ルフィは未だ、ウォーターセブンのために『海列車』という船を発明した偉大な造船技師にして魚人であるトムが隠し持っていた古代兵器プルトンの設計図を狙う世界政府……正確に言うならば現『CP9』の長官でかつて、トムから設計図を奪い取ろうとフランキーが放置していた戦艦を利用して本来なら、海列車の功績により無罪で終わる裁判をしにきた船を襲い、司法の人間、民間人という人員的にも無用な犠牲を出しながら濡れ衣を着せたスパンダムに設計図を渡さないようにしつつ、二度と設計図を狙う事が出来ないようにするために動いた。
そもそもにして最初の段階でスパンダムはやり過ぎであり、世界政府の者としても司法の人間、民間人に犠牲者を出すなどもってのほか……。そもそもにして海賊王であるロジャーに対し凄まじい性能を有した海賊船を造り、ウォーターセブンにて流通から移動から、優れた移動性能を有する海列車を創り出せる程の開発力と技術をトムが持っていてそのノウハウはアイスバーグが受け継がせて『ウォーターセブン』は造船都市として有名となっている。
ならば、そうならばだ。そもそも古代兵器に固執せず、トムの腕を政府関係者たちにも習わせる事で戦艦から何から、造らせれば良いしトムと友好な関係を結ぶ事で設計図を得る以上のメリットを得る事が出来ただろう。
スパンダムは造船の世界における偉大な者を自らの私欲で奪ったのである。
そして、部下である『CP9』のルッチ達にですら、必要とあらばアイスバーグを殺しても良いという指示すら出していた。そうした彼の執着はこのまま放置するわけにはいかない。
「犠牲ってのは積極的に出しちゃ駄目なんだよ。自らが出世するために犠牲を容認するなんてもってのほかだ。立場には責任がある事を理解してないようだな」
故にルフィは動くのだ。かつての非道も含めて報いを与え、ある種の破滅を与える事を決めたのである。
その一段階としてルフィは『古代兵器プルトンの設計図』の偽物を用意した。それをスパンダムには本物と認識させなければいけない。
だからこそ、ルッチ達にも偽物を本物だと認識させなければいけないが、このままだとルッチ達の立場が危うくなる可能性がある。
ルフィの目標はあくまでスパンダムただ、一人でそれ以外の者は巻き添えにしたくない。
とはいえ、どうしても計画のためにルッチ達にはスパンダムのいる本拠地、『エニエス・ロビー』へと戻って貰わなければならないのでルフィは協力する振りをしてルッチ達を呼び出し、戦闘における敗北を与える事で『ウタワールド』の力と音楽の王であるトットムジカの力が通用しやすいようにして、そうしてルフィ達、『麦わら旅団』がルッチ達に協力し、設計図を渡したという認識を与え、その見返りに『エニエス・ロビー』を見学させるという取引が成立したという状態にした。
無論、スパンダムたちにも『ウタワールド』と『トットムジカ』の力を使う必要があるからで更にスパンダムに相応しい報いを与えるためでもある。
事が進んだ中でルフィはとある者へ連絡した。
「センゴクさん……すみません。俺は……」
そう、海軍元帥であるセンゴクにルフィはウォーターセブンと『プルトン』にまつわる事、自分の計画などを打ち明けたのだ。
『……ルフィ君、私の立場からは何も言う事は出来ん。だから、呟くだけだ。君のその考え、信条はとても誇らしいと思うと……そして、君のやりたいようにしなさいと』
「感謝します」
センゴクの呟きにルフィはそう言って通話を終える。
「……本当に君の正義は誇らしい……だが、だからこそ関わらせないようにしないとな、ガープは良かったが……ルフィ君なら
センゴクはルフィの強すぎる正義感に対し、それがとある者らに対して確実に牙を剥く事を確信し、それを防ぐためにルフィ達の動向をより強く見守る事にするのであった……。