麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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六十三話

 

 『黄金都市 シャンドラ』の象徴であり、シャンディアたちから『シャンドラの灯』と呼ばれた黄金の鐘は『巨大豆蔦』の頂上にあった。

 

 ルフィはワイパーと共に鐘を鳴らし、『空島』のはるか下の『青海』に居るモンブラン・クリケットにこれ以上、潜水する事は無いのだと知らせた。

 

 鐘を鳴らした振動の大きさからきっと届いただろうと確信している。

 

「(随分と良い音色なんだろうな)」

 

 ワイパーだけでなく、ウタたち仲間や他のシャンディア達も感動しているので余程壮大で心に響く音色なのだと予測する。

 

「(鐘の音色も音楽か……)」

 

 そう、幾ら黄金の鐘が世界において巨大であろうと音を鳴らす、楽器……音楽という概念から逸脱するものでは無いためにルフィは鐘の音が聴こえなかった。

 

 感じるのを許されたのは鐘を鳴らした際の震えだけである。

 

「ウタ、力を使うのはしんどいだろうがもうひと頑張り、頼む」

 

「うん、大丈夫だよ。お願いね」

 

 ウタに指示をすると黄金の鐘を含めて周囲の者たちを『ウタウタの実』と『音楽の王』の力により、一種の現実改変能力を使い、『黄金都市 シャンドラ』へと転移した。

 

「さて、後は……黄金の回収だな。ゾロ、手伝ってくれ」

 

「あいよ、ルフィ」

 

「よろしくね、二人とも」

 

 転移を終えるとルフィはゾロに呼びかけ、ナミは喜びながら声をかける。

 

 実は黄金都市シャンドラの黄金はエネルによってとある物に使われていた。それがあるのは遺跡の中であり……。

 

「それにしても野郎はこれで何処へ飛ぶつもりだったんだ?」

 

限りない大地(フェアリーバース)……月へ行きたかったらしい」

 

 遺跡の中に会った巨大な飛行用のものだと思われる船を見上げながらゾロとルフィは会話をする。ルフィはエネルの全てを超常の域にある『見聞色の覇気』で読み取ったために彼の野望も把握していた。

 

「あいつも冒険をしたがってた……だが、やり方を間違えるなんてな」

 

 そう、言いながらルフィはゾロと共に船へと上がり……。

 

「(ベガパンクの爺さんが見たら、興味を示しそうだ)」

 

 ふと海軍や世界政府における様々な科学における技術の要となっている天才科学者で数回ほどあった事のあるDr.ベガパンクの事を頭の中に浮かべながらも鞘に納めた『花州』に手をかけ、構えを取る。

 

「ああ」

 

 エネルが造らせた飛行船の動力はエネルの能力である『ゴロゴロの実』の力、つまりは電力。

 

それを伝導するために飛行船には金が使われていたのだ。

 

「ふっ!!」

 

「はあっ!!」

 

 二人の剣技が飛行船に使われている金を切り裂き、幾つもの金塊にし手袋などに詰め込むとナミの元へと戻る。

 

そして……。

 

「俺は人を従えるなんて柄じゃないし、神なんざ務まらない。だから、又忙しいだろうが、神として復帰してくれ」

 

「……まあ、恩人に言われれば断る事は出来ないな。正直、カボチャを育てる日々で良かったのだが」

 

ガン・フォールにスカイピアの神として復帰する事を頼み……。

 

「本当にありがとうございます……もう、我々はどうお礼をしたら良いやら……」

 

「礼なんて気にしなくて良い、俺は人助けが好きでやった事だし約束を果たしただけだ」

 

 シャンディアの酋長からは大きく感謝され、他の者からも当然、沢山の感謝を貰った。

 

 

 

 

その後、夜になると……。

 

 

「それじゃあ、皆準備は良いな?」

 

 黄金都市シャンドラにて『麦わら旅団』とシャンディア、ノラ、ガン・フォールが集まり、皆の中心にはルフィが居た。

 

「宴の始まりだぁぁぁぁっ!!」

 

『おおおおおっ!!』

 

 宴が始まり、サンジが用意した料理と酒が振る舞われ、ウタは歌声を披露するなどして盛大な宴へとなっていく。

 

「正直、大変だった……」

 

「ジョー(この人、方向感覚ヤバすぎる)」

 

「ああ、良く分かるよ。ありがとうな」

 

「お前らなぁ……」

 

 ゾロが人並外れた方向音痴であるので南の方角だけは分かるサウスが実は付き添っていて、そしてゾロと一緒に行動していたブラハムも彼をなんとか誘導しながら進んでいたのである。

 

 その苦労をウソップに話すとウソップは理解を示して感謝をする。当然、ゾロは顔を歪めていたが……。

 

「……ルフィ、俺をお前の友にしてくれるか?」

 

「勿論だ、ワイパー」

 

 ワイパーはルフィへと近づき、右手を差し出しながら申し出るとルフィはその手を握り、そうして友となったのであった。

 

 

 

 

 

 そうして、宴も終わり皆が就寝していく中で……。

 

「ルフィ……私にやるべき事を、生きる意味を与えてくれてありがとう」

 

「どういたしまして。だが、俺は精々、切っ掛けを与えただけだ。見つけたのはお前自身の力だよ。ロビン」

 

「その切っ掛けが私にとっては重要なのよ……私も貴方に与えさせてちょうだい。愛を……」

 

「……お前がそれを望むなら」

 

 そうして、今夜はロビンがウタたちより先にルフィと男女の関係を結び、愛を交わし合ったのであった……。

 

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