麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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九十話

 

 王下七武海の一人であるゲッコー・モリアは『超人系――カゲカゲの実』を食べた能力者であり、影に関する多彩な能力を使う事が出来、その中には相手から影を切り離し、その影を自分の物として操れるのだという。

 

 そして、ゲッコー・モリアは奪った影をこの世界で超一流の腕を有している天才外科医のドクトル・ホグバックが改造した死体に入れる事で無敵の『ゾンビ』軍団を集めているのだとか……。

 

「あのドクトル・ホグバックがそんな事を……」

 

 医師の一人としてホグバックの偉業を知っているし、彼の様に人を救いたいと思っていたチョッパーは病気の研究やそういった事ではなく、只、己のために死体を弄るという医師の概念としてはタブーとなる行為をしている事にチョッパーはショックを受けた。

 

 ともかく、モリアはどうやって影を持つ者たちを集めているのかと言えば……元は『西の海』にあった島を改造して世界一巨大な船である『スリラーバーク』の中へと『魔の三角地帯』に迷い込んだ海賊船などを招き入れながらそうして、海賊たちを『夜討ち』と称して襲撃し、影を集めているのである。

 

 中には政府関係者や迷い込んでしまっただけの一般人の影もあったりするが、日光を浴びれば影を奪われた者は消滅してしまうために外部へは出れないし、連絡も取れないのだ。

 

 とはいえ、影を取り戻す方法はありブルックは偶然、その切っ掛けを掴み、ホグバック自身に問い質せば、分かりやすいくらいに動揺したので確信した。

 

 こうして、ルフィはブルックの情報を元にフランキーとウソップの二人とゾンビたちに対する効果的な武器を作り出し……。

 

「それじゃあ、やるぞ」

 

 ルフィはモリアたちが襲う船の居場所を掴むために流し樽に仕掛けていた発光弾を使い、強烈な発光をさせた。

 

 そうして、少しすると……。

 

「来ましたよ、皆さん」

 

 突如、何かの生物の口がサニー号の航路を塞いだ。ブルックによるとこれが『スリラーバーク』の門になるのだという。

 

 そうして、後ろを見れば……。

 

「あれがスリラーバークです」

 

 不気味な雰囲気さえ有した大きな城が霧の中に浮かび上がったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その者は今、主の命によってこの島に捕らわれた船の元へと向かっていた。

 

「ガルルル……わざわざ霧の中で流し樽を開けるなんて馬鹿な奴らだな」

 

 彼は『超人系――スケスケの実』によって透明人間になれるためにその接近を気づかれる事は無い。よってスリラーバークが捕らえた船へとやすやすと侵入し……。

 

「(さぁて……工作ついでに女性たちにセクハラでも……)」

 

(ゲン)(コツ)――隕石(メテオ)!!」

 

「グべェッ!?」

 

 超絶な域にある『見聞色の覇気』でしっかりと透明人間となっていた者の存在を感知していたルフィが砲丸を彼の頭部へと投擲して炸裂させると侵入者は倒れ伏す。

 

そして、ホグバックによってライオンの顎、象の皮膚、クマとゴリラの三百kgの筋力を移植されているまるで『動物系』能力者が獣人形態になったような姿をしているアブサロムがその姿を現す。

 

「お前、『スケスケの実』の能力者なんだってな……く、くそ、その実は俺が喰いたかったのに、喰ってそして、女湯を……良くも俺の夢をぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

「ぐえあああああああああっ!?」

 

 船にガープからもしものためにと提供された『海楼石』の鎖を使って縛りつつ、逆さ吊りにしたアブサロムに対し、サンジは自分の夢であり、或いは野望の一つを潰された事で怒りのままに蹴撃の嵐を浴びせた。

 

『最低なうえに壮大な八つ当たりぃぃぃぃぃぃっ!?』

 

 

 ウソップとチョッパーはサンジに対して思わず、ツッコみを入れる。

 

「許さん、絶対に許さんぞゲッコー・モリアぁぁぁぁっ、いくぞ、皆……ゲッコー・モリアを叩き潰すんだぁぁぁっ!!」

 

 サンジの怒りはアブサロムの主であるゲッコー・モリアへも転化、ならぬ転火した。

 

 そうして、これ以上に無いくらい気合の声を上げる。

 

 

 

「そうだな、麦わら旅団の力を見せてやろう!!」

 

『おおおおおっ!!』

 

 とにもかくにもルフィ達は『スリラーバーク』へと向かっていくのであった……。

 

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