『空島』への手掛かりを探す『麦わら旅団』はジャヤ周辺の海域でのサルベージによる活動を主としている『猿山連合』のマシラとショウジョウとの出会いを通じて、二人にとっての親分的存在であるモンブラン・クリケットの元へと向かった。
モンブラン・クリケットは『うそつきノーランド』という童話に出てくるモンブラン・ノーランドの実の子孫であり、マシラとショウジョウによれば一族を悩ませたノーランドが処刑の最中にも決して、曲げなかった『ジャヤに黄金はあった』というその言葉が真実か嘘かはっきりさせるために彼の存在を知って押し掛け、『猿山連合』を組んでもらう前から海底に潜って黄金を探していた。
ただし、黄金を探すためとはいえかなり無茶な潜り方をして、自分の体に相当な負荷をかけたようでルフィ達が訪れた時、倒れたのでルフィとチョッパーが容体を見ればもはや、持病になっているレベルの『潜水病』になっていたのだ。
ルフィとチョッパーがそれぞれできる限りの治療をして回復はさせたが、完治は無理であり、療養生活が必要なレベルである。
とはいえ、ひとまずの回復はさせたのでクリケットが目を覚ますのでルフィ達は待ち……。
「……ん……っと、そうか、俺は……」
クリケットは目を覚ますと自分とそして、自分の家に居るルフィ達を見て状況を把握した。
「目を覚ましたようだな、クリケットさん。先ずはこんにちは。俺たちはこの海を旅している『麦わら旅団』、俺は団長をしているルフィだ」
そうしてルフィ達はそれぞれ、自己紹介をしていく。
「まさか、アラバスタ王国の王女様がこの家に来る事になるとは……色々と迷惑をかけちまったようだな。本当にすまなかった」
クリケットは身を起こしながら、自己紹介を聞くとルフィ達へ頭を下げた。
「いえ、困ったときはお互い様だから良い。一応、俺とチョッパーで治療はしたが、調子はどうだ?」
「ああ、いつもより調子が良いくらいだ。ありがとよ……腕が良いんだな」
「だが、完治した訳じゃない。医者として言わせてもらうがクリケットさん……貴方は無茶な潜り方をしているようだが、今後も同じような潜り方をすれば死ぬぞ」
「うん、もうあんたの大体の臓器がダメージを受けてるから……」
「はっきり言ってくれてありがとよ。まあ、自覚はしてたけどな」
ルフィとチョッパーの歯に衣着せぬ言い方に苦笑しながら答える。
「けどな……俺は命を懸けてでも、やらなくちゃならねえのさ」
クリケットはそうして、語る。
自分が命懸けで潜り、黄金を探しているのはノーランドとの、自分の人生を狂わせた男との決闘なのだと……。
「そうか……男の意地なら仕方ないな」
「ああ、悪いな。それでどうして、俺のところへ?」
クリケットはそうして、ルフィ達が自分の元へとやってきた理由を問う。
「実は『空島』について話を聞きたいんだ」
ルフィはそうして空から落ちたガレオン船で208年前に『南の海』の王国ブリスの探検隊の船である『セントブリス号』が完全に沈む前に回収した『空島』周辺の地図を見せる。
「空島か……」
「ああ、俺は『空島』はあると確信してる。此処に来る前に……」
そしてルフィは『積帝雲』と影の巨人についての話もし……。
「中々、鋭いやつだな。確かにあの巨人は空から映し出された『影』という話もある。どうやら、行きたそうだな。『空島』に」
「『旅団』だからな……なにか、行き方を知らないか?」
「……あるにはあるが、かなり危険だぞ」
そう、クリケットは前置きすると……。
「『
「話だけなら聞いた事がある。確か定説は海底のより深い大空洞に低温の海水が流れ込み、下からの地熱で生じた膨大な蒸気の圧力が起こす海底での大爆発。海を吹き飛ばし、空への海流をも生み出す大爆発、1分間ほど海が空へと打ちあがる……成程、かなり危険だな」
「本当に察しが良いな……そう、『突き上げる海流』に乗って『積帝雲』へと入る。理論上はそれで『空島』へと行けるだろう。あくまで理論上はだが……」
二人の話にウタたちは驚愕しながら聞いていた。
「『突き上げる海流』と『積帝雲』が重なる時期は分かるか?」
「マシラの縄張りで『積帝雲』を見たなら、次の日……つまり、明日の昼には南の空にまた、『積帝雲』が現れる。そして、『突き上げる海流』の周期は月に五回だが、それも周期的に見れば明日の昼にここから南の地点で起こるはずだ。断言はできないが、重なる可能性は高いだろう」
「……偉大なる航路の海では方角は分からないが、どうやって南へ行けば良いんだ? 目指す対象が島じゃなく海だから『記録指針』も使えないだろう」
「あっ、そうよっ!!」
ルフィのクリケットへの質問の内容にナミも同じ意見へと思い至った。
「……お前らの団長、本当に頼りがいがある奴だな」
『それはもう……本当に』
クリケットはルフィの察しの良さやら頭の回転の速さに内心、冷や汗を流しながらウタたちに言葉をかけた。
そして、一旦、立ち上がって家の中を歩くと妙な鳥の黄金像を持ってきた。
「この像の鳥はサウスバードと言って、どんなに広大な土地や海に放り出されようとも南を向く習性を持っている鳥だ。こいつを使えば良い、此処から南の森に居る」
「分かった……ちょっと待ってくれ」
クリケットから話を聞いたルフィはウタたちの元へと行く。
「皆、俺は『空島』へ行きたいと思っている。だが、そのやり方はかなり危険なようだ。空に行こうってんだからそういう物なのかもしれないが……俺一人ならともかく、団長としては皆の命を危険には晒したくない。公平に多数決で決めたいと思う、無論、俺の意見は除いてだ」
ルフィは皆へと言うと……。
「まったく、とことん真面目だよねルフィは……ルフィが『空島』に行きたいなら、私だって行きたいしというより、ずっと一緒って誓ったでしょ」
ウタは早速、ルフィの方へと寄り添う。
「私抜きでどうやって航海しようっていうのよ、まったく」
「ふふ、私はルフィに命を拾われたんだから責任取ってもらわないと」
「私だってルフィさんには沢山の恩がありますし……」
「ウタちゃんたちが行くなら、俺だって行くぜ」
ナミにロビン、ビビがルフィへと密着するかのように近づくのを見て嫉妬の炎燃やしながらサンジはルフィの方へと移動する。
「なんかもう悲しいやつだな……俺は言われるまでもなく、お前の隣にいるぜ」
ゾロはルフィの生真面目さに苦笑しながらもルフィの方へ……。
「俺だってルフィの力になるんだ」
「クエー(僕もだよ)」
「クオー(お供するっす、師匠)」
『グっ(私達も)』
チョッパーにカルー、ストロンにサムズアップしながらラキとアンもルフィの元へ……そして……。
「冒険に危険は付き物だしな……それに兄弟分の俺がお前と行かない訳ないだろ」
最初こそ恐れたウソップだが、深呼吸して恐れを跳ね除けるとルフィの元へと行く。
つまり、『麦わら旅団』の意見は全員、ルフィの意見に賛同となったのだ。
「皆、ありがとうな……良し、行くぞ空島ぁぁぁぁっ!!」
『おおおおおおおっ!!』
ルフィの号令に皆が答える。
「良い旅団じゃねえか」
満足げにルフィ達を見、クリケットは呟くのだった……。
しかし、クリケットたちが居る場所、ジャヤの東の反対、つまりは西にある『無法地帯』であるモックタウンで……。
「ハハッハハハハハ……モンブラン・ノーランドの子孫がモンブラン・クリケットでずっと海に潜って黄金探ししてるだと……ハハッハハハハ!!」
とある無法者たちが嘲笑の声を上げる。
「夢追いの馬鹿に『
そうして、