麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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六十六話

 

 航海するには最高の晴天であり、波の一つもない大海原。

 

 遥か高き場所から『青海』と呼ばれる程に綺麗な青い海が広がっていた。

 

 そんな海の遥か上空の晴天から……。

 

『うわあああああっ、お、落ちるぅぅぅぅぅっ!?』

 

 『空島』にて冒険を楽しみ、『スカイピア』という国、『シャンドラ』という首都の設立にも関わった『麦わら旅団』が船と共に空から落下していた。

 

 タコバルーンによって安全にゆっくりと海の上に降下出来る筈だったのだが、何事も予測できない事は起こるもので空気漏れなのか、タコバルーンが急激に縮んでしまった。

 

 後は当然、浮遊力を失った船は海へと急激な勢いで落下を始めたのだ。

 

 不幸中の幸いとして、真っ逆さまにならずに落下を始めたのと落下距離も良かったのだろう……船底を下にしたまま、船は海の上にへと落下し、激しい水しぶきを上げて船自体も揺れたり、水しぶきが甲板に落ちるなどあったが激しい損傷などはせずに済んだ。

 

「おっと……お疲れさん。お前のお陰で結果的には無事に落下できたぜ。いやぁ、それにしてもあれだな。結局スリルたっぷりな帰還になっちまった」

 

 自分の頭へと落下してきた小さくなったタコバルーンを手で受け止め、礼を言いながら皆の方を見て苦笑する。

 

「私達らしくて良いじゃん」

 

「違いねぇ」

 

「そうね、でも改めて見ると夢でも見てたみたい」

 

「本当、スゲーとこに冒険しにいったんだな」

 

「良い思い出も出来たしな」

 

「ええ、スカイピアの人もシャンディアの人たちも良い人ばかりでした」

 

「最初は慣れない感じだったけど、分かり合えて良かったと思う」

 

「分かり合えたのはルフィのお陰だけど……」

 

 船が無事なのを確認、あるいは自分の無事を確認するとウタ、ゾロにナミとウソップにサンジにビビとチョッパー、ロビンたちも会話を始めた。

 

「俺は背中を押しただけだ……ん?」

 

『(よぉーし、悪戯しちゃうぞぉ)』

 

 ルフィはふと『見聞色』で何者かの心の声を感知し……。

 

 

 

「ナミ、シーモンキーだ。大波が来るぞ」

 

「道理で急に波が変になったと思った。皆動いて、とり舵よ」

 

 ルフィの言うシーモンキーとは上半身が猿、下半身が魚の特徴を持つ巨大な海獣であり、集団で行動しながら悪戯で大波を起こし船を沈めるという船乗りたちとしては厄介な特徴を持っている。

 

「うわぁ、本当に大波だぁ。シーモンキー共、ちょっとは空気読めよ」

 

 ルフィの言う通り、シーモンキーが大波を起こしながらルフィ達の方へと迫ってきた。

 

「逆に考えろよウソップ。俺たちの帰還を歓迎してくれているってな。そんな気は全然無いだろうが」

 

 叫ぶウソップに苦笑を浮かべてルフィは言う。

 

 そう、『空島』より『麦わら旅団』は自分たちが元居た海へと帰って来た。そして、これからもやはり、『旅団』としてまだ見ぬ島を求めて冒険の旅を続けるのであった……。

 

 

 

 因みに……。

 

「ありがとうな、ニュース・クー……さて、俺らが空島起こっている間になんか変化、あったかな……ん!?」

 

 シーモンキーが起こした波をやり過ごし、その後はナミが空島から記念として持ってきたウェイバーが海の上でも使えるのを確認し、喜んだりなどしながらもゆっくりと航海していたルフィ達。

 

 新聞を運ぶカモメであるニュース・クーがやってきたので金を払い、新聞を受け取りつつ、かるく嘴を撫でて感謝を告げる。

 

 そうして新聞を広げつつ、読み始めたのだが……。

 

『麦わら旅団傘下義勇組織バルトクラブ――またまた大活躍!!』

 

 新聞は見出しとしてバルトロメオとその同志となったベンサムの大活躍を取り上げていた。

 

 

 『麦わら旅団』が『嘲りの町 モックタウン』の悪党を蹴散らし、平和を取り戻したニュースを聞いたバルトロメオたちが奮起した結果である。

 

 今のこの海では海軍に麦わら旅団、バルトクラブが頼れる『正義』の集団となっている。

 

 『麦わら旅団』と傘下として『麦わら旅団』の事を語りながら、世直しをする『バルトクラブ』の方が民衆からの人気も高かったりはするが……。

 

「……うん、何も無いな」

 

『いやいやいや』

 

 新聞を静かに閉じ、脇に抱えて右手で頭を軽く掻くと何も無かったかのように言ったので皆はツッコんだのであった……

 

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