麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

83 / 159
八十二話

 

 世界政府直轄地であり、『司法の島』と呼ばれているエニエス・ロビーへとルフィ達は『麦わら旅団』は『海列車』によってやってきた。

 

 そして団長であるルフィ以外の者は裁判所の見学やエニエス・ロビーにある政府関係者のための寮の見学をする形での待機となり、ルフィはエニエス・ロビーの指令所にして『CP9』の本拠地である『司法の塔』にルッチ達の案内の元、入っていく。

 

 ルフィはルッチ達に『ウォーターセブン』でアイスバーグが隠している『古代兵器 プルトン』の設計図入手の手引きをした協力者となっていて、エニエス・ロビーに連れてくることもそうだが、長官であるスパンダムに引き合わせるよう取引をしたという認識改変をウタの力と『音楽の王 トットムジカ』によってしているからだ。

 

 

 

 そうして……。

 

「お久しぶりで、長官」

 

 長官室の外で一旦、ルフィを待機させながら先行して入ったルッチが椅子に座っていたウェーブのかかった薄紫色の髪に黒い目元と鼻、革製の保護マスクをしていて身長は高く体型的にはスマートな男である『CP9』の長官スパンダムへと告げる。

 

 

 

「おぉ良く帰った、ルッチ、カク、ブルーノ、カリファ「セクハラです」名前読んだだけで!?」

 

 スパンダムは嬉しそうに部下たちの名前を呼んだが、カリファの名前を呼んだ直後にきっぱりと言われて狼狽する。

 

「懐かしいなぁルッチ、随分と長くかかったじゃねえか」

 

 ナマズ髭に三つ編み、釣り目で武道着のようなものを着た男、ジャブラがルッチに声をかける。

 

「相手が中々、疑り深い奴だったからな」

 

「あいや~、任務ご苦労~~。四人ともぉ~~」

 

 ルッチ達に次に芝居がかった声音で声をかけたのは顔の全体に白化粧をし、目元や口元などにメイクをしたかなり大きい体格の男であるクマドリ。

 

 

 

「チャパパー、寂しかったぞー」

 

 緑色の髪に丸っこい体型で口元に文字通りのチャックをした大きい体格の男であるフクロウが笑いかけた。

 

 そして……。

 

 

 

「それで協力者のルフィ君は……?」

 

 スパンダムはどこか緊張しながら言う。少し前に海軍大将である『青キジ』ことクザンにルフィ達、『麦わら旅団』に手を出せば凍り付かせると脅されたからだ。

 

 そんなルフィが自分たちの任務に協力したと聞いた時はそれはもう、驚愕したものである。

 

 ともかく、スパンダムがルッチに問いかければ……。

 

 

 

「モンキー・D・ルフィ……入って良いぞ」

 

 ルッチがルフィを呼び……。

 

「失礼します」

 

 ルフィは長官室へと入る。

 

「君が英雄ガープの孫で七武海の一人、クロコダイルを倒したというルフィ君だね」

 

 スパンダムは緊張が窺える笑みでぎこちなくルフィへと歩みよっていく

 

「ええ、初めましてスパンダム長官」

 

 ルフィもスパンダムに歩み寄りながら、しかし長官室の外で待機させられながら『見聞色の覇気』を使っていた。

 

 彼の『見聞色の覇気』は極めに極め続けている事によってどんな相手の心の動きや内面と本質の把握、それに連なって相手の動きの先読みが出来るだけでなく、相手のあらゆる間隙を見抜けるし、もっと言えば『間隙』を衝く事が出来る。

 

 『見聞色の覇気』を使い、相手を理解すればするほどにルフィにとって相手は隙だらけになっていくのだ。

 

 そうして……ルフィはスパンダムに近寄りつつ……。

 

 

 

生命帰還(せいめいきかん)――紙絵武身(カミエブシン)

 

 己が意識で自分の肉体全てを思うままに操る身体操作術を使い、筋肉を凝縮し続ける事で痩身となり……。

 

縮界(しゅくかい)!!』

 

 六式による『剃』や『剃刀』を極めた先の技であり、残像すら残さず、音すら抜き去り、まるで彼の移動で世界が縮んでいるかと思う程の超速にして縦横無尽、自由自在な機動の技を発揮し……。

 

 

 

指銃(シガン)

 

『うッ!!』

 

 間隙を衝かれたルッチ達はルフィを捉えきれずに指銃を炸裂させられ、伝わる衝撃の伝導によって内部を打ち抜かれた事で全員、気絶させられる。

 

「は……うっ!!」

 

 混乱の極致から動けないスパンダムの後ろにルフィは着地すると指銃を彼の首の後ろに炸裂させて衝撃の伝導により、打ち抜く。

 

 するとスパンダムは硬直した。

 

「今、お前の中枢神経を歪めた。それは日に日に強くなっていき、数週間後には下半身不随になる。それと地位失墜がお前の罰だ、スパンダム」

 

「ぅ……」

 

 ルフィがスパンダムに彼の末路を告げると彼は床へと倒れた。

 

 

 

「ウタ、すまないが頼む……」

 

『はいはーい』

 

 自分の体に憑いていたトットムジカを通じてウタと連絡を取り、そうして意識改変を行う。

 

 これによりその後全員が意識を取り戻すと何事も無く、必要な事をしてスパンダムは『古代兵器 プルトン』の設計図(偽物)をルッチから受け取った。

 

 その後に起こる全ての責任を自分が取るという意識のままに……。

 

 

 

「俺の仲間に歌の上手い『歌姫』がいるんですが、エニエス・ロビーの慰安ライブをさせても良いですか?」

 

「そういうのは大歓迎だ」

 

 

 

 

 

 

 その後、ウタの大々的なライブをルフィはさせながら、エニエス・ロビーの関係者全員を『ウタワールド』に送りながら、オイモとカーシーに関する全ての記憶を無かったものとして改変させる。

 

 

 

 

「今まで門番、ご苦労様」

 

「ああ、ありがとうな。『麦わら旅団』」

 

「エルバフに絶対来いよ。歓迎してやる」

 

 騙されて門番をしている巨人族のオイモとカーシーを逃がした。

 

 二人は船長であるドリーとブロギーが決闘しているなら、決着がつくまでエルバフで再度、待つ事にしたのである。

 

そうして、二人を見送るルフィ達。

 

「お前も結構、大胆だなルフィ。実質的には世界政府に逆らってるしよ」

 

「ウタのお陰で何とかなった訳だからな……させるべきじゃない事をさせちまった」

 

 ルフィに対し、ゾロは言い……ルフィも苦い顔で呟く。

 

 そんな中でウタのライブ自体はエニエス・ロビーの全関係者にとって好評であったが……。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。