『空島』への手掛かりを探していたルフィ達、『麦わら旅団』はジャヤに黄金はあり、海底に沈んだ』と処刑されるまで皆へと言葉を発していたが『嘘つき』として罵られた祖先であるノーランドのそれを証明するべく、このジャヤの海域へと自らの体が重症となっても潜り、黄金を探すクリケットに『うそつきノーランド』のファンであるため、クリケットを親分に『猿山連合』を組んでもらい、クリケットのサルベージに協力しているショウジョウとマシラとの出会いを経て、あくまで理論上で確実性は無い『空島』への行き方を知った。
それはこの地域にて何度か現れる雲で昼を闇へと変える程の覆い隠すほどの『積帝雲』の中へと、同じくこの地域にて起こる海流の変化で一分間ほど、空へと海が打ち上がるほどの海流、『突き上げる海流』に乗って入るという危険性が高く、命賭けで運任せすぎる方法である。
ルフィは皆へと多数決を取り、意思が一つなのを確認すると明日に向けて、準備を始めた。
船自体は元々、海軍の軍艦を改造したものなので耐久性はバッチリであり、又、水蒸気の塊である雲、その中でもかなり厚いという『積帝雲』に突っ込むので潜水得意なラッコのラキと『海獣』の一種であるクンフージュゴン、ストロン以外の者のためのダイビング活動用のダイビングスーツと酸素ボンベなども軽く点検しつつ、準備する。
元々、船を貰った時にダイビングスーツと酸素ボンベはあり、アラバスタでの滞在の際にチョッパーやビビにカルー、アンとロビンの分を海軍へとルフィは用意してもらっていた。
そうして、後は南の海域へと行くための指針を示すものとして南を向く習性がある生物、『サウスバード』を捕らえるために南の森へとルフィにチョッパーとカルー、ラキとアン、ストロンらが向かい……。
『ただいま』
時間にして数分、ルフィは南の森の王者となり、サウスバードどころか森中の生物を従えながらウタたちや『猿山連合』が待つクリケットの家へと戻ってきた。
『速えええっ、っていうかなんかいっぱい連れてきたぁぁっ!?』
クリケットにショウジョウとマシラはルフィの速すぎる帰還やら森中の生物を連れてきた事などに混乱する。
「そういう事でこれから、仲間になる事になった『サウスバード』のサウスだ」
「ジョ~(よろしくお願いします)」
ルフィは肩の上に乗っかっていたサウスをウタたちに紹介し、サウスは挨拶した。
「わー、本当にあの像の通りなんだね。よろしくー」
「本当に南、向いてんのな」
「南が確実に分かるってのは便利ね、ゾロ、この子を使えば方向音痴もマシになるわよ」
「うるせぇよっ、誰が方向音痴だッ!!」
ウタが像の通りのサウスへと笑いかけ、ゾロはサウスが一点、即ち、南の方角だけを向いている事に言及するとナミに揶揄われる。
「いや、超方向音痴だろうが糞マリモ!!アラバスタで散々、迷いまくってた事、忘れてないからな」
サンジはゾロへとルフィがクロコダイルを倒すためにアラバスタにて単独で行動している間や倒した後もアラバスタで滞在していた時、ゾロが単独で出かけては迷いまくっていた事を指摘した。
「多分、サウスが居ても迷いそうだけどな」
「と、ともかくこれで明日は覚悟を決めて行くだけですね」
「かなり命賭けで運任せだけどね」
「なら、後は景気づけだ。ショウジョウ、マシラ……命助けられた借りもあるし、何よりロマンの分かる同志たちをもてなすぞ」
『了解だ、おやっさん!!』
そうして、ルフィ達は今夜、『猿山連合』との宴会を始めたのであった……。
2
ジャヤの西にある無法者の町にして政府が見捨てた無法地帯である『モックタウン』を根城とし、近年、名を馳せている海賊団の船がクリケットの家へと向かっていった。
「ちっ、辺鄙なところに住みやがって。お陰で随分、夜が更けちまった」
短い金髪、右目の上に傷がある粗暴な雰囲気を隠してもいない大柄な男が愚痴る。
彼こそがベラミー海賊団の船長であるベラミーであり、『ハイエナ』の異名を持つ男。
その懸賞金は5,500万ベリーである。
「全くだな、ベラミー。面倒かけられた分、沢山の黄金をもってやがると良いが」
彼の言葉に続いたのは青い髪にバイザーをした男で巨大なククリナイフを得物とする副船長、『ビッグナイフ』の異名を持つサーキース。
彼の懸賞金は3800万ベリーである。
他にもバンダナにサングラス、白タイツなどが特徴な長身女性であるリリーにセクシーな雰囲気を漂わせるミニスカナースを彷彿とさせる船医のミュレ、知的な雰囲気を感じさせる眼鏡をかけた航海士の男性であるエディ、帽子を目深に被った男で戦闘員のロス、ポンポンが付いた帽子を被った巨漢の砲撃手のリヴァーズ、頭に『21』の刺繍を入れたコックの男、ヒューイット、長い黒髪の女性である戦闘員のマニなどが居る。
共通点としては全員が『北の海』にある裕福な街、『ノーティス』出身だ。しかし、そんな裕福な環境での暮らしは退屈とこうして海賊団として活動するようになったのである。
また……。
「量がどうであろうと、他人が苦労の末に手に入れた宝は格別の味がするから構わねぇがな。ああ、夢追いのバカに
夢やロマンなどクソくらえであり、現実的で確実な目先の利益を求める海賊団でもある。
故にクリケットが海底での黄金を探し、貯め込んでいるのを知ったベラミーたちはこうして黄金を奪いにモックタウンからやってきた。
そうして、船を停めて上陸をすると……。
「遥々来たようで悪いが、丁重にお帰り願おう」
一人の男――ベラミー海賊団の接近を感知したルフィがベラミーたちの前に立ちはだかった。
「あ、なんだてめぇは?」
「『麦わら旅団』団長、ルフィだ」
問いかけたベラミーに対し、ルフィは答えると腰に差した『花州』に手をかけ……。
「『
『!?』
瞬間、ベラミーたちは自らの体が刀閃によって切り裂かれ、その個所から噴き出た血が風に舞う花弁の如くと化すのを体感するのだった……。