アラバスタにて二日も降り出した恵みの雨は止んだ。よって、国中の人たちは長きにわたった内乱、今まで干ばつによって荒れていた町の復興作業へと取り掛かっていく。
『麦わら旅団』も又、それぞれの長所を活かして、復興作業を手伝っていた。
例えばウタなら路上ライブ、ナミはモデルショーに慰安活動をし、サンジは自慢の腕を振るっての料理やお菓子を作っての配給、チョッパーは診察、ウソップなら大工仕事、ゾロも力仕事をしていく中……。
「頼む、お前たちの力を俺に貸してくれっ!!」
『オオオオオッ(王様のためなら、喜んでぇぇぇっ)!!』
ルフィはカルーが隊長となって率いる『アラバスタ王国最速集団』の超カルガモ部隊、ラキとアンと共にアラバスタ中の動物たちの元へと行き、『サンドラ大トカゲ』や『ヒッコシクラブ』、『バナナワニ』、『ワルサギ』、亀とアザラシを混ぜたような生き物で武闘家気質な『クンフージュゴン』と本当にアラバスタの自然界に居る動物たち、全てと交流し彼らの王者となって復興作業を手伝わせた。
「……あれがクロコダイルを倒したっていう……流石に想像以上だな」
「ああ、大物だな」
反乱軍のリーダーをやっていて、ビビの幼馴染でもあるグラサンをかけた精強な顔と身体つきの男であるコーザと人の良さそうな印象を受ける見た目の男でコーザの父であるトトがアラバスタ中の動物を指揮しているのを見て、驚愕しながら感想を言った。
「それがルフィさんだから……」
ビビは微笑みながら、コーザとトトに言う。
「あちしたちも頑張るわよー」
ベンサムも又、自分の手駒としている元バロックワークスの者たちを率いて復興作業を手伝っている。
そうして凄まじい速さで復興が進んでいく中で……。
「ようやく、来たのか」
「ええ、借りを返してもらいにね」
とある町で気配を感知したルフィは人気のない場所へと一人移動して声をかければミス・オールサンデーが姿を表し、自分の要求を告げた。
「それで何が望みだ?」
ルフィはミス・オールサンデーに問いかけ……。
2
今より二十年前の話――『
そしてオハラには優秀な考古学の学者たちが集まっていたのだが、彼らはこの世界の禁忌に触れてしまった。
それは世界の各地にある古代文字にて歴史文が記された特殊なキューブ状の『
その影にすら触れる事を禁じている歴史に触れようとした事で『世界政府』により、文字通りオハラは島もそして考古学者ではない者たちも含めて殆どの島民も消された。
そう、全てではなく殆ど。何の因果か一人だけ『オハラ』の生き残りが一人だけ居るのだ。
その生き残りこそミス・オールサンデーことニコ・ロビンであり、当時8歳にして『歴史の本文』を解読できる超天才の考古学者であった事から政府から危険視され、生け捕りとはいえ七千九百万ベリーという破格の懸賞金がかけられた女性である。
彼女は自分の知恵や子供の時に口にした『体の各部を自分だけでなく、相手の体にすら花のように咲かせる』能力を得る『ハナハナの実』の能力を使って政府や賞金稼ぎの手を苦労しながらも逃れ続けながら様々な人物と組みながら、生きてきた。
その目的は唯一生き残ったからこそ、『空白の100年』を解明するという『オハラ』の悲願の達成。
今、彼女はルフィに協力した見返りにアラバスタの首都、アルバーナの王宮の西にある葬祭殿の地下に隠され、ネフェルタリ家が代々守ってきた『歴史の本文』を拝見していた。
ルフィは彼女の要求に従い、彼女を連れて国王であるコブラの元まで行った。
当然、クロコダイルのパートナーでもあった彼女の姿にビビもウタたちも驚愕と共に警戒したが、ルフィは彼女に借りがある事や自分が責任を持つことを言って、ひとまず納得させるとコブラへ地に顔を伏せるように頭を下げてまで、ニコ・ロビンに『歴史の本文』を見せるように頼んだのである。
そうしてコブラにルフィ、ニコ・ロビンは葬祭殿の地下へと向かったのだ……。
「……もう、これ以外にこの国に『歴史の本文』は無いのね」
「ああ、この国にあるのはそれだけだ」
ロビンの問いかけにコブラはそう答えた。
「そう……ルフィ、借りを返してくれてありがとう。最後に貴方のような誠実な男に会えて嬉しかったわ。後は私を海軍に突き出すなり、好きにしてちょうだい」
すると苦笑し諦めたような表情を浮かべ、ルフィに対して言う。
「……そうか、なら俺の仲間になってもらおう」
「えっ!?」
ルフィはロビンにそう言い、まさかの言葉にロビンは驚愕した。
「まだこの世界全部を回っていないんだろう? なら、『
ルフィはロビンが『歴史の本文』を呼んでいる間、『見聞色の覇気』で過去も含めて、彼女の内心を読み取っていた。
そもそも海軍本部で彼女の手配書を見、それについて偶々いたクザンに質問しながら苦渋に満ちた表情を浮かべた彼の内面を読み取った時からロビンへの対応はあらかじめ、決めていたのだ。
彼女が悪人で無いときにおいてはだが……。
「……でも、私が居れば多大な迷惑どころじゃなく、リスクだけを負う事になるわよ」
「だろうな……だが、それはそれだ。俺は少なくとも『歴史を知る事』自体が罪になるなど、あってはならないと思っている。ましてやその裁きとして島や住民を消す事は絶対に間違いだ」
ルフィはそう言い……。
「俺はお前の夢を受け入れる……だから、来いよ。というより、借りはちゃんと返させろ」
「……ふ、ふふふ……あははははは。どうやら、私はようやく、良い相手と組めたようね。本当に貴方の仲間になって良いのね?」
「ああ、二言は無い」
そうしてルフィが差し出した手を微笑みながら、ニコ・ロビンは同じく手を差し出して握った。
「(とりあえず、センゴクさんと話合いだな)」
そうしてその後、ルフィはセンゴクとニコ・ロビンについて、彼女の培ってきた能力を活かして『諜報員』として協力させる事やら空白の100年の歴史の解明しようとする事の監視やらなにか、政府にとっての敵対行動をすれば保証人としての責任を取ることになる事や『歴史の本文』の解読法を記した書物を『世界経済新聞社』に売りつけ、バラまかせる脅しやら建前などを用意したりの長い交渉を行う事になるのであった……。