麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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四十九話

 

 次の旅の目的地を空から海へと落下してきたガレオン船より、『スカイピア』という名の『空島』に決めたルフィ達、麦わら旅団。

 

 どう行くか空島の情報を集めようとしたときに海の中へと沈んだ船をサルベージしに来た『マシラ海賊団』と出会った。

 

 マシラ海賊団の船長であり、園長のマシラによれば『空島』はあると確信しているとの事だ。

 

 というのも『北の海』では有名な絵本、『うそつきノーランド』という題名の絵本がある。

 

 それは探検家のモンブラン・ノーランドが『偉大なる海の島で山のような黄金を見た』と王に報告、それを確かめようと王はノーランドと二千人の兵士と一緒に困難な旅をし、目的地の島に着いた時にはノーランドと王、百人の兵士という人数に多くの犠牲を出しながらも確かめに行った島には黄金も何も無かった。

 

 ノーランドはうそつきの罪で死刑となり、ノーランドは最後の言葉として『山のような黄金は海に沈んだんだ』と言い、そうして死刑は執行されて死後もノーランドはうそつきだと罵られ続けたという話。

 

 この『うそつきノーランド』の内容は実在する物語であり、ノーランドの子孫であるモンブラン・クリケットはマシラとマシラの兄、『ショウジョウ海賊団』の船長であり、大園長(おおボス)のショウジョウとノーランドが言い放った海底に沈んだ黄金を求めて活動する『猿山連合軍』の首領、『最終園長(ラストボス)』だと言う。

 

 そして、クリケットが持つノーランドの航海日誌に『空島』の文化が記されてあったとの事。

 

 

 

 マシラは『空島』に真剣に行こうとしているルフィ達に対し、もっと詳しい話が出来るクリケットの元へと案内してくれると言った。

 

 もっともまずはマシラたちのサルベージが済んでからだが……。

 

 因みに『うそつきノーランド』についてはサンジも詳しかった。というのも彼の生まれは『北の海』であったからだ。

 

「そういえば、あれも『北の海』の物語だったよね? ほら、昔ルフィが良く読んでたやつ」

 

「『海の戦士ソラ』だ。ああ、爺ちゃんに良く『これを参考にせい』と言われたからな。今もソラの『正義』は俺も好きだからな」

 

 ウタが何かを思い出したかのように問いかけ、ルフィは自分が読んでいた物語の名を出して答えた。

 

 『海の戦士ソラ』は世界経済新聞に連載されていた物語で海の上を歩けるヒーローのソラが巨大合体ロボとカモメを従えて悪の軍団ジェルマ66(ダブルシックス)と戦う勧善懲悪物である。

 

「っ」

 

 すると何故かサンジが反応を示し、ルフィがソラの正義が好きだというと嬉しそうな顔にはなったが……ルフィはそんなサンジの心の動きを感じ取りはしたが、特に追及はしなかった。

 

 ともかく、折角なのでマシラのサルベージを見学する事にし……。

 

 

 

「よぉぉし、引き上げ完了っ。良くやったぞ、お前らっ!!」

 

 

 マシラ海賊団のサルベージは引き上げのための錨に船の船首を海底へと下ろし、海底の船へと繋げてマシラの息によって一気に浮かし、引き上げるという中々にパワフルなものだった。

 

 因みにマシラ達はサルベージの都度、ルフィ達を意識した撮影ポーズやアピールをするなどもしていた。

 

「……中々、ユニークなサルベージ方法だな」

 

「後、パワフルだね」

 

「サルベージって、こんなだったか?」

 

「いや、滅茶苦茶過ぎるだろ」

 

「まあ、海底に潜らず出来る方法をやっているだけ、プロフェッショナルと言えるのかしらね?」

 

「海王類とかいたら、洒落になりませんからね。ナミさん」

 

「人間技じゃ無いわね」

 

「俺、サルベージって初めて見た。船を浮かして引き上げるなんて凄ぇな」

 

「うふふ、そうね。チョッパー」

 

 マシラ達のやり方に純粋に感動し、興奮しているチョッパーとそんなチョッパーを愛でているロビンを除いて大体が戸惑った。

 

 そうして、後はクリケットの元へと行く段階になったのだが……。

 

 

 

「ん、なんだ空が……」

 

「(……これは……)」

 

 突如として周囲は太陽が昇っていたにも関わらず、暗闇に染まり……。

 

 

『か、怪物だぁぁぁぁっ!?』

 

 黒い巨人が姿を表したが……。

 

 

 

「落ち着け、そいつらは只の影だっ!!」

 

 ルフィは『見聞色の覇気』によって生物や『魔王』のような残留思念を抱えた何かで無い事を確認すると騒ぐ皆へと叫ぶ。

 

 実際、巨人は船に対し何もしなかったし、船も巨人に触れる事は無かった。

 

 そのまま、空は晴れ渡っていく。

 

 

 

 

「あれは『積帝雲(せきていうん)』、空高く積み上げるもその中に気流も生まず、雨に変わることも無いっていう特殊な雲だろう。海軍の気象学で習った事がある。『積帝雲』では極度に積み上げられた雲の影で日の光が遮断されるらしいからな」

 

 

 その後、ルフィが解説を始めた。

 

 

 

「じゃあ、あの怪物たちは?」

 

「おそらく、遥か上空に居る人間に強い日の光が差したものが『積帝雲』による霧に映し出されたんだろう。益々、『空島』があるって確定出来てきたな。幸先が良いじゃねえか。なあ、マシラさん。そういう事なんだろう?」

 

「……ウッキキ、なるほどな、そういう事だったのかっ!!」

 

『凄いな、あんた』

 

「いや、お前たちは知ってないと駄目だろっ!?」

 

 ルフィは確認のために聞いたのにマシラ達はまるで衝撃的な事実でも聞いたかのような顔を浮かべ、納得したのでルフィは思わず、突っ込み不安になるのであった……。

 

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