麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

5 / 159
四話

 

 フーシャ村を拠点としている『赤髪海賊団』はこの世界において一番、音楽の分野において発達している事で『音楽の国』と呼ばれているエレジアを目指し、航海を始めた。

 

 赤髪海賊団は船長のシャンクスに副船長はオールバックの長髪、渋さ漂う男で銃使いのベン・ベックマン。もう一人の銃使いで狙撃手を務めるヤソップ(実はウタやルフィと年が近い息子がおり、妻も居る)、帽子とゴーグルをしていて恰幅が良く、コックを務めるラッキー・ルウ。

 

 高い知能を有する猿のモンスター、彼と長年、コンビを組んでいるスキンヘッドのボンク・パンチはウタとは別分野の音楽家コンビである。

 

 長髪に海賊帽を被り、グラサンをしている棒使いのライムジュース、船医のホンゴウ、ウェーブのかかった長髪にサングラス、龍のタトゥーなど特徴が多い曲芸師、かつ航海士のビルディング・スネイク。荒々しい髪や鋭いギザ歯と獣のような男であるハウリング・ガブ、そして歌い手でシャンクスの娘であるウタと個性豊かなメンバーで赤髪海賊団は構成されている。

 

 そして、そんな今回の赤髪海賊団の航海に……。

 

 

 

 

「どうだ、ルフィ。初めての航海は?」

 

「海賊との航海も悪くないでしょう?」

 

「……反応に困ることを言わないでくれ、ウタ。でも、航海自体は悪くない。海賊が海を求めるという気持ちも分かる気はするよ」

 

 ウタからの誘いを断れず、海軍の中将で忙しいとはいえ、仕事の合間や暇を見つけてはフーシャ村に自分の様子を見に来るガープにバレたら(マキノや村長にその他、村人たちは何とか説得してくれるとは言ってくれたが……)殺されるのは覚悟して赤髪海賊団の航海にルフィは同行していた。

 

 一応、身バレしないように仮面をつけつつ、他の海賊団や海軍との戦闘中はウタの護衛も兼ねて一緒に船番をしているが……。

 

 そして、その他は何もしないのは性に合わないので雑用をしたり(世話になっているマキノの店の手伝いをしていたりするので慣れている)、船医のホンゴウや航海士のスネイクなど専門家たちから必要な知識や技能(教えた者たちはそれぞれ、(こいつ、万能すぎるだろう)』と恐れる程)を得たりなどしていた。

 

 シャンクスにウタからの質問に何とも言えない顔をしながらルフィは答えた。

 

 

 

「そうか、もし海賊になる気があるならいつでも行ってくれ。お前なら大歓迎だ」

 

「それ、ナイスアイデア。ねぇルフィ、海賊になろうよ」

 

「いや、本当に待ってくれ。今でさえ、ヤバいってのにそんなことになったら爺ちゃんにこの世から消されちまうよっ!!」

 

 シャンクスの割と本気の誘いとそれに乗っかるウタの言葉に完全に焦り、困りながらルフィは言ったのだった……。

 

 

 

 

2

 

 

 煉瓦造りの建物が並ぶ美しい国であり、国内だけでなく国外からやってききた様々な音楽の専門家や様々な楽器、楽譜が集まっている事で音楽家にとっては楽園のような国、エレジア。

 

 その城内にいるエレジアの者全てがとある音楽に夢中になっていた。

 

 それはウタによる歌声だ。ウタは元からの歌い手としての才能がずば抜けているのもそうだが、更に食べればカナヅチになるのと引き換えに異能を有することが出来る『悪魔の実』を食べていて、ウタは『ウタウタの実』の能力者で歌声を聞いた者の精神を特殊な空間に誘う事が出来、誘われたものは眠ったような状態となるのだ。

 

 とはいえ、この能力を使えば体力の消耗が激しいため、眠ってしまう。なのでウタはこの能力を使いこなせるように鍛錬しており、体力の消耗を抑える事で特殊な空間に誘わず、心地良くさせる状態にさせることが出来るようになった。

 

 そんな彼女の夢は自分の歌声で人々に幸福を与え、いずれは争いも何もない平和な時代、新時代を作る事。

 

 その練習ともいえる大舞台での歌唱しているからかいつもより、楽しそうに朗々と歌い上げていた。

 

 

 

「(……やっぱり、ウタは歌っているのが一番だ)」

 

 そして、ルフィはウタの良さは歌っている姿であり、そんな彼女の歌声や様子が好きなことを再認識し、惚れ直すし、更に更にと惚れていく。

 

 『好き』には限界が無いことをルフィは知った。そうして、ウタが歌い終えると沢山の拍手が行われ……。

 

 

 

「素晴らしい!! 君の歌声は正に世界の宝だ!! ここには音楽家の専門家たちや楽器、楽譜が集まっている。是非、このエレジアに留まってほしい。国を挙げて歓迎する!!」

 

 このエレジアの王であり、サングラスに両耳にはヘッドフォンのような飾り、燕尾服とベストを着た大柄の男であるゴードンはウタの歌声とその才能に惚れ込み、彼女にエレジアに残ることを頼み込む。

 

 他の者たちも又、ゴードンに続いて頼み始める。国民性としてエレジアの人々は音楽を愛しているのだ。

 

 

 

「わ、私は赤髪海賊団の音楽家だから……」

 

 しかし、ウタは迷いながらもゴードンに自分の気持ちを伝える。

 

 

 

「そうか……それなら仕方ない。なら、せめて音楽家として、この国を見ていってほしい」

 

 ゴードンや国民たちは残念がりながらもウタの意思を尊重して、そしてこの国の事を知ってもらおうとゴードン直々に案内する。

 

 古い楽器が保存された資料室、大きなパイプオルガンが備え付けられた礼拝堂、多くの学生が各々の楽器を練習している音楽学校とウタは興味深そうに楽しそうに見ていた。

 

 

 

「話には聞いていたが、エレジアは本当に音楽の国だな。凄いよなモンスター」

 

 

 因みに別の音楽家であるボンクとモンスターもであるが……。

 

 そうして、明日の朝に旅立つ事にし今日はゴードンからの厚意で城で宿泊する事になったその夜。

 

 

 

「エレジア、本当に色んな音楽があって良い国だな」

 

「うん」

 

 城のテラスで月明かりに照らされたエレジアの街並みを眺めながら、ルフィとウタは会話をする。

 

 

 

「……なぁ、ウタ。これはあくまで俺の意見だが、この国に残っても良いんじゃないか? エレジアの皆の前で歌っているお前は楽しそうだったし、それに新時代を作る歌姫になるならここで勉強するのは一番だと思うぞ」

 

「……確かにゴードンさんやエレジアの人たちの前で歌うのは楽しかったけど、でも私は音楽家である前に赤髪海賊団の一員でシャンクスの娘……離れる事なんて出来ないよ」

 

「なるほど、それなら仕方ないな。お前がそれで良いなら、これ以上は何も言わない。ただ、もしこの国に残るって言ったなら俺もこの国に残るつもりだった」

 

「ぇ……」

 

「俺はお前の歌う姿を見たり、歌声を聞くのが好きなようでな……出来る限り、お前の傍に居たいと思っている」

 

「ぅ……ぁ……うぅ」

 

 ルフィに真剣に見つめられ、真剣な気持ちを伝えられたウタは顔を赤に染める。

 

 

 

「ウタ、俺は何があっても、お前を応援するしお前の味方だ。この事だけは信じてくれ」

 

「……は、はい」

 

 ルフィの言葉に頷くウタ、そして見つめあう二人は顔を近づけ合い……。

 

「おいおい、野暮な事は承知で言うがお前らにはそれはまだ早いぞ……年齢を考えてくれ」

 

 シャンクスはそれぞれ実年齢にしてはかなり先を言った交流になりかけている事をルフィとウタへと突っ込み、止めた。

 

 

 

『……』

 

「そんな今にも殺しそうな目で見ないでくれ……」

 

 それぞれ良い雰囲気を邪魔された事でシャンクスを射殺さんばかりに睨む二人にシャンクスは苦言を呈した。

 

 そうして、ゴードンがパーティをするからと呼びに来たシャンクスと共に会場へと向かえば、最後の機会にウタの歌声が聞きたいと様々な人が頼み、ウタはその頼みを聞き入れ、歌っていく。

 

 そして、ゴードンはウタの歌声を国民全てに聞こえるようにしたのだが、それが間違いであり、とある者たちに悲劇をもたらすことになるなどこの時点では知る由も無かった……。

 




 いよいよ、あれが映画とは違う形で猛威を振るいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。