麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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八十一話

 

 かつて偉大な造船技師である魚人のトムが『ウォーターセブン』周辺の海域の特徴や易交の悪さを鑑みて作り上げた『海列車』。

 

 それによって行ける都市は『ウォーターセブン』は勿論、『春の女王の町』であるセント・ポプラに『美食の町』であるプッチ、『カーニバルの町』ことサン・ファルドの四つとなっているが、政府関係者に対してだけ別口の特別便が用意されている。

 

 それこそが世界政府直轄地にして『司法の島』と呼ばれ、世界政府が直轄する裁判所が設置されている島である。島の中央部を囲む海に巨大な穴が空いており、そこに海水が流れ込む事で滝を作り出している。穴の底は見えず、それゆえに島はまるで浮いているようにも見えるのだ。

 

 一年中、夜にならない『不夜島』でもあり、別名として『昼島』とも呼ばれていた。

 

 エニエス・ロビーは正門を通って本島全門、そこを通れば裁判所、そしてエニエス・ロビーの指令所にもなる『司法の塔』、そしてこの塔の裏手にあり、そこを通れば海軍本部や『世界一の大監獄』と呼ばれるインペルダウンに海流で通じている『正義の門』があるという地形となっている。

 

 エニエス・ロビーは裁判所であるが、実態は政府の決定にそのまま従うだけの『形だけの司法機関』である。つまり、此処に連行された者に無罪判決は無い。

 

『公正なる十一人の陪審員』が元海賊の死刑囚で連行された者の道連れを望んでいるからだ。

 

 この島に連れられる事が決まった時点で犯罪者の烙印を押されてしまうとも言える。

 

 エニエス・ロビーは更に『ウォーターセブン』に隠されている『古代兵器 プルトン』の設計図を入手すべく、潜入任務を与えられた『CP9』の本拠地で部隊の長官であるスパンダムが長である。

 

 ルフィはスパンダムが『古代兵器 プルトン』の設計図を狙わないようにし、アイスバーグの身が危険に晒される事の無いようにするためにこの場所へと向かっている。

 

 ウタの力を使って『古代兵器 プルトン』の設計図(偽物)を入手する協力をした見返りにエニエス・ロビーの見学を許可し、スパンダムにも会わせるという取引が成立したという認識をCP9の者達にさせたのである。

 

 もっとも『司法の塔』に入れるのはルフィのみとはなったが……。

 

 そうして、ルフィはフランキーは船の製作中なので残る事になったが、『すべてに決着をつけて来てやる』、『すまねぇ、本当にすまねぇなぁ、兄貴っ!!』という会話をしてフランキーから感謝されつつ、『麦わら旅団』の皆でエニエス・ロビーへの特別便である海列車へと乗る事になり……。

 

「おおっ、貴方があの英雄ガープ中将の孫であり、アラバスタで暗躍していた七武海のクロコダイルを倒したというルフィ君か……私は海軍本部所属のTボーン大佐です。会えて光栄です。そしていつも海賊退治の協力、ありがとうございます」

 

列車内にて骨ばった長身痩躯で腰に剣を納めた鞘を佩いている者がルフィへと敬礼した。

 

「こちらこそだ。Tボーン大佐……マリンフォードで鍛えられている時に何度か貴方の話は聞いている。海軍として積極的に正義を成している『海軍の鑑』だと……ご苦労様」

 

「温かい言葉、ありがとうございます」

 

 そうして、Tボーン大佐とやり取りをしつつ、海列車の中に入る。

 

「折角だし、貴方達の旅の話を聞かせてもらって良いかしら?」

 

 海列車において豪華な作りになっている車両を割り当てられた麦わら旅団だが突如、カリファが入ってきてウタにナミ、ロビンにビビの四人と一緒にいたルフィに近づき、話しかける。

 

「別に構わないぞ」

 

 そうして、話をしながらエニエス・ロビーまでの移動を楽しみ……その後はエニエス・ロビーに到着。

 

本島前門へまで進んだ際……。

 

「巨人族か……ドリーとブロギーを思い出すな」

 

斧を持つ巨人の戦士と棍棒を持つ巨人の戦士が門番としていたのだが、見た目も相まってドリーとブロギーをルフィ達は思い出した。ふと呟いたのだが……。

 

「お前たち、お頭たちの名をどうしてっ!?」

 

「詳しく、話を聞かせてくれ」

 

 それぞれ、オイモとカーシーがドリーとブロギーとは知り合いだったようですぐさま、ルフィはルッチ達に聞かれないよう、ウタの力で一時的に無意識状態として……。

 

「……という訳だ。もし、この島から出たいなら機会を作ってやるからそれまで待ってくれ」

 

 オイモとカーシーはドリーとブロギーを船長として、海賊をしていた。そして、ひょんなことが切っ掛けでドリーとブロギーが決闘を始めたので海賊団を解散し、勝者の帰りを待っていたが何十年待っても帰って来ないので五十年経過したころにオイモとカーシーは迎えに行ったが、海軍に捕まり事情諸々吐かされるとある事を聞かされた。

 

 政府の大監獄にドリーとブロギーは幽閉されている事をだ。そして、百年間、エニエス・ロビーの門を守り切る事が出来ればドリーとブロギーを解放し、オイモとカーシーは二人を連れて自分たちの故郷であるエルバフに帰る事を許すと……。

 

そう、二人は騙されたのだ。

 

「分かった、待とう……お頭の事を聞かせてくれてありがとうな」

 

「お前たちは良い奴だな、チビ人間」

 

 そう、やり取りを交わした。

 

「しょうもない真似、しやがって……」

 

 やり取りを終え、ルッチ達の意識を戻してもらいにかかる中、そう呟いたのであった……。

 

 

 

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