麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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四十八話

 

 『旅団』としての本質を果たすため、それぞれの夢を叶える事を目標とした航海の旅を再開したルフィ達、『麦わら旅団』。

 

 航海中、島への指針を示す『記録指針』が上空を差した事や遥か上空から巨大なガレオン船が落ちた事、落ちたガレオン船からとある島の地図を発見した事で次の旅の目的地は『スカイピア』という名の『空島』にする事を決めた。

 

「しかし、空に島が浮かんでるなんてな」

 

「ええ、落ちてきた船の航海日誌からも空島はあるみたいね。肝心な空島への行き方は抜けてるけど……」

 

「文字の文面や劣化状態からしても数十年以上は経ってるわね」

 

 空から落ちてきた船の海図や航海日誌をナミにウソップ、ビビが見ているがその内容は穴開きや染み、汚れなどで読むのが難しい状態であり、日誌においては書かれている言葉が古臭いものであった。

 

 一応、空島こと『スカイピア』を旅していたような内容などは読み取れたが……。

 

「……失礼」

 

 ルフィは船内の部屋から必要なものを持ってくるとガレオン船から持ってきた棺桶に対し、手を合わせると棺桶の中のボロボロの白骨死体の修復作業を始める。

 

 修復する事で『見聞色の覇気』によって残留思念を読み取って、落ちてきた船が何のために航海してきたかや船員たちの様子がどうだったかを知ろうとしているのだ。

 

 最もあまりに長い時間が経過したものだと残留思念も劣化するので難しくなる。それでも一種の判断材料にはなるのでルフィは復興作業を始める。

 

 海軍の学校時代、ルフィはいろんな分野を学んでいるので事件や事故における捜査技術まで有していた。

 

 

「私も手伝うわ」

 

 ロビンもそう言って、ルフィに倣って死体に対し手を合わせると復興作業を手伝い始めた。

 

「ルフィって、本当に何でもできるんだなっ。すげぇ」

 

「何でもは出来ないぞ、チョッパー。只、出来る事を増やそうとしてきただけだからな。実際、どうしても出来ない事は俺にだってある」

 

 目を輝かせながら、憧れでもあるルフィの手際を賞賛するチョッパーへルフィは言う。

 

「……」

 

 ウタはルフィの言葉に少し、表情を暗くした。

 

「へぇ、例えば?」

 

 サンジが質問するも……。

 

 

 

「聞かれても答える訳が無いだろう……良し、出来た」

 

 

 ルフィは苦笑で答え、修復作業が終了したので道具を置き、目を瞑りながら頭蓋骨に手で触れて『見聞色の覇気』を使う。

 

「駄目だな、数十年から数百年は経過した死体だ」

 

「穴が幾つか、あるがここを突かれて死んだのか?」

 

「いや、これは穿頭術っていう治療の跡だ。なあ、チョッパー?」

 

ゾロの質問に答えたルフィは次にチョッパーへと尋ねる。

 

「う、うん。この跡は確かに……脳腫瘍を抑えるための空け方だ。でもずっと昔の治療術だぞ」

 

「ええ、彼が死んでから二百年は経過してるわね。歳は三十代前半、航海中に病に倒れ死亡ってとこね」

 

「ああ、それなのに歯がしっかり残っているのはタールが塗り込まれているからだな。確か、こうしたやり方は『南の海』の一部地域特有のものだったはずだ」

 

「だったら……あった、船の形状からしてもこれの筈よ。『南の海』の王国ブリスの船、『セントブリス号』。208年前に出航してるから間違いないわ」

 

 ルフィとロビンは死体の検分をしながら、最後にルフィが持ってきた書物より船の情報を確定した。

 

 

 

『おー!!』

 

 ルフィとロビンの手際に皆が拍手をした。そうして、棺桶も修理し改めて死体を入れてやるとゆっくりと水の中に水葬した。

 

『サールベージ、サールベージ♪』

 

「なんなの、この歌と音楽は……」

 

 少しすると珍妙な音楽と歌声が響いてきたのでルフィが音楽が一切聴こえない事を知っているウタは密かにルフィをその方向へと向かせるサポートをした。

 

「全体〜〜止まれっ!!」

 

 シンバルと笛を鳴らしながら、ルフィ達の居る海域へと近づいてきた大型の船。

 

 船首はシンバルを両手に持った猿のそれであり、船の両側にはバナナ状の物体があるなど独特の船であった。

 

『アイアイサー!!』

 

 船長と思わしき男の声に船員たちが答える。

 

「船が沈んだ場所はここかぁっ!?」

 

『アイアイサー、園長(ボス)!!』

 

園長(ボス)!? つまりそいつは俺の事さ。ウッキッキー!!」

 

 船員たちに呼びかけながら、猿をそのまま人にしたような姿の大柄の男が声を上げた。

 

「引き上げ準備〜〜ってえええええっ、麦わら旅団〜〜っ!? お、俺たちを捕らえに来たのか!!」

 

 海底に沈んだ船のサルベージを『マシラ海賊団』としての仕事としている船長であり園長、『サルベージ王マシラ』と呼ばれているマシラはルフィ達の船旗を見て驚愕しながら警戒する。

 

 

「ウキィ、ウキッキッキー」

 

「ウキキー……って分かるかあっ!?」

 

ルフィからの呼びかけにマシラは突っ込んだ。

 

『(ルフィがボケたーっ!?)』

 

ルフィがボケをするという事態に仲間たちも突っ込む。

 

「え、いやあまりに思い切った顔をしてるなと思って……ともかく、俺たちは別に人に危害を加えないってんなら、海賊だからって争ったりしないから安心しろ。只、一つ聞かせてもらいたい」

 

「ん、なんだ?」

 

「この辺りで空島に詳しい人を知っていたりしないか?」

 

 ルフィの質問に……。

 

「お前ら、空島に興味があるのか?」

 

「ああ、そして絶対に行きたいとも思ってるよ。俺たちは旅団だからな」

 

「……ウキ、ウッキッキィィッ!! それじゃあ、お前たちは運が良い。良いだろう、凄く『空島』に詳しい人を紹介してやるよっ!!」

 

 何やら嬉しそうな表情を浮かべ、まるで同志に会えた事を喜ぶような身振りもマシラはするとルフィ達に応じたのであった……。

 

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