麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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八十四話

 

 

 エニエス・ロビーは世界政府直轄地であり、世界政府のための『裁判所』だが、この裏手にある『正義の門』を潜れば海流を通じて、『世界一の大監獄』であるインペルダウンとなにより、世界政府直下であり、軍事権治安維持組織である海軍本部が総本山である『マリンフォード』という三日月形の島へと行ける。

 

 そんな『マリンフォード』では……。

 

「…………~~~~っ!!」

 

 自身の机に座り、一つの紙を両手で今にも破りかねない程の力で握り締めながら、落ち着こうと呼吸するも耐えられず、歯を食いしばり始め、唸り声を上げる者がいた。

 

「……ひ、ひぃぃ」

 

「あ、あわわわ」

 

 爆発寸前とも言える状態の自分たちのボスである海軍元帥のセンゴクへと紙を渡しに来た二人の海兵は恐怖で震えていた。彼らは自分たちより階級は上であり、海軍内で英雄と名高い者から頼まれて紙を渡しただけの可哀そうな者たちである。

 

 

 

 因みに……。

 

「っ、此処を通るのは止めとくか」

 

「そうだな」

 

 

 

 部屋の外へと滲み出ている怒気だけで何かやばいと感じた海兵たちはセンゴクの部屋を通るのを止めたりした。

 

 さて、ではどうしてセンゴクは紙を見て激怒しようとしているのか、それはやはり紙のないようにある。

 

 

 

『センゴクへ、部下のコビーとヘルメッポと一緒にルフィに会いに行くので有休をとるぞ。ガープより』

 

 内容を要約するまでもなく只々、簡潔なうえに走り書きでガープは有給申請というよりメモでしかないものをセンゴクに出していたのだ。

 

「出すなら、出すでちゃんと出さんかガープぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

 有給休暇のための書状を出すならそれ専用の紙やら書式はあるし、そもそもある程度の日数は書くべきだし、書くのが無理なら部下に代筆させたらいいだろうとか色んな叱り言葉が思い浮かんだが全部まとめてセンゴクはそう怒りの咆哮を上げた。

 

 『ひ、ひいいいいっ、センゴク元帥が阿修羅にぃぃぃぃぃぃっ!?』

 

 そして、センゴクは悪魔の実の能力者で『動物系(ゾオンけい)幻獣種(げんじゅうしゅ)【ヒトヒトの実、モデル大仏】』を食べているので大仏へと変身できるが、怒りのあまり阿修羅のような姿に変身しているようだとガープに頼まれ、紙を渡しただけの可哀そうな二人の海兵は怯えるしか無いのだった……。

 

 

 

 

 そして、所変わって『エニエス・ロビー』では……。

 

「ルフィさん、ウタさん、ゾロさん……お久しぶりです」

 

 初めて会った時より、身長は明らかに伸び、顔つきも良くなっている額にバンダナ、その上に眼鏡を掛けていて、額には傷がある海軍本部曹長のコビーがルフィにウタ、ゾロへと声をかけた。

 

「あぁ……ああ、本当に久しぶりだな、コビー……随分と大きくなったし、立派になってるじゃないか」

 

「本当に大きくなってるね、コビー……一瞬、誰って思っちゃったよ。でも会えて嬉しいよ」

 

「変わり過ぎだ……まあ、俺も会えて嬉しいが」

 

 コビーとの再会をルフィ達は喜ぶ。そして、更に……。

 

「お前たちは変わらねぇな」

 

 ルフィ達に声をかけたのはコビーと同じく身長が伸び、オールバック風にした金の長髪でサングラスをしたヘルメッポであった。

 

「お前たちが変わり過ぎだ。しかし、随分と爺ちゃんにしごかれて成長しているようだなヘルメッポ」

 

「え、あの七光りそのものな!?」

 

「ああ、思い出した。あのろくでなしか」

 

「思い出すにしても悪口は口にしなくて良いだろっ!?」

 

「初対面の印象、悪いにも程があったからな。実際、前は本当にモーガン共々、ろくでなしだったじゃねえか」

 

「仕方ないよ、ヘルメッポさん。過去は受け入れなきゃ」

 

「良い加減、泣くぞお前ら!!」

 

 ルフィとコビーからの追撃にヘルメッポは涙を流す。

 

 

 

「ふふ、やっぱり若い者は良いのぅ」

 

 ガープは部下であるコビーとヘルメッポがルフィと楽しそうにしているのを見ながら、喜ぶ。

 

 その後、『エニエス・ロビー』から『ウォーターセブン』へと戻るルフィ達にガープたちは同行する事になり、その見送りにエニエス・ロビーの者達が集まる中……。

 

「それじゃあね、ルフィ君。また会う日まで」

 

「ええ、また会う時まで」

 

 ルフィは見送りに来たカリファに口づけされながら言葉を返した。

 

「ルフィ~~~~、お前どういう事だぁぁぁ~~」

 

 それを見て、サンジは激怒しながら襲い掛かるのであった……。

 

 

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