八十八話
麦わら旅団は造船業で有名な『ウォーターセブン』を空島で手に入れた『金』の換金や船の整備や船大工の勧誘をする目的もあって、訪れた。
予期しない事にそこでバルトロメオやベンサムが率いる麦わら旅団の傘下組織であるバルトクラブと出会い、宴を交わす。
それはルフィにとっては心からバルトクラブを傘下として認める意味合いもあった。するとバルトロメオとベンサムの紹介で『ウォーターセブン』の荒くれ者を束ねて自分なりに治安を守っていたフランキーを紹介される。
そうして、フランキーと『ウォーターセブン』の市長であるアイスバーグ、今は亡き二人の造船の師であり、優れた腕で『海列車』をも造った魚人のトムが世界政府の間にある密かな確執を解決した。
その結果として、世界政府直下暗躍諜報機関であるCP9の長官ことスパンダムが謎の障害により、長官から引退する事となったが……。
ともかく、その後は祖父であるガープと再会し、ガープが弟子としていたコビーもそうだが、ヘルメッポとも再会し、宴など短く交流をした。
その後、ルフィ達『麦わら旅団』に船大工としてフランキーが加入し、彼が手掛けた新しい船である『サウザンドサニー号』に乗って航海を再開したのである。
順調に海を進んでいく船だが……。
「おい、海になんか浮いているぞ」
偶々、海を眺めていたゾロがそう伝えてきた。彼の言う通り、『海神御宝前』と書かれた旗のついた大きな樽である。
これは『流し樽』というもので航海の無事を祈って、海の守護神にお供え物をして海へと流した物。
拾っても問題は無いし、お祈りすれば中の保存食や酒を口にしても良い。ただしそれらを口にして樽を空にした場合は新しいお供えを入れて流すというのが習わしだが……。
「こいつは罠のようだ」
ルフィが手で触れながら、残留思念までも読み取る域にまで達している『見聞色の覇気』を使った事でこの『流し樽』には発光弾が仕掛けられているのを知る。
「フランキー、発光弾を反応させずに上手く分解してくれ。場合によってはこれを仕掛けた奴を誘き寄せたいからな」
「任せろ」
ルフィはフランキーに頼み、流し樽を分解させて仕掛けられた発光弾を反応させないままに分解し、ルフィにその発光弾を渡した。
「皆、大嵐が来るわよ!!」
航海士であるナミが嵐が来る前兆を感知し、嵐を脱するための行動に取り掛かる。
「この船なら楽勝だ」
そしてフランキーが手掛けたサウザンドサニー号に用意された『外輪』とコーラエンジンによる加速によって嵐の中を瞬く間に抜けていく。
「なんだ、この霧……」
深い霧により、不気味な程、そして夜だと見まごう程に暗い海域へと嵐を脱した『麦わら旅団』は入った。
「『
『魔の三角地帯』――この海では毎年百席以上の船が消息不明になっている。後々、船から船員だけが消えた船が見つかったり、死者を乗せて海を彷徨う『ゴースト船』の目撃情報がある海域でもあった。
「ヨホホホ~♪」
「ん、良い歌声だね」
どこからか、歌声が聞こえたのでそれにウタが反応しつつ、ルフィにそれを伝えるため軽く手に触れる。
そして……。
『ぎゃあああああ、ゴースト船~~~~~!?』
サニー号の後ろに大きくもぼろぼろな外見の船が姿を現し、それにウソップやナミ、ビビにウタ、カルーにラキにアン、チョッパー、ストロンにサウスらが怯えた声を出したりする。
「とりあえず、行ってくる」
ルフィはそう言うと、即座に『剃刀』による空中高速移動をして、ゴースト船の看板へと降りる。
「わあああっ、きゅ、急に現れた。お、お化けぇぇぇッ!?」
「いや、お化けはそっちだろ!!」
すると紳士帽をアフロの上に被り、紳士服も来ているが肉も皮も無い骸骨が悲鳴を上げたのでルフィはツッコんだ。
「俺は『麦わら旅団』のルフィだ。世界を旅して回っているが一応、海軍の協力者でもある」
「これはどうも丁寧に……私はブルックと申します。ところで私の事は怖くないんですか?」
まずは自己紹介を交わしながらも、ブルックはルフィに問う。
「別に……少なくとも襲ってこない相手を怖がる事も無いだろう。交流に応じるなら、猶更だ。ところでこの海域には長く住んでいるのか?」
「ええ、まぁはい……本当に長い間、住んでいます」
「なら、この海域を縄張りにしている七武海の一人、『ゲッコー・モリア』の事も知っているか?」
ルフィはガープから注意するように伝えられた七武海の一人であるゲッコー・モリアについて質問する。
「はい、良く知っていますとも」
「じゃあ、お前が知っているモリアの事について聞かせてくれ。他にも色々と話を聞きたいしな。代わりに客としてもてなしてやる」
「喜んで……よろしくお願いします、ルフィさん」
「ああ」
ルフィはブルックと握手を交わすと『サウザンドサニー号』へと連れていき……。
『ぎゃああああああ、ガイコツぅぅぅぅぅぅっ!?』
ウソップやナミ、ビビにウタ、カルーにラキにアン、チョッパー、ストロンにサウスらが恐怖の叫びを上げたのは言うまでも無いのであった……。