麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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五十話

 

 

 『偉大なる航路』にある島々の一つに『ジャヤ』という島がある。

 

 気候は比較的、温暖な『春島』なのだがこうした気候が故なのか、いつしか海賊たち無法者たちが此処を拠点として集まるようになり、よってこの島の西を中心に治安は最低で毎日強盗や殺人が横行する町が、通称、『嘲りの町』と呼ばれるモックタウンは出来上がった。

 

 そのあまりの無法ぶりに『世界政府』や『海軍』ですら、見捨ててしまい、モックタウンは政府介入せぬ無法地帯としても有名である。

 

 しかし、今でこそ『モックタウン』がある島として有名なジャヤこそ、『うそつき』として今なお、嘲笑されているモンブラン・ノーランドが王に『山のような黄金』があるとして紹介した島だ。

 

 ノーランドはこの島の黄金は死ぬ間際、地殻変動によって遺跡ごと海底へと沈没したことを主張していた。

 

 最初こそうそつきの一族として罵られ、その呪縛から抜け出すために海賊となり、しかし何の因果かジャヤへと行き着いてしまったモンブラン家の者でノーランドの子孫であるモンブラン・クリケットはジャヤを拠点に海底へと潜り始めた。

 

 そんな彼の生活に『うそつきノーランド』のファンであるマシラと彼の兄、ショウジョウは彼の仲間として加わり、ジャヤ周辺の海域の海底に沈んでいるだろう黄金を探すのを手伝っているとマシラはルフィ達に語った。

 

 よって、クリケットの元へと彼が住んでいるジャヤの東に進んでいると……。

 

 

 

「お、ちょうど良い。あれが俺の兄貴、ショウジョウの船だ」

 

 そう言いながら、マシラが示した先にマシラの船のように船首をオランウータンの形状とし、船旗にはオランウータンの髑髏と『MORINOHITO』の文字が描かれていた。

 

「ウォーホー、よう、マシラ」

 

 そうして、船からオランウータンをそのまま、人にしたような大男であり、マシラの兄が『ショウジョウ海賊団大園長(おおボス)』こと『海底探索王ショウジョウ』が最初こそ気軽に弟であるマシラに話しかけた。

 

「猿の次はオランウータンかよ」

 

「これまた、随分と思い切ってるねー」

 

「ある意味、人類の神秘って奴かしら」

 

「先祖返りというか、祖先返りというか……」

 

「兄って言うからもうちょっとあれ寄りと思ったんだが、そうかオランウータンか」

 

「本当にこの海にはいろんな奴がいるんだなぁ」

 

「そうね、私もびっくりだわ」

 

「まったくね」

 

 あまりにも思い切ったショウジョウの外見にゾロにウタ、ナミにサンジ、ウソップとチョッパー、ビビとロビンらが感想を言う。

 

「って、その船は『麦わら旅団』んぅぅぅぅ!?」

 

 ショウジョウはルフィ達の船の船旗である麦わら旅団のそれを見て驚愕する。

 

「安心してくれ、俺たちは一般人に手を出したりでもしない限りは問答無用なんて事はしない。マシラからもサルベージ活動が主だって聞いているしな」

 

「そうか……色々と話聞いてるから、ハラハラしたぜ」

 

 ルフィの言葉にショウジョウは安堵の息を吐く。

 

 

 

「それと一つ聞きたいんだが、お前もマシラも随分と思い切った顔をしてるが実は猿人類だったりしないか?」

 

『しないしない、ちゃんと人類だ』

 

「祖先帰りしてるのかってぐらい、猿類にそっくりなんだよなぁ……」

 

 ルフィの質問に答えを返すマシラとショウジョウであるが、ルフィは納得いかないとばかりに首を傾げるのであった。

 

 ともかく、その後はルフィ達が『空島』へ行こうとしているのを知るとショウジョウも喜んで、協力すると言い、ショウジョウも加えてマシラとショウジョウの親分でもあるクリケットの元へと向かった。

 

 

 

『おお、すげえっデカい城だぁぁぁ!?』

 

 大きな城が島の上にあったので驚いたウソップとチョッパーだが……。

 

『いや、あれは単なる張りぼてだ』

 

『本物じゃないのかよっ!?』

 

 マシラとショウジョウからの答えに二人はずっこけた。

 

 

 

「見りゃ、分かるだろ」

 

 そんな二人へゾロは呆れる。

 

 

 ともかく、ルフィ達は船を停めてマシラにショウジョウと共に島へと上がったが、今は海底へと潜っていてクリケットはいなかったので帰ってくるのを待っていると……。

 

「おう、大勢連れてどうしたマシラにショウジョウ。お客さんか?」

 

 頭に栗がついた筋肉質の男が海底に潜っていたために上半身は裸で濡れたままに歩きながら、マシラとショウジョウに問いかける。

 

「ああ、それが……「う、ぐっ!!」おやっさんっ!?」

 

 マシラが答えようとした直後、クリケットが苦しみ始め堪らないとばかりに地面に倒れ伏し、痙攣までし始める。

 

「待て、触るなっ!! チョッパー、診断するぞ」

 

「うん」

 

 駆けつけようとするマシラとショウジョウを大声で制止するとチョッパーを呼んで二人でクリケットの様子を見る。

 

「毎日、海底へと潜っていると聞いたから可能性としては考えていたが……間違いなく、潜水病だな」

 

「うん、それもかなり重症だ。一体どれだけ無茶な潜り方を……」

 

 診断をしたルフィとチョッパーは直ぐにクリケットの症状を突き止めた。

 

「潜水病?」

 

「ああ、減圧症とも言ってな。確か主に10m以下、特に30m以下の深さで長時間ダイビングしている状態から海上へと急上昇した際に血液中に溶け込んでいた窒素が気泡になって血管や血管外で膨張する事で血流や筋肉・関節に障害を与えるんだよ」

 

 ウタの質問にルフィは答えた。

 

「といっても普通の素潜り程度で潜水病になる事なんて、極僅かな可能性でしかないけどな。よっぽど無茶な素潜りをやったんだろう」

 

 ともかく、治療するためにルフィはクリケットの家へと彼を運びベットに寝かせると治療用に用意している針治療用の針を使っての治療をルフィはし、チョッパーも自分が出来る治療をしながら、治療後の薬も用意したのだった……

 

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