四十七話
天候も波の様子も良好であり、絶好の航海日である今日の朝に復興作業に支援、奉仕活動をして国力が整うのを手伝っていたアラバスタ王国を『麦わら旅団』はアラバスタの王女であるビビと彼女の親友であるカルガモのカルーも加えて出航した。
現在の進路は『記録指針』が示す西北西にまっすぐ向かっていた。
「……」
そして、船首近くで波が動く様子を眺め、優しく吹く風をその身に浴びながら、ルフィが立っていた。
「どうしたのルフィ? 随分と嬉しそうだけど」
ウタがルフィへと寄り添いながら、質問をする。
「ああ、嬉しいさ。こうして、大勢の仲間と何が待つか分からない冒険の旅が出来るんだからな。もっともしばらくは陰謀やら争いは勘弁願いたいが」
ルフィはウタの頭を撫でながら、自分の気持ちを言った。
「うん、そうだね」
ウタはルフィに撫でられるのに身を任せながら苦笑して、頷く。
「すみません、ルフィさん。本当に沢山の苦労をお掛けして……」
「クエー」
「謝られるような事じゃないぞ、ビビにカルー。結果的には良い思い出も沢山出来たし、お前やカルーとも旅が出来るようになったんだからな。一緒に楽しもう」
するとルフィとウタの会話を聞いていたビビとカルーが歩み寄りながら謝ってきたので苦笑し、ビビにカルーへと言う。
「そう言ってくれると助かります。それに私もこの先、何があるのか楽しみです」
「クエー(僕も)」
「じゃあ、良かった」
「何が良かったって?」
ビビが微笑んだのに対し、ルフィも微笑んでいると先程まで船に用意している『ココヤシ村』から持ってきたミカンの木の世話をしていたナミがやってきて、ルフィの背中へと抱き着いてきた。
因みに船の周囲を見れば、自己鍛錬しているゾロとマイロンに船の調理室では料理に励んでいるサンジ、何やら作業をしているウソップにラキとアン、チョッパーを可愛がっているロビンとそれぞれ、思い思いに過ごしていた。
「居心地はどうだ、ロビン?」
「ええ、悪くないわ団長さん。こうして穏やかに時間を過ごしたり、気ままに旅をした事は無いから、新鮮よ」
「俺も次の旅がどうなるか、楽しみだぞ」
ルフィの質問に微笑みながらロビンとロビンに顔を揉まれているチョッパーが答えた。
「そうだな、さて次は何が待つやら……」
ルフィは答えながらも何らかの異変を感じ……。
「少し、船を進める。皆、上に気を付けろよ」
『上?』
ルフィが警告して、操舵室に移動する中、皆が上を見……サンジがスイーツを持って船の外へと出ると……。
『ふ、船ぇぇぇぇぇっ!?』
ルフィ達の乗る船がルフィによって今の距離から大分、前進すると少しして逆さの状態で空から巨大なガレオン船が落下し、波に着水して激しく揺らす。
「あっ、どうしよう。『記録指針』が壊れちゃった」
皆が動揺や混乱する中、ナミが『記録指針』の指針が上を指した事で壊れたと思い、呟く。
「いえ、それはより強い磁力を持つ島によって、新しい『記録』に書き換えられたのよ。『
ロビンがナミの呟きに答える。
「とりあえず、探ってくる」
操舵室から出たルフィが言いながら、超速移動をしたために姿を消し……少しすると一つの棺桶や地図、日誌に海図を回収して戻ってきた。
「どうやら、面白い事になりそうだぞ」
珍しく、期待と興奮に震えた様子で『SKY PIEA』と書かれた地図をルフィは皆へと見せ、皆はそんなルフィの様子に『よっぽど、冒険らしい冒険したかったんだな』と微笑ましくなったのだった……。