七十二話
『ロングリングロングランド』にてとある事情から取り残されていたトンジットの問題を恩師でもある海軍本部大将の一人である青キジことクザンの能力によって解決した。
クザンがルフィに会いに来たのはルフィ達『麦わら旅団』にニコ・ロビンが居るからでその様子を見るためであった。
無論、これをガープに言えば絶対についてきたりするので秘密裏にである。
ロビンについてクザンは同僚であったサウロの気持ちや幾らロビンの生まれ故郷であるオハラが『バスターコール』によって滅ぼさなければならなかったとはいえ、その原因となった考古学者たちだけでなく島から逃げようとした避難船をためらいもなく、砲撃したサカズキのやり方に異議を持ったからである。
そうして、ニコ・ロビンが問題を起こせば自分の手でケリをつけるつもりでいたのだ。
もっともそれはルフィとロビンが男女の関係になったという予想外過ぎる事実を知った事でクザンは安堵し任せる事にしたのである。
因みに彼の単独での航海方法はヒエヒエの実の力によって海を小範囲凍らせて道を作り、自転車で移動するというもので彼にしかできないやり方だ。
「さてとここの記録を辿るとルフィ達の次の行き先は……あらら、『ウォーターセブン』……水の都か……強く念押ししておかないとなぁ」
海図を見ていたクザンはルフィ達の航路を推測しつつ、苦笑すると移動を開始したのであった……。
一方、クザンと別れて航海を再開した『麦わら旅団』では……。
「それにしても、ルフィは祖父が海軍本部の中将ってだけあって、海軍本部の大将とも知り合いだったんだな」
「ああ、こうして航海するまでの間、色々と世話してもらったし鍛えてもらったよ」
クザンの事についてウソップがルフィに対し話題を振る。
「凄く親身な態度だったものね」
「お前の強さの秘訣が一つ、分かって良かったよ」
「あたりまえだけど、クザンさん良い人そうだったね」
「実際、良い人だよ。仕事が関わらないときはだらけ気味だけどな」
「確かになんか、そんな感じだったな」
「でも、凄い能力だったな」
「噂で聞いた以上でした……」
「久々に見て私もびっくりしたわ」
クザンが見せた海を広範囲、凍結させて道を作ったという驚異的な能力、人柄などを話しながら船は進み……。
「(今日こそ絶対に親分の仇をとってやるっ!!)」
「ん……?」
見聞色の覇気で誰かの心の声を聴いたルフィは探ってみると……。
「嘘だろ、カエルがクロールしてるぅぅぅっ!?」
ルフィが気づいたのと同じようにウソップも髪の毛のようなそれを後ろで結っていて、人間大のサイズにして傷だらけなカエルがクロールして泳いでいるのを発見する。
「ナミ、悪いあのカエルを追ってくれ。あいつがやろうとしてることがちょっと気になるんだ」
「……動物好きも大概にしなさいよね……まったく」
ルフィが気にしている態度を見てナミは溜息を吐きながら、進路を変更。
そうして、カエルの後を追うと……。
「え、あんなところに灯台っ!?」
「それに音……?」
「そうか、此処は海列車の……船は此処で止めろ」
ルフィ達は一旦、船を止めるとルフィだけは船から姿を消し……。
「ゲロォッ!!(今日こそは止めてやるぅっ)」
海の中にあるなにかの上にカエルは飛び跳ね、着地。
そして、カエルの前方に音を響かせながら進む船とは違い、蒸気を出しながら進む鉄の乗り物が……。
「止めとけ」
「ゲコッ!?」
ルフィは海の上を高速で疾走しており、そうしてカエルの後ろに接近すると右の人差し指による軽い指銃で突いた。
その威力は外部は貫かずに衝撃のみが内部伝導。軽く脳を揺らしてカエルを気絶させ、そのままルフィはカエルを背負って疾走する事で船に戻る。
「まったく、海列車を止めようとするなんて無茶をやるもんだ」
ルフィは一旦、カエルを背中から下ろし、甲板に置いた。
「ルフィ、さっきのあれを知っているの?」
「ああ、海軍で鍛えてもらっていた時に何度か爺ちゃんと一緒に乗せてもらったりした事がある。海列車って言うんだ。詳しい話はあそこにある駅で聞けば良い」
ウタの質問に答えながら灯台のある建物を指差したのであった……。