地球では、世界各地に大災害が異常発生しており、それまで空想の産物と思われていた怪獣が、現実に出現するようになっていた。
世界の国々は防衛組織を立ち上げ、地球を怪獣の危機から護るため、Team Monster MeasursことT.M.Mを発足した。
人類の力だけで怪獣対策をしていたが、奴らの脅威に彼らは壊滅の一途を辿っていた。
こんな時、特撮ヒーロー番組であれば、ウルトラマンが登場して、怪獣を倒してくれるのだろうが、現実にウルトラマンなどいるわけもなく、人類は半ば諦めかけていた。
都内の高校に通う女子、
(ウルトラマンって本当にいないのかしら?)
「待ってくれよー、美幸ー!」
後方より少年が追いかけてくる。
「居残り終わったんだ?」
「美幸と帰りたいからな。ちゃちゃっと終わらせてきた」
彼の名は
「それにしても、どこに行っても怪獣が当たり前の世の中になったよなあ」
「お陰でいい迷惑よ」
「俺の父ちゃん、怪獣退治に駆り出されたしな」
「健太のお父さん、空自だもんね」
怪獣が咆哮し、火球を吐き出した。
「美幸!」
火球が美幸めがけて飛んでくる。
健太は美幸を庇うように、火球を背中で受けた。
「ぐわああああ!」
意識を失い倒れる健太。
「健太!?」
美幸が健太を見つめる。
そこへ、赤い光球が飛来する。
「今度は何?」
光球が健太の体内へ入り込んだ。
「健太!」
「う……」
起き上がる健太。
「よかった! 私、死んじゃったかと思ったよ」
「君は?」
「え?」
「この体は健太という名なのか?」
「な、何言ってるの?」
「僕は健太であって健太ではない」
「どういうこと?」
健太が怪獣の方を向く。
左手の薬指には獅子を象った指輪がはまっている。
「健太は今の一撃で死んだ」
「へ?」
「僕は死体を見捨てるほど薄情でもないからね」
健太は指輪をはめている拳を前に突き出した。
「レオー!」
叫び声を上げると、健太は赤い巨人に変身した。
「健太が巨人に? 一体全体、何がどうなってるの?」
状況を飲み込めていない美幸だった。
赤い巨人は怪獣に接近し、ドロップキックを浴びせた。
怪獣はバランスを崩して倒れる。
(そういえば、あの巨人、どことなくウルトラマンレオに似てるわ)
確かに、巨人のその姿は、ウルトラマンレオそのものだった。
巨人は高く飛び上がると、必殺のレオキックを怪獣にお見舞い。怪獣は爆裂霧散した。
巨人は小さくなると、健太の姿に戻った。
「あなた、何者なの?」
「僕は、ウルトラマンレオだ」
「ウルトラマンレオは特撮だけど、実在するってこと?」
「特撮?」
「この世界ではウルトラマンはテレビの中だけの存在なの」
「実は僕、この
「そうなんだ」
「君の名は?」
「寺沢 美幸。美幸でいいわ」
「僕は……」
「健太でいいかしら? その方が呼びやすいし、まず外見が健太だからね」
「構わないよ」
「ありがとう」
じゃあね——そう言って去っていく美幸。
健太は離れて小さくなった美幸を背中を見つめていた。