この世界のとてつもなく遥か上空には『空島』があり、その島には二通りの人間が住んでいる。
元より神と共に『スカイピア』という国のあるエンジェル島で暮らしている原住民と数百年前、『空島』よりはるか下の『青海』より打ち上げられたジャヤという島の『黄金の都 シャンドラ』がある周辺一帯、そこに住んでいたシャンディアという人々だ。
『空島』に住む人々にとっては『青海』の大地ことヴァースは魅力的であった。空島には雲しかないからだ。
そして、当時の神はシャンディアからシャンドラを奪ってしまったのである。
それが故に長きに渡ってスカイピアの人々とシャンディアは戦いに戦ってきた。
幾度も幾度も争ってきたが……それは長すぎた。当然だが、争いというのは疲れるし、怒りや憎しみも又、同様。
神もシャンディアの酋長も何度か話し合いを得て和解案や妥協点を見出そうと苦心してきたが、神エネルの登場によりそれも難しくなる。
だが、しかし変化は常に起こり得るもの。
神エネルの脅威も争いも続くと思われたが、それは打ち壊された。
かつてのシャンディアと同じように『青海』より、『麦わら旅団』が空島へと現れてシャンディア達と協力する事でエネルを倒し、シャンディアはシャンドラを取り戻すことが出来たのである。
そうして……。
「シャンディアよ……今までの事、謝ってすむとは思っておらぬが謝らせて欲しい。すまなかった、そして和解を受け入れて頂き、感謝する」
「神ガン・フォール。こちらこそ、和解の提案を今まで受け入れる事が出来なかった事を詫びたい。そして、こうして歩み寄っていただき、感謝しよう」
一度、エネルに神の座を奪われたが再び、神となったガン・フォールとシャンディアの酋長は『シャンドラ』にて握手を交わす。
それを見ているのはスカイピアの人々とシャンディア、ついでに空島で生活していた動物、ノラなども見守っていた。
「確かにスカイピアとシャンディアの和解を見届けさせてもらった。これからは国の名はスカイピア、そして都市は『シャンドラ』、その成立を此処に宣言する」
握手を交わした二人の手を握り、どちらの立場からも英雄とされているルフィが宣言した。
「これからはお互い、空島で生きる者どうし協力し合って生きていけよ」
『おおおおおッ!!』
ルフィの言葉に空島の人々は声を上げる。
「それじゃあ、国と都市の誕生を祝って盛大に歌うよーッ!!」
『いえぇぇぇぇぇいッ!!』
ウタが祝いの歌を披露した事で皆、沸き上がる。
こうして空島に新しくなった『スカイピア』と都市が誕生したのだ。
これから先は楽しい日々を送る事になるだろう。
スカイピアとシャンドラの誕生から数日後……。
「じゃあ、最初こそ大変だったが空島での日々は楽しかった。また来ても良いか、ワイパー?」
「勿論だ、友よ……カルガラがそうだったように俺も鐘を鳴らして、お前を待とう」
「……ああ、それは光栄だ」
いよいよ空島での旅を終え、青海での新たな旅を始める事にした『麦わら旅団』。
ルフィはワイパーと言葉を交わし合い、握手を交わす。
「じゃあな、皆」
『またな、麦わら旅団』
「ジュラァ」
船で雲の海を渡っていく麦わら旅団に対し、空島の人々や空島での麦わら動物団名誉団員となったノラや雲ウルフなどの動物が見送る。
そうして、スカイピアの下層である『白海』を渡り、『[[rb:雲の果て > クラウド・エンド]]』という門へと雲の海を渡れる特殊なバイク、『ウェイバー』で並走する麦わら旅団の案内を買って出たコニスとパガヤ親子の指示にて向かい……。
「では皆さん、私達は此処までですので」
「皆さん、お元気で」
「スー(さようなら)」
パガヤとコニスに彼女が飼っている雲ギツネのスーが別れを告げた。
「ああ、ありがとうな」
その後はパガヤの指示によって帆を畳んで、船体へとしがみつく。
門から先は七千メートルの坂だと聞いたからだ。だが……。
「皆さん、落下中お気をつけて」
『いや坂を下るってこういう事かぁぁぁぁぁッ!!』
坂道は途中で途切れ、ルフィ達の船は当然、雲より激しい勢いで落下するが……。
ポーと鳴り響くコニスが鳴らした笛により、雲からタコバルーンという蛸が船の上から絡みつき、頭部を膨らませる事でゆっくりとした落下にする。
落下中にスカイピアのシャンドラから鐘の音が鳴り響いた。
「(……悪いな)」
ルフィだけは空気の振動で鳴っているという事を感知するしかなく、音を聞いてやれない事を謝る。そんなルフィの傍に寄り添い、ウタはルフィの手を握った。
その後、落下にて『青海』での旅に戻る途中に……。
「グランドラインは方角が分からないから、南の方角が分かるお前の加入は助かるよ。よろしくな、サウス」
「ジョ~(こちらこそ)」
改めて麦わら旅団に加入する事となったサウスバードであるサウスをルフィは迎え入れるのだった……。