倉田さんを家に招いて、絵のモデルなってもらっている。絵を描き始めてから2時間ぐらい経っていた
「ふぅ~。ん~・・・・・・っはぁ~!」
「は、悠斗さん・・・?」
「ちょっと疲れてきたから休憩。倉田さんも、身体を楽にしていいよ。」
「は、はい・・・。」
倉田さんも疲れてきていたようで、少し伸びをしては座り方を少し崩している。
「・・・・・・あっ、何か飲み物いる?台所に行って持ってくるけど。」
「あっ、私も行きます・・・!」
「じゃあ、一緒に行こうか?こんなに息苦しい狭い部屋に何時間もいるのは嫌だろうから。」
「い、いえ・・・・・・嫌、じゃないです・・・。」///
俺たちは部屋を出て、台所に向かう。俺の部屋は二階にあって台所は一階にあるから、階段を降りる。台所のすぐ横には居間もある。
「そういえば、ご両親はいないのですか・・・・・・?」
「今日は仕事なんだって。俺の病院代で減った貯金を稼いでいるらしい。いつもより少し残業しているらしいけどね。」
「そ、そうなんですね・・・。」
「まぁ、あまり気にしていないよ。簡単だけど料理は覚えたから、そんなに苦じゃないから。」
俺たちは飲み物を持ってのんびりとリビングのソファーでくつろぐことにした。
「・・・・・・そういえば、改めて確認したいんだけど、倉田さんは良かったの?」
「えっ?う、うん・・・・・・。ちょっと、恥ずかしいけど・・・。」///
「倉田さんの性格なら、そうだろうね。」
あまり話が広がらないから俺はちょっとした真面目な話をすることにした。
「倉田さん、ちょっと真面目な話をしていい?」
「は、はい・・・。」
「俺もネットで調べたんだけど、記憶喪失は一部か全部失う。そして、あるきっかけがあれば記憶を取り戻すことが出来る。」
「う、うん・・・。」
「ただ、記憶が戻ったら失っている間の記憶は
「えっ?それって──」
「そう、記憶が戻ったら俺はいなくなる。まぁ、いなくなると言っても
「でも、今の悠斗さんは──」
「完全に居なくなる・・・・・・だろうね。」
そんな話をしていくと、倉田さんの顔は複雑そうになっていた。
「だからさ、倉田さんには俺のあの絵を受け取ってほしいんだ。」
「えっ・・・?」
「俺がいた証を残しておきたくて・・・・・・俺が記憶を取り戻したら、もしかしたら捨てているかもしれないから。」
「悠斗さん・・・・・・。」
「まぁ、要らなかったら捨ててもいいけどね。」
「す、捨てませんよ・・・・・・!」
「っ!・・・・・・そっか。」
倉田さんが何故か勢いよく俺の提案を否定してきたのにはちょっと驚いた。
そんな会話をした後、1〜2時間ぐらい絵を描いたら今日はお開きとなった。一応、男として倉田さんを家まで送っていった。