそもそもビビの件に関してはちゃんと言うつもりでいたので頷き、そうして気まずい雰囲気の中で食事をすることになった。
「皆、ごめんな」
ラキとアンから説教されたチョッパーは食堂に戻ってくると皆に謝り、許された。
ともかく、食事が終わった後はルフィはビビと共に『王の間』にて……。
「ルフィ君。私は君には大きな恩があるし、深く感謝しているが……この件に関して責任は当然、取ってくれるんだろうね?」
「それは勿論、将来的な事においてもビビ王女と話し合いながら責任を取っていく事を誓います」
「……ひとまずはそれで納得しておこう」
真剣な表情でルフィを見定め、彼の誓いを聞くと溜息を吐きながら、コブラは言った。
「とはいえ、けじめはつけさせてもらう」
玉座から立ち上がり、コブラはルフィに対し、必殺のキングチョップを見舞ったのであった。
その後、ルフィは『バロックワークス』の『フロンティアエージェント』の一人、Mr.11が持っていた『良業物』と呼ばれる名刀の『花州』を使いこなせるよう、一つの広間を借りて鍛錬をしようとしていた。
そして、まずは鞘から刀を抜くと手に持ちながら座り、瞑想すると共に『見聞色の覇気』で『花州』の残留思念を読み取る。
その結果としてMr.11より前の使い手は女性の剣豪である事が判明し、その彼女の技を学ぶことが出来た。
実際に試そうとした所で……。
「貴方があの『王下七武海』のクロコダイルを倒しこの国を救った救世主であるルフィ様か」
「なるほど、中々の威風……」
「一勝負、お相手願いたい」
「どうか……」
ルフィへと声をかけた四人の男たちはそれぞれ、無精髭とひょうたん型の顔が特徴の大男で身の丈ほどもある大剣が得物のヒョウタ。
目が隠れる程に前髪が長く、それぞれ刃が二つに分かれた斧を二本得物としているブラーム。
長身痩躯で顔が細い男で長剣を得物としているアロー。
恰幅の良い体型で普通の斧を二本得物としている男のバレル
アラバスタ王国のエリート護衛団である『ツメゲリ部隊』である。
「ああ、良いだろう……来い」
鞘に刀を納めて左手に持った状態、自然体にも思える構えで言い……。
『うおおおおっ!!』
『ツメゲリ部隊』はルフィへと猛進し、コンビネーション抜群の武威を振るうが……。
「
残留思念より学んだ技――鞘は蕾、抜き放つ刃を花と見立てた居合の連続技を使い全員の攻撃を切り払いながら、それぞれ峰打ちを炸裂させると同時に鞘へと納刀する。
『見事……』
ツメゲリ部隊の者たちはそう言って、負けを認めると……。
「次は私とやってもらおう」
アラバスタ王国において一番の剣豪であるチャカがそう言って、『動物系』である『イヌイヌの実 モデルジャッカル』を食べた能力者であるが故に変身し、ジャッカルを人型に変貌させたような姿となる。
因みにペルは『動物系』の一つで『トリトリの実 モデル
ともかく、チャカは構え……ルフィは先ほどの如く自然体で構えた。
その数舜後、二人は動き……。
『
「なっ!?」
チャカはジャッカルの特性である脚力を活かした速度の勢いを乗せた突進の剣技を使ったのだがそれより数舜速く、構えからチャカの技の内容を把握したルフィが同質の技を先打ちしてチャカの刃が勢いに乗る前に切り払い、返す刃で首元に刀を突き付けた。
「完敗だ。まさか、これほどの剣豪とは……」
「訂正しておくが、俺の本領はこっちだ」
刀を鞘に納めたルフィにチャカは賛辞を贈るもルフィが拳に手を打ち付けながら自分は剣豪ではなく、拳豪である事を伝えると『ツメゲリ部隊』と供に驚愕する。
「おい、ルフィ。こういう時は俺も混ぜろよ」
「これを使いこなせるようになってから誘おうと思っていたんだよ」
その後、不満げに言うゾロが現れルフィは返事をすると彼と剣技の鍛錬へと励むのであった……。