麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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九十三話

 

 ルフィ達『麦わら旅団』はモリアによって影を奪われた被害者の会の協力もあって怒涛の勢いで『スリラーバーク』内にいるゾンビ軍団から影を解放していった。

 

 そうして残るは七武海の一人にしてこの『スリラーバーク』の主であるゲッコー・モリアを倒すのみとなったが……。

 

 突如、大きく『スリラーバーク』が震え……。

 

『ウオオオオオオッ!!』

 

 屋敷の外に鬼のような風貌であり、巨人族の数倍はあろうかという程に巨大な体を有する者が姿を現し、咆哮を上げた。

 

 この鬼の巨人こそ約五百年前の人物であり、『国引きオーズ』の異名を持つ巨人だ。

 

 生前は『魔人』と呼ばれて恐れられていて、数々の伝説を各地に残している。

 

 討ち取った国を島ごと自分の領土に持ち帰り、そこに悪党たちによる国を築き上げたという国引き伝説があるのが『国引きオーズ』の名の由来だ。

 

 そう、オーズはもう死んでいる。

 

 死因は裸で氷の国を彷徨って、凍傷を負いながら凍死したのである。

 

 つまり、今動いているオーズはゾンビにしてドクトル・ホグバックが最高の処置を行った傑作であった。

 

 そして、その腹部には……。

 

「お前ら、随分と好き勝手やってくれたじゃねえか。良くも俺の仲間とゾンビ共を……俺に逆らった事を徹底的に後悔させてやるからなぁっ!!」

 

 不気味なほど白い肌にラッキョウを彷彿とさせる体型と人間離れした頭部が特徴の七Ⅿ近い巨漢がオーズの腹部の中をコックピットとして乗り込んでいた。

 

 モリアはオーズの巨体に見合うだけの影を詰め込むだけ詰め込み、強化すらしている。

 

 本来、こういう強化法を行なえば負担が大きいためにすぐに影が分離してしまうがオーズは巨体であり、かなりの肉体強度を有しているからだ。

 

 怒り心頭でモリアはルフィ達の元に姿を現したのだ。

 

 

 

「そいつがお前の切り札のようだな、モリア……良いだろう、勝負だ」

 

 ルフィはそうして麦わら帽子を合流したウタへと放り、ウタはそれを受け取る。

 

「生命帰還――剛極(ごうきょく)鉄塊武身(てっかいぶしん)!!」

 

 ルフィは生命帰還を用いて自分の筋肉を肥大化させながらそれに『武装色の覇気』を纏う事で更に強化、四肢は黒を纏い、胸や腹部にも黒い紋様のようなものが浮かび上がる。

 

「はッ、勝負にすらならねぇよっ!!」

 

 モリアに操られたオーズが巨大な拳をルフィへ振り下ろす。

 

「鉄塊!!」

 

 それに対し、ルフィは鉄塊を使用し……。

 

「っ、んなっ!?」

 

 自分より遥かに巨大な拳撃がルフィに炸裂した瞬間にオーズの拳は弾かれ、砕ける。

 

 そして多少、よろけるオーズの足元へと踏み込むと両拳に『覇王色の覇気』を纏わせながら、右拳を上に左拳を下にしながら前へと突き出し……。

 

 

 

六大覇王銃(ロクダイハオウガン)!!」

 

『ごあああああああっ!?』

 

 絶大な衝撃がオーズの体内に伝導しながら内部を攪拌して破壊。

 

 オーズの肉体が所々、内部から崩壊して飛び散り、そしてコックピットに乗っていたモリアにもルフィの攻撃による衝撃は届いており、血塊を吐きながら、オーズと共に倒れる。

 

「……う、おおおおっ、ま、まだだぁっ!!」

 

 そのまま倒れ伏すと思われたが、モリアは少しして意識を取り戻すと崩れているオーズの死体から出てきて、劣っていない戦意を露にルフィ達の前に立ちふさがったのであった。

 

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