麦わら旅団 冒険記   作:自堕落無力

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九十五話

 

 七武海の一人であるモリアを倒し、『スリラーバーク』のゾンビ軍団より影を解放したルフィ達『麦わら旅団』はモリアたちを拘束し、一か所に纏めた。

 

 海軍に引き渡そうと考えていたのだが……。

 

「さて、後はセンゴクさんに連絡して……何か用か?」

 

 ルフィは後ろにいる存在に気づき、問いかけた。

 

「悪いが、待ってもらえないか。『麦わら旅団』のルフィ」

 

『っ!?』

 

 ルフィに後ろから声をかけたのは熊の耳がついたような頭であり、被った帽子の下より長い黒髪が垂れ下がっていて、眼鏡をかけた七m近い巨体の巨漢であった。

 

 そんな巨漢が現れた事にルフィが声をかけるまで、まったく気づけなかったので皆は驚く。

 

 

 

「ば、バーソロミュー・くま……」

 

「モリアと同じ七武海がもう一人……」

 

 ローラ達がその巨漢の名を呟く。

 

「待たなきゃならない理由がどこにある。モリアたちはゾンビ軍団を作っていずれ、海賊として本格的に暴れていたぞ。海賊だけならまだしも一般人や海軍の影も奪っていたしな」

 

「だが、まだ七武海として政府に従うくらいはする。それにこれ以上、七武海の名が威厳を失っては政府が困るんだ。クロコダイルの件もあるからな」

 

「それは政府の問題だろう」

 

「世界の問題でもある。成り立っているバランスが崩れるからな……此処は俺に任せてほしい。サボの義弟、ドラゴンの息子」

 

 ルフィの反論に対し、くまは突如としてルフィにとって重要な名前を出した。

 

「二人とは知り合いなのか?」…

 

「ああ」

 

「参った、そう言われたら任せるしかない。二人の顔を潰したくはないからな。良いだろう、あんたに任せるよ。バーソロミュー・くま」

 

 会話中も『見聞色の覇気』で心を読み取っていたルフィは向こうがそれに応じているのもあって、信頼できる存在であると確信してくまにモリアを任せる事にした。

 

 

「感謝する、ルフィ……この借りは必ず返そう」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

 サボとルフィが義兄弟の関係にあるのを知る事やドラゴンがルフィの父親である事を知れる時点でかなり親しいのは間違いなく、心の中で『革命軍』の所属である事を語っていた。

 

 だから、任せたのである。

 

 気絶しているモリアにペローナにアブサロムを拘束している『海牢石』の鎖を外す。

 

 するとくまはモリアたちに近づき、手袋を外して掌に肉球が付いたそれを晒した。

 

 くまは【超人系――ニキュニキュの実】を食べた肉球人間である。彼の肉球は触れたものを弾き飛ばす能力を持つのだ。

 

 そうして、掌でモリアたちに触れると瞬時に弾き飛ばしたのだろう。瞬間移動でもするかのようにモリアたちの姿が消えた。

 

 

 

「ではな」

 

「ああ」

 

 ルフィに言うと自分の肉球で自分の身体に触れる事でくまも姿を消したのである。

 

『……ドラゴンの息子ぉぉぉぉぉぉぉっ!?』

 

 改めて状況を把握し、ルフィが世界最悪の犯罪者とされている革命家のドラゴンの息子である事に皆が驚愕したのであった。

 

 

『(でも、なんか納得)』

 

 麦わら旅団の者たちはルフィが考えれば、革命家のような事をしているのを思い返し、納得もした。

 

「ともかく、宴をするぞ。ブルックの歓迎会もあるからな」

 

「……改めまして……このブルック、麦わら旅団にこの命、お預かりいただきます。どうかよろしくお願いします」

 

「ああ、よろしくな」

 

 ブルックはルフィに対し忠誠を誓う騎士の如き態度で言い、ルフィは受け入れたのだった……。

 

 

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