長いリング状の島である『ロングリングロングランド』は長いリング状の島であり、その長さは海によって十の島に区切られる程だ。
この島に住む遊牧民たちは年に一度だけ、海の潮が大きく引き、島が本来の姿を取り戻す日を狙って三年に一度、島から島へと村を移動する方式を取っていた。
しかし、一人だけ十年間、竹馬を止めるに止められずに一つの島に残された遊牧民のトンジットが居た。何とかしたいとは考えていたルフィだが、ある人と再会できたことで何とか出来るようになった。
何故なら、その人の力をもってすれば『ロングリングロングランド』の島々に行き来を潮の引く日を待たずに出来るからである。
「どうだシェリー、履き心地は?」
「サイズは合ってる筈だが」
「ヒヒーン(問題無いです)」
まずその方法をやるのに必要な準備としてルフィとウソップで底に小さな棘状のものが幾つもある靴のようなものを作り、それをシェリーに履かせて感想を聞くとシェリーは答えた。
「良し、じゃあこれで大丈夫だ。後は荷物を運ぶだけだな」
そうして、冬用の大きな台車に荷物を載せて皆で年に一度、引き潮で道の出来る海岸へと向かった。
「それじゃあ、お願いします。クザンさん」
「あいよ」
クザンは海の近くへと行くと屈んで、手を海の中につけ……。
「ギュアアア!!」
海の中から主である海獣が出てきてもクザンは微動だにせず……。
「
そうして海が広範囲に氷結して氷の大地が誕生し、主も氷像と化し、凍気が周囲に漂い始めた。
「流石です……」
「う、海が凍っちゃった……」
「反則だろ」
「あれが大将の実力……」
「すげぇ……」
「これが自然系能力者の真髄か……」
「これなら、船に乗らずに移動できるな……」
「海軍の大将はこんなにも……」
「相変わらずね……」
ルフィらはクザンの能力に懐かしんだり、驚愕したり、興奮したりと様々な反応を示す。
そう、クザンは悪魔の実の能力者であり口にしたのは自然系である『ヒエヒエの実』。
身体を氷に変化させ、冷気を放出し、あらゆるものを一瞬で凍結させる事などが出来る能力があり、これをもってすれば、今のように海を凍らせる事が出来るので泳がずに渡れるし、溺れずに済むので能力者の弱点が弱点にならないのである。
「大体、一週間くらいは持つはずだ。のんびりなり、早く行くなり好きに移動して村に合流しんさいや。冷えるんで暖かくするのを忘れずに」
役目を終えるとクザンは海から手を抜き、そのまま呆然とするトンジットの元まで歩くと声をかける。
「夢か……これは……海が氷の大地になった。シェリー、海を渡れる。村の皆に会えるぞ、十年ぶりだっ!!」
「ヒヒーン(はい)!!」
トンジットは状況を理解すると大きく喜び、シェリーも又、喜びながら声を上げる。
そうして、どちらも防寒着を着ると……。
「ありがとうな『麦わら旅団』、海軍の大将さん。本当にありがとう、この恩はずっと忘れねぇからなー」
「ヒヒーン(ありがとうございました)!!」
ルフィ達の作った氷を走れる靴を履いたシェリーに乗りつつ、荷物を載せた台車を引かせるトンジットはルフィ達へ礼を言いながら、氷の大地を渡っていった。
「すみませんクザンさん、折角再会したのにこんな事を頼んだりして。お手数おかけしました」
「良い、良い……お安い御用だ。それじゃあ、あまり長居するとお前の爺さんに感付かれるから俺も行く。ついでにロビンについては声をかけられる限りはかけておくからな。お前たちが無用な騒ぎに巻き込まれないように」
「重ね重ね、気遣い感謝します」
「おう、それじゃ良い旅を」
そうして、クザンはルフィの元を去りルフィ達も次の島へと向かうための航海を始めたのであった……。