安価で安住の地を見つける 作:ハンドルを右に
713:名無しの海賊団 ID:hkzG1pTbt
【悲報】ヒグマさん、56皇殺しじゃなかった
714:名無しの海賊団 ID:YkYR3C/tx
嘘乙
715:名無しの海賊団 ID:p1Pcd8pt+
ソースどこ?
716:名無しの海賊団 ID:mWJX96MZ0
>>715
映画でルフィが子供時代のシャンクスの懸賞金が10億だったと判明したから
717:名無しの海賊団 ID:4xpflnNzs
麦わら帽子かぶってたのに二つ名は赤髪のままなのか
718:名無しの海賊団 ID:xbNyycYwp
>>716
そんな……ヒグマさんは四皇クラスを56人殺したんじゃなくて四皇幹部クラスを56人殺しただけだったなんて……
719:名無しの海賊団 ID:M1uuugYTN
>>718
充分強すぎて草
720:名無しの海賊団 ID:KhlCd2gxR
>>718
むしろ現実味増してきたな
721:名無しの海賊団 ID:qu4IYChlf
>>718
ODくん……とうとうヒグマさんに向き合う決心をしたんだね……
722:名無しの海賊団 ID:dz+LJU/IS
>>718
推定懸賞金560億ベリーはかたい
723:イッチ ID:oV+OwtFfi
カタクリとキングと同格レベルを56人殺したって現実味ない……なくない?
724:名無しの海賊団 ID:Hyh4DxM+2
>>723
ある!(ドン!)
725:名無しの海賊団 ID:uPl40CjMI
来たか、イッチ(ドン!)
726:名無しの海賊団 ID:HG8rMyjVg
>>723
ヒグマさんが最強かどうかは俺達が決めることにするよ
727:名無しの海賊団 ID:Qy6Mz11If
>>723
仮にヒグマさんが最強じゃなくてもイッチ勝てないじゃんwwww
728:名無しの海賊団 ID:fAoVihOwE
イッチ今どこ?
729:イッチ ID:oV+OwtFfi
>>727
ア……ウス……
今ドラム王国ついた
ナミの五日病治さなあかん
730:名無しの海賊団 ID:vTIev6/OP
強さで誰にもマウント取れるやつがいない件
731:名無しの海賊団 ID:uwndgQH0B
なんでイッチ患ってないの?
732:名無しの海賊団 ID:sreF6Jz2e
そこは原作通りなのね
733:名無しの海賊団 ID:K4/8m+DzY
>>730
Mr.5撃破したじゃん
734:イッチ ID:oV+OwtFfi
一応ローグタウンで買った蚊取り線香ナミに持たせたんだけどダメだったわ
Mr.3の蝋溶かすための火種にして油に引火させたとか言ってた
>>733
真っ向から来たら普通にやられます(小声)
735:名無しの海賊団 ID:FswKQsWUf
もっと虫除けスプレーとか持たせてやれよ
736:名無しの海賊団 ID:ZyMRbLEoW
おじいちゃん、蚊取り線香は持ち歩くものじゃないわよ?
737:名無しの海賊団 ID:XgQynMVaS
さらっとMr.3攻略の一助してる
738:名無しの海賊団 ID:TWvQu5K//
(密林地帯の蚊は線香程度じゃ効果)ないです
739:名無しの海賊団 ID:fqql//YeV
まあドラム王国経由しないとクロコボーイの刺客に襲われちゃうし
740:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
さーて、今週の安価はー?
741:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
ナミの弔い安価しろ
742:イッチ ID:oV+OwtFfi
ころすなころすな安価もしない
>>735
>>738
それしかなかっただけ
現代ほど何でも揃うわけじゃないのよ
743:名無しの海賊団 ID:hoW1bHc4i
は?
744:名無しの海賊団 ID:xCLpSLEJL
許さん
745:名無しの海賊団 ID:WiP8Br5dh
見損なったぞイッチ
746:名無しの海賊団 ID:IXMbxoGYV
リトルガーデンでのイッチはもっと輝いていたぞ!
747:名無しの海賊団 ID:kwAiavlFU
まあ島国やから物資運ぶにも限りあるし
東の海で密林に行くやつなんていないだろ
748:イッチ ID:oV+OwtFfi
というかやることが多くて安価の余地ないわ
ドクトリーヌが山から降りてきてるから待ち伏せしてナミ連れてってもらうし
ワポルたちはルフィサンジチョニキが戦う上に武器も安価で決まったから同行する必要もない
というかウソップが俺の側から離れるなってしがみついてきて動けん
749:名無しの海賊団 ID:sH6h2VK4v
思いっきり原作知識使ってて草
750:名無しの海賊団 ID:hsN219stB
知識なくても見聞色でわかるもんな……
751:名無しの海賊団 ID:9piKHeK8e
ウソップ必死で草
752:名無しの海賊団 ID:ENrZeWN9Z
「し、仕方ないから勇敢なる海の戦士である俺様が守ってやる! 絶対側から離れるな! いいな! わかったか!」とか言ってそう
753:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
歩くレーダーみたいなもんやからなイッチ
754:名無しの海賊団 ID:dqdKuVC11
雑魚だけど無能ではないことが判明した
船降りたいなら降りたいなりに無能アピールしろ!
755:イッチ ID:oV+OwtFfi
>>752
一言一句同じこといってるぞ
さては現地にいるのか
>>754
やだよ
ただでさえ戦闘で役立たずなのにこれで更に無能だと思われたら本当にいたたまれなくなるだろ航海中地獄だぞ
756:名無しの海賊団 ID:uHQKoY9WJ
>>752
イッチの他にも見聞色持ちが現れるなんてな
757:名無しの海賊団 ID:GSXQ68Ns+
>>752
現地いるなら実況よろ
758:名無しの海賊団 ID:aeXwuFJ9P
>>752
一般ドラム王国民くんオッスオッス
そのまま現地実況よろ
759:名無しの海賊団 ID:ENrZeWN9Z
草
ワイ、ウソップの才能あるかもな……
760:名無しの海賊団 ID:fmRS+HZJE
さらっと流されてるけどイッチ虚栄心バリバリで草
761:名無しの海賊団 ID:P4Ucp+jA0
このスレで最も助言らしき助言が出たのにな……
762:名無しの海賊団 ID:A+4iEdMCC
このイッチ、いくら助言しても「やだよ」の三文字で却下しそう
763:名無しの海賊団 ID:NUw3DzVRN
・努力して強くなればいいじゃん
→やだよ努力嫌いだし
・なら無能アピールして追い出されればええやん
→やだよ航海中の肩身狭くなるし
うーんこの
764:名無しの海賊団 ID:scwu4kBuX
スレ民も大概だけどイッチも大概で草
765:名無しの海賊団 ID:EfXs5WLDb
体だけじゃなくて心までワガママ
ある意味覇王の器だな
766:名無しの海賊団 ID:4mQydixzj
>>765
ワガママどころかカスカス
クズの末路
767:イッチ ID:oV+OwtFfi
そんなことないぞ実際アドバイスくれた>>754にはめっちゃ感謝してる
ただこんな気のいいやつらからボロクソにされて捨てられてみるの想像してみろ?
俺はこの傷を抱えて一生生きていかないといけないのか?
二度目の人生とはいえ耐えられない
768:名無しの海賊団 ID:RmfBEAijp
気持ちはわかる
769:名無しの海賊団 ID:sWV/nEdqv
まあ確かに
770:名無しの海賊団 ID:UR1M3BHcg
麦わらの一味で駄目なら本当に世界不適合者すぎて救えないわ
771:名無しの海賊団 ID:KAvDAsPpv
でも努力嫌いなのは単にクズなだけなんだよなぁ……
772:名無しの海賊団 ID:M00+BoSxj
せっかく覇気の才能あるのに勿体なさすぎる
そのまま肉体改造して覇王目指して♡
773:イッチ ID:oV+OwtFfi
ああ忙しい
ゾロが寒中水泳とかアホなことやるから服とか用意しておかないといけないし
巻き添え食らったカルーも救出しないといけないし
私いじけちゃうし
774:名無しの海賊団 ID:jhVOZiAmp
逃げた
775:名無しの海賊団 ID:3Iv3n1IXU
逃げたぞ
776:名無しの海賊団 ID:Az5bl5QIS
追うえ! 安価させろえ〜!
777:名無しの海賊団 ID:3D9tuhJqw
(イッチがいじけるのは関係なくない?)
778:名無しの海賊団 ID:9+bwCzsqj
実際助言聞かないなら恨みっこなしで安価させるしかないのでは……?
779:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
よし安価だ
780:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
やっと安価?
781:名無しの海賊団 ID:L2k5jMbiI
>>779
>>780
こいつら安価のためにしか生きていないのか?
782:名無しの海賊団 ID:qXlp2qjiB
あれ、ゾロの寒中水泳ってことはその後戦闘じゃね?
783:名無しの海賊団 ID:qaLPYATKu
あっ
784:名無しの海賊団 ID:Gn5yun5Q3
せやな
785:イッチ ID:oV+OwtFfi
おう
ワポルんとこのいっぱんへたちが来た(白目)
786:名無しの海賊団 ID:richHfmCB
草
787:名無しの海賊団 ID:/iccbnkQo
草
788:名無しの海賊団 ID:JK63hxPdp
イッチ忘れてたな
789:名無しの海賊団 ID:NlVZlJFmk
まあここゾロがさらっと全滅させてたしな
790:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
いいから安価しろ
いつまでパンツ脱いでればいいんだよ
791:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
安価まだ???
そろそろ逆立ち辛いんだけど
792:名無しの海賊団 ID:uAlzajcUj
この二人ブレないな
793:名無しの海賊団 ID:qvMeWvH5k
イッチが安価するまで何かの耐久レースとかされてるんです……?
794:名無しの海賊団 ID:C2baLvO+N
このまま安価しないとお腹冷やすやつと頭に血が上りすぎるやつが生まれてしまう!
はやくしろーっイッチー!
間に合わなくなってもしらんぞー!
795:イッチ ID:oV+OwtFfi
作戦>>804
796:名無しの海賊団 ID:lh4Qoa0+c
ヒャッハー! 新鮮な安価だー!
797:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
さすが俺達のイッチだぜ!
798:名無しの海賊団 ID:N2dI2YKzB
別に安価しなくてもお腹冷やすやつと頭に血が上りすぎるやつが生まれるだけなんだよな……
799:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
しゅき♡
800:名無しの海賊団 ID:5FvXw9DSH
初めての対多人数の戦闘か
801:名無しの海賊団 ID:JsvM3e/w5
安価の時間だああああああ!!!!
802:名無しの海賊団 ID:uYUKbtH+c
雪玉投げる
803:名無しの海賊団 ID:t32sv7WP2
効くまで覇王色飛ばし続ける
804:名無しの海賊団 ID:Ybxlw2X2j
雪だるま作ろう
805:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
ストリングプレイスパイダーベイビー
806:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
ひたすら武装色パンチ
807:名無しの海賊団 ID:VU6pluIkK
>>804
!?
808:名無しの海賊団 ID:hI1TzVFrS
>>804
ドアを開けて一緒に遊ぼう!?
809:名無しの海賊団 ID:wgjTSliC+
>>804
どうして出てこないの!?
810:名無しの海賊団 ID:Q42OvW4UY
もう10年近く前になるのか
はやいもんだな
811:名無しの海賊団 ID:mv0nHRsQA
>>810
うせやろ……
812:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
>>810
嘘……
813:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
>>810
そんな……
814:イッチ ID:oV+OwtFfi
>>810
あり得ない……
815:名無しの海賊団 ID:IznEMuxnS
イッチ安価の結果よりもショック受けてて草
816:名無しの海賊団 ID:/3embf612
年月って経つのはやいよね
817:名無しの海賊団 ID:qoP6iFY8X
草
818:名無しの海賊団 ID:6DHlh+kej
やーいやーいおじさーん
819:名無しの海賊団 ID:dvMlPweTa
いやでもこれどう戦うんだ?
820:名無しの海賊団 ID:9g4nb7Pel
そりゃあもう雪だるま作るんだよ
821:名無しの海賊団 ID:2FkUneHXU
当たり前だよなぁ?
822:名無しの海賊団 ID:ca3rb0M8W
安価は絶対だからな
823:イッチ ID:oV+OwtFfi
まあやって見るわ
少なくとも覇王色何度も飛ばすよりはやれそう
824:名無しの海賊団 ID:pPVG2CZT8
覇王色より楽なのか
825:名無しの海賊団 ID:/HZSPJ4me
結構疲れるのあれ
826:名無しの海賊団 ID:mH8KhrX/n
>>825
なお効くのはネズミだけの模様
827:名無しの海賊団 ID:aX1R+EUUT
こういう場面とか覇王色あると楽ちんちん(効くとは言っていない)
828:名無しの海賊団 ID:5qjAou9hn
忘れてないかイッチ
終わったらカルー助けるために寒中水泳だぞ
829:名無しの海賊団 ID:Z+Ln8p+Eo
あっ
830:名無しの海賊団 ID:rcckbeJxC
あっ
831:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
せやな
832:名無しの海賊団 ID:GuYDQc7NM
ビビの好感度あげないといけないもんな
833:イッチ ID:oV+OwtFfi
ちくせう! やってやらぁ!
◆◇◆◇◆
かつて、この冬島はドラム王国と呼ばれていた。
過去形なのは、とある海賊が襲撃しに来た際に国民を置いて我先に国王が逃げ出したため。悪政者はいなくなったが、かつて『医者狩り』と称して国中の医療を独占したせいで、もはや医療大国の影も残っていなかった。
リトルガーデンで病気を患ったナミを助けるためには、この島で唯一残った“魔女”と呼ばれる医者を見つけるしかなかった。
定期的に村に来て病人・怪我人を診てくれるが、つい先日来たばかりで次に来るのはいつになるか。旅を急ぐビビは当然だが、何よりナミの方がもたない。つまり、こちらから件の“魔女”へ会いに行くしかなかった。
国土は広くないにせよ、止むことのない雪の中、たった一人の人間を探すのはどれだけ骨の折れることだろうか。
幸い、現地人のドルトンが住処を知っていた。断崖絶壁のような山の上に建つ城こそ、“魔女”の根城。病人を抱えて山登りは無謀すぎる。
一刻の猶予もない以上やるしかないと思われたが、その必要はなくなった。
『ヒーーッヒッヒッヒ! なんだいお前ら、若さの秘訣でも聞きに来たのかい?』
『いや知らねェよ!』
山登りする前にタイミング良く近隣に降りてきていたところをギリギリで接触することができたからだ。
Dr.くれは。
年齢といい性格といい色々とデタラメな人であったが腕は世界最高峰の医者なのは確かだ。
ナミの容態を見せた途端に即座に病名を当てて、治療のために城まで連れて帰った。曰く、あと三日遅かったら命が危なかったという。
「いやー、一時はどうなるかと思ったけど何とかなったな」
「そうね……って、ウソップさん。ちゃんと地図見てる?」
「お、おう! この道であってるぞ! 進め進め!」
「心配だわ……」
雪原を滑走する橇の上。
ウソップとビビは前述の出来事を振り返っていた。
──────ワポルが戻ってきた。
その知らせを聞いたドルトンは一目散に村に戻ってしまった。あの思い詰めた表情から、彼自身もあの王様とは因縁が深いことを察することができる。
Dr.くれはの城にはルフィとサンジが付き添っている。あの二人なら、どんな敵が現れても対処できるだろうと踏み、村に残った面々は先にドルトンが戻ったビッグホーン村まで引き返している最中だ。
「ねえハジメくん。この道で大丈夫? 看板も見えないけど」
「んー、大丈夫大丈夫。人の気配があるところ目指しているから」
「良かった、なら安心ね」
「オイ、ビビー? 俺と扱い違くね?」
御者席で手綱を握るハジメは一面の雪景色を迷いなく進んでいる。
地図を見ずに慣れない雪道を通るのは自殺行為だ。
しかし、彼にとってはあってもなくても変わらない。気配に人一倍敏感な彼は、離れた場所でも察知する能力があると聞いた。リトルガーデンでもそうだったし、ここでも山から降りてくるDr.くれはの存在を見事に感じ取った。
もはやビビに疑う余地はない。頑なにハジメと別行動させないようにしたウソップの行動も充分に理解できた。
「あ、ごめん。ちょっとストップ」
「どうしたの?」
滑走する中、途中で橇が止まった。
何か問題があったのかと覗き込む。見たところ近辺で雪崩が起きたようで、至るところに針葉樹がなぎ倒されている。
おもむろに御者席から降りたハジメは膝上まで積もった雪をザクザクと踏み鳴らして突き進む。
少し離れたところで止まり、雪に手を突っ込んで引き上げると、見慣れた髪色の男が姿を現した。
「んあ?」
「Mr.ブシドー!?」
「ゾロ!? お前何やってんだ!?」
「……何って、寒中水泳だ。見ればわかんだろ?」
「アホかお前!」
上半身裸で歯ぎしりさせながら答えるゾロには似合いの言葉だった。余程酔狂な求道者でもない限り、こんな無茶な特訓をするやつなんていない。
見渡す限りの雪原、そこから一発で仲間の位置を特定する。これは特別な力を持っていることの証左になった。
『小僧、ひょっとして“覇気”が使えるのかい?』
『まあ少し……珍しいんですかね』
『そりゃあねェ。こんな前半の海で持っているやつなんて、それこそ海軍くらいしかいないってのに』
『へぇー、まあ俺はこれしか能がないもんで。へへ』
Dr.くれはとの会話を思い出す。
雪の中で埋もれていたゾロを見つけたのもこの力のおかげなのだろう。
聞き覚えのある単語ではあったものの、なかなか思い出せないビビ。何やら人の気配を感じとる力なのはわかるが……もしかしたら故郷に何か文献が残っているのかもしれない。
「ほらほら、さっさとタオルで体拭いて。橇に靴と防寒着あるから着替えて行くよ」
「悪ィな。ナミはどうなった?」
「良い腕の医者があの城で診てくれるってさ。ルフィとサンジが付き添うから俺達は戻ることにした。
あ、村から分けてもらったお酒あるから後でそれも飲んで。結構度数高いから体温まるよ」
「マジか。今飲もうぜ」
「俺は運転中だから後でね。あと何か村の方でゴタゴタしてるっぽいから多分戦闘になると思うよ。さすがに刀は持ってないけどどうする?」
「あー、仕方ねェ。敵の奪うか」
用意周到にゾロの装備を整えて橇を発進させる。
ハジメの言うとおり、戻ってきたビッグホーンではワポルたちの家来が村を制圧していた。
ああ、こうなることがわかっていてゾロを拾ったんだな、と今までの行動について合点がいった。現に、いつの間にかゾロは橇から降りて家来たちに飛びかかっていた。
「ウソップとビビはあっちの雪掘ってもらっていい? ドルトンさんが埋もれていると思うから」
「大変!? わかったわ!」
「お、おう! 任せろ!」
指差した方向に迷わず駆けるウソップとビビ。
掘ってみれば、明らかに土とは違う感触が手袋越しに伝わる。
「おーい! 見つかったぞー!」
「わかった! 皆、ドルトンさんを助けるぞ!」
「「「おおーっ!」」」
ウソップの言葉に反応した村の住民や、ドルトンに従う者たちが総出で救助にあたる。彼の人望も相まって、ワポルの家来に怯えていた人たちが全員駆け寄ってくる。
……数日前、ハジメは己の役割は雑用と自称していたが、とんでもない。
覇気とやらで危険を察知し、さらに無駄のない行動を思いつき、実行する判断力と行動力。リトルガーデンから彼の能力には驚かされてばかりだ。
「おーい! お前何やってんだハジメー!」
「雪だるま作ってるー!」
「「はぁ!?」」
明らかに無駄なことをやっていた。
こちらは村の住民たちも手伝ってくれて人命救助に当たっている中、何を呑気に雪遊びしているのかまるで意味がわからない。
……いや、待て。落ち着け。
ビビは頭を振る。
リトルガーデンでもそうだった。一見無駄なように見えて、実はれっきとした作戦なのだ。
いやしかし、共に過ごした時間の長いウソップも何やってんだと突っ込んでいるあたり、もしや本当に遊んでいるのでは?
「よしできた!」
見れば人間サイズの雪玉が出来上がっていた。
それをハジメが触ると、綿のように白かった雪玉が大砲の玉のように真っ黒に染まった。
「んしょ……何とかなれーッ!」
「う、うおおおおおおおお!!!」
ハジメが転がす度に大きくなる雪玉。
ゴロゴロと家来たち目掛けて接近していき、避ける間もなく追突する。
通過した跡には、家来の姿が消えていた。
異様な光景を目の当たりにした家来たちは、
「な、銃弾を弾くだと!?」
「なんだあの雪玉は!? 鉄球みたいに硬いぞ!?」
「スッゾオラー!」
「「グワーッ!」」
みるみる家来たちの数が減る。
ただの雪玉だったはずのものは家来を巻き込んでみるみる姿を大きくしていく。
質量は武器、ということを体現しているようだった。あれほどの雪玉を押し返すことなんて家来達では出来るはずもない。
「はあ……はあ……げほっ、おえっ、ちょっとタイム……」
「もう息切れしてるーっ!?」
無論、それを動かしている者も当然に疲れてくる。
わずか一回往復しただけでこの始末。最初ほどの速度で押すこともできまい。さすがにこれには相手も慣れて対処されてしまう。
……ただ、それが一人ではないなら話は違う。
「面白そうなことやってんな。オレも混ぜろよ」
「助かる。正直そろそろ腰キツかった。おえっ」
「結構足腰にクるな。へっ、ちょうどいい……!」
ちょうど雑兵狩りに飽きたゾロが加勢に来た。
明らかにハジメが押していたときよりも速い速度で転がる雪玉。ハジメはもはや手を添えるだけで充分だった。
家来たちは抵抗する暇もなく、誰一人残らず雪玉へと飲み込まれていく。そうして完成した雪玉は家一つを飲み込めるほどにまで育ってしまっていた。
「で、どうすんだコレ?」
「せっかくだし、記念に雪だるまにしようか。その後近くの坂に移動させて適当に転がしておこう」
「ちょっ、ちょっと二人とも! 今はそれどころじゃないと……ウソップさんも何か言って!」
「お前らァ! ウソップ様が顔作ってやったぞ!」
「「でかした!」」
「ウソップさん!?」
ワポルからこちらに寝返った医者たちによってドルトンが治療されている中、この三人はメリー号の船首を模した雪だるまを作っていた。なお、ドルトンが一命を取り留めたことがわかった後、家来たちも雪玉から救出して拘束してからはビビも普通に雪だるま作りに参加していた。
緊張感があるのかないのか。
それでも傷を負わずに勝ってしまうのだから、この一味は底が知れない。
こうしてワポルもルフィが倒し、ナミも助かり、新たにチョッパーという仲間もできた。別れ際に見た桜はチョッパーだけでなく、皆の心に深く刻まれた。
あとはカルーが極寒の海の中で溺れていたのをハジメが助けたり、助けたハジメが全身筋肉痛と風邪で寝込んでしまいチョッパーが怒ったが、まあ語るまでもないだろう。
「あれ、ビビ。看病してくれてたの?」
「……えっ」
ようやく、ビビは自身がうたた寝していたことを思い出した。起き上がってみれば、薬が効いて随分と顔色が良くなったハジメの姿が。
少し気恥ずかしくなって視線をそらす。
同時に自分でも不思議なくらいに、この一味に心を開いていたことを自覚してしまった。
察しのいい彼にはお見通しなんだろう。深くは追求せずに優しく笑っている。
むくりと起き上がり、体を大きく伸ばす。
「駄目よ! まだ病み上がりなんだから寝ていないと!」
「いやあ、そうもいかないでしょ。これから
「えっ」
「ほら、来るよ」
ハジメの視線は部屋の扉に向けられている。
耳をすませば、ドタドタと廊下を走る音。突き破られた扉から押し寄せるように三人の人間がなだれ込む。
「ハジメェ!!! 宴だァ!!! チョッパーの歓迎会とナミの退院祝いだァ!!!」
「お、おい! おれのことは良いから、アイツ寝かせてやれよ! その、歓迎会してくれるのは嬉しいけど、治ってからでいいって!」
「そうだぞ、ルフィ。ハジメだって病気のときくらいは休ませてやれ──────って何ビビちゃんの看病なんてクソ羨ましいこと受けてんだ皿洗いィ!!! 表出やがれクソッタレもう一度海に叩き落としてやる!!!」
「エエーーッ! さっきと言ってること違うぞお前!」
「……ね?」
「……ふふっ」
先を歩く少年の背中を押して、甲板へ向かう。
故郷までの道程はまだ先だ。国の情勢もまだ不安定で気が気でないのは変わらない。
けれど、自分たちは最高速度で向かっている。
空にはまん丸の満月。そして舞散る桜。
確かに、大人しく寝ているわけには行かない。
今日は何もかも忘れて、ただ笑ってみようと思った。
◇◆◇◆◇
878:名無しの海賊団 ID:eC6AvfJN+
イッチどじょうすくいノリノリじゃん
879:名無しの海賊団 ID:5XdaC5+wa
作画崩壊してて草
今こそメマーイダンスするときだろ
880:イッチ ID:oV+OwtFfi
カルー酔いつぶれたからだめだわ
あほくさ
881:名無しの海賊団 ID:9hC9WhHw8
鳥類のくせになんでアルコール飲んでんだよ
882:名無しの海賊団 ID:zxE0OZeuQ
てかイッチ戦えるやん
雑魚って言ってたの嘘かよ
883:名無しの海賊団 ID:bH2cqLMvQ
>>882
よく見てみろ
ギャグ補正で無理矢理勝ってるだけだぞ
884:名無しの海賊団 ID:2bKDhSpb8
多人数で囲まれて棒で叩かれたら何もできないもんネ……
885:名無しの海賊団 ID:O+8iAYPhD
今まで好き勝手やってたけどこれから海軍絡んでくるから派手なことできないもんな
886:名無しの海賊団 ID:8ZZAsfBRh
でも安価はするんでしょ
887:名無しの海賊団 ID:+KxR9/Blt
つーかビビといい感じじゃん
玉の輿いける?
888:名無しの海賊団 ID:IBieLvRkL
リア充しね
889:イッチ ID:oV+OwtFfi
>>887
計画通りですわタマノコシコシコシ!
まあマヂレスするといい友達程度で終わるっしょコーザくんいるし
俺NTR嫌いなンだわ
890:名無しの海賊団 ID:Q0lpH0KJq
ん?
891:名無しの海賊団 ID:9ZfKbgyxr
ん?
892:名無しの海賊団 ID:ZHrIp45YJ
あっそっかぁ……(察し)
893:名無しの海賊団 ID:hSBVzv0sE
ひらめいた
・ハジメ(イッチ)
船は降りたいけど嫌われたくないという贅沢な悩みを持つ男。雑用は勿論、索敵や指示も手を抜かず一味に貢献するあたりそういうところやぞとスレ民に指摘されるも治す気はない模様。お前本当に船降りるつもりあるの?
多人数相手にはギャグ補正でゴリ押しをする。え、雪玉は転がすと固まるから都合よく人を巻き込むことはない? 感じろ。
なおフィジカルはまるで成長していない。大体モチベーションとルフィのせい。チョッパー??? 自分より強いから全力で媚びますが???
あとNTRは苦手。
・スレ民
善良なスレ民はしっかり助言するも「やだよ」の三文字で一蹴されるせいで悪のスレ民へと堕ちていく。安価スレにされるのは相談する側のイッチにも原因があることをお前に教える。
・チョッパー
ルフィがナミサンジを抱えて山登りしなかったこと以外は原作と流れは変わらず仲間になった。
・Dr.くれは
絶対知ってると思って覇気のことを言及してもらった。若さの秘訣は冗談抜きで聞きたい。
日間1位ありがとうございます。
供養のつもりが続きを書いてしまいました。なっちゃったからにはもう……ネ……。
拙者、ドラム王国編の王女とウソ八の掛け合いが一味に馴染んでいることがわかって好こ侍。義によって視点を王女側で描写いたす。