安価で安住の地を見つける 作:ハンドルを右に
714:名無しの海賊団 ID:3rHKJFxjU
ボン・クレー
イワンコフ
イゾウ
菊の丞
ヤマト
クロコダイル
結局のところ全部ホモなのでは……?
715:名無しの海賊団 ID:Pi1yw31Bp
>>714
なんだァ、てめェ……?
716:名無しの海賊団 ID:FcQ1wIho5
>>714
失せろ(ドン!)
717:名無しの海賊団 ID:fD1ji4O3q
あまり強い言葉を使うなよ
弱く見えるぞ
718:名無しの海賊団 ID:Pi1yw31Bp
この世界のオカマは男らしいの最上級の褒め言葉
719:名無しの海賊団 ID:x0KE83PQc
>>718
そこは芯が強いと言って差し上げろ
720:名無しの海賊団 ID:T81NAgAQt
性自認と性的指向は違うんだよなぁ……
イゾウに関しては女装しているだけだし
721:名無しの海賊団 ID:S9QBTy4St
しれっとクロコダイル女の子説を提唱するのはやめろ
722:名無しの海賊団 ID:Qt1ZXvLXk
ヤマトに関しては他の属性が強すぎる件
723:名無しの海賊団 ID:/yOa/LGAE
高身長アラサー巨乳鬼っ娘ボクっ娘無知ケモ反抗期箱入りお嬢様おでん
属性ペガサス盛りキメラやん
724:名無しの海賊団 ID:I4fVbaSb1
>>723
天才かな?
725:名無しの海賊団 ID:uZKgXK5pH
>>723
属性おでんとは
726:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
やばいやばいやばい死ぬ死ぬ
727:名無しの海賊団 ID:yHHUR4r4M
君もおでんにならないかい?
728:名無しの海賊団 ID:gpxfVacHt
その覇気(だけ)練り上げられている
至高の領域に近い(なお他)
729:名無しの海賊団 ID:POpqTGvOO
>>726
あれ、イッチじゃん
730:名無しの海賊団 ID:1X/AW+AXd
まーた死にそうになってんのか
731:名無しの海賊団 ID:yJO/TXfWN
いつものことじゃん
732:名無しの海賊団 ID:MSHqP0rl5
今どこらへん?(定型文)
733:名無しの海賊団 ID:lMGd9j7E6
はいはい覇気の訓練
734:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
>>732
ワニ到着したタイミングで起きたんだけど
・ワニ、黒幕だったことを暴露
・広場全体に流砂展開して皆逃げられない
・機を窺っていたら発見されて攻撃される←今ここ
735:名無しの海賊団 ID:Pi1yw31Bp
死んだな
736:名無しの海賊団 ID:GsMiyPNAG
じゃあな!
737:名無しの海賊団 ID:Hw2A9A6D8
黙祷
738:名無しの海賊団 ID:mwS/cNd0m
ち〜ん(笑)
739:名無しの海賊団 ID:dDVT0gVkI
ワニさん顔真っ赤になってそう
740:名無しの海賊団 ID:Jxb4X9wcx
爆弾で国王を脅迫する方針にしたのなクロコボーイ
741:名無しの海賊団 ID:b4OAJSKvy
ルフィは?
742:名無しの海賊団 ID:Oh0UbRKFl
>>741
多分ペルと一緒にアルバーナ向かってる最中だろ
海軍も同じく
743:名無しの海賊団 ID:55xry35q7
あっ……チャカの奮闘とツメゲリ部隊があれこれしたシーン丸々カットされてるからァ……
イッチがその分時間稼ぎしないといけない……ってコト!?
744:名無しの海賊団 ID:PZt6e/qA8
>>743
フ!(嘲笑)
745:名無しの海賊団 ID:6Orqut3la
>>743
YES! YES! YES!
OH MY GOD!
746:名無しの海賊団 ID:/H5J8ucsU
やっぱりテーマソング熱唱したのが悪いんや
747:名無しの海賊団 ID:S4rYHPC2L
>>746
あれやらなきゃまだどこかに隠れるくらいの体力はあっただろ
748:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
ギャーーーー!!!! フックの針出してきたああああああ!!!!
逃げろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
749:名無しの海賊団 ID:tvGNpAN/1
毒使う気マンマンで草
750:名無しの海賊団 ID:MEjZFrzuH
そりゃ(ここまで計画無茶苦茶にした奴がいれば)そう(毒でも何でも使って確実に殺す)よ
751:名無しの海賊団 ID:zNE4PboYk
放っておくとさらに掻き回される危険あるもんな
752:名無しの海賊団 ID:N9MTGdrsI
よかったなイッチ
船長より先にクロコダイルから認められたぞ
753:名無しの海賊団 ID:F/C45Bukk
お前だけは簡単に死なさんぞ……!
754:名無しの海賊団 ID:dWfDQPl1D
逃げるんだぁ……
755:名無しの海賊団 ID:KxiOMZdAn
勝てるわけがない!
奴は伝説の王下七武海なんだぞ!
756:名無しの海賊団 ID:1X/AW+AXd
もうダメだ……おしまいだぁ……
757:名無しの海賊団 ID:gDJD3nWMM
これではマスク・ド・アラバスタの名が泣くな!
758:名無しの海賊団 ID:aJ7157+0n
腐☆腐
地獄に行ってもこんな面白い殺戮ショーは見られんぞぉ
759:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
いいや! これは『勝つため』の逃走だ!
ルフィが来るまで時間かかるなら俺がこっちから向かってやる!
760:名無しの海賊団 ID:Hw2A9A6D8
どこへ行くんだぁ?
761:名無しの海賊団 ID:JMPPw/A6V
おーおー体力うんち野郎が足掻きなさる
762:名無しの海賊団 ID:eTpvx6SsU
こんな時にウルージさんがいればワンパンなのにな
763:名無しの海賊団 ID:evHyaYb6J
戦わずしてカイドウを自殺に追い込む男と比べるのはNG
764:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
誰か助言頼む!!!!! マジで死ぬ!!!!!
765:名無しの海賊団 ID:bOf/sREzM
やだよ
766:名無しの海賊団 ID:YyuBBPpnB
やだよ
767:名無しの海賊団 ID:yHHUR4r4M
大丈夫大丈夫
768:名無しの海賊団 ID:VLNOC0emo
生き残るのは確定濃厚バレバレ
769:名無しの海賊団 ID:yaKAIqw5X
死んでも生き残ってもまあ楽しかったからいいじゃないか
770:名無しの海賊団 ID:dmnaYZ6mY
やだよがまわりまわってイッチにかえってきてる
771:名無しの海賊団 ID:IAAMSbJTJ
人の心とかないんか?
772:名無しの海賊団 ID:F/C45Bukk
どうしても助かりたいなら……“
773:名無しの海賊団 ID:2As1V6cYa
もうこのスレ民の動かし方なんてあれしかないのわかってんだろ?
774:名無しの海賊団 ID:jI8DV89b1
さあ来いよ! “高み”に!
775:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
うおおおおおおおおおおおお!!!!!
クロコからの逃走方法!!!!
>>776
>>777
>>778
>>779
>>780
>>781
>>782
>>783
>>784
>>785
>>786
>>787
>>788
>>789
>>
776:名無しの海賊団 ID:s/oTO5E6S
草
777:名無しの海賊団 ID:LI8rYd4QG
途中送信してて草
778:名無しの海賊団 ID:DG5U6Kqk9
必死過ぎて草
779:名無しの海賊団 ID:Wf/0SZlQd
大盤振る舞いじゃんww
780:名無しの海賊団 ID:d9oCI8Uro
全部やる気かこれwwww
781:名無しの海賊団 ID:uZKgXK5pH
なりふり構っていられないよなwww
782:名無しの海賊団 ID:H0oLwqHXz
こんなの安価スレじゃないわ!
ただの助言スレよ!
783:名無しの海賊団 ID:472B5NarE
>>782
だったらアドバイスすればいいだろ!
784:名無しの海賊団 ID:1WxiqSkQY
>>782
元々安価スレじゃないんだよなぁ……
785:名無しの海賊団 ID:ypp7cdTFa
ずっと安価渋ってたのにえwww
悔しいえwwww
786:名無しの海賊団 ID:r9bvd1cCh
(命かかってるから)多少はね?
787:名無しの海賊団 ID:F/C45Bukk
そんなに怖いか? クロコダイルが!
788:名無しの海賊団 ID:bGoCucOoe
>>787
腕に掴まれたら水分吸収されて死
毒あるからフック掠っただけでも死
怖いに決まっているんだよなぁ
789:名無しの海賊団 ID:GvmtJu5rA
あ
790:名無しの海賊団 ID:s4dWEZmTD
安価終わったぞwwwww
791:名無しの海賊団 ID:PupQfKJf2
どうするwww
792:名無しの海賊団 ID:g1AEeXN9/
雑談で終わったなwwwww
793:名無しの海賊団 ID:/E9oQykcJ
安価ですら助けてもらえないの本当もう森生える
794:名無しの海賊団 ID:b5wDI6sIK
>>789
ここマジ悪意しかないだろwww
795:名無しの海賊団 ID:Pbawyi7SS
>>793
これには緑牛さんも安堵
796:名無しの海賊団 ID:GvmtJu5rA
正直すまんかったあます
797:イッチ◆oV+OwtFfi ID:hrSlOhN41
うわあああああああああああああああああああああ
798:名無しの海賊団 ID:KFRV6Ei5B
いやこの安価の取り方はイッチにも責任は……いやスレ民が悪いな
799:名無しの海賊団 ID:5oIBVudxs
プルトンの存在をチラつかせて無理矢理会話のテーブルに立たせろ
それで時間稼いでルフィ到着まで待て
800:名無しの海賊団 ID:TS03ZYf8z
なんとか水源探してクロコにぶっかける
少なくとも動きは遅くなるからな
801:名無しの海賊団 ID:J+Uq7Sn1a
戦い終わった仲間と合流するか
ウソップとかいればギャグ補正でワンチャン生き残れるかもよ
802:名無しの海賊団 ID:fBGX4k+R+
止まるんじゃない! 犬のようにかけ巡るんだ!
803:名無しの海賊団 ID:BkQ2MtH3H
遅い遅い遅い
804:名無しの海賊団 ID:V1y9RXjBt
>>799
>>800
>>801
もっと前に書いとけーーーー!!!!
805:名無しの海賊団 ID:DVijIUKGh
茶番が長いんだよォ!
806:名無しの海賊団 ID:HbFqoKdUU
イッチ大丈夫か?
807:名無しの海賊団 ID:t8z0wcRa1
生きてる?
808:名無しの海賊団 ID:29svsTaBn
反応して♡
・
・
・
819:名無しの海賊団 ID:pVDVxUmlk
イッチの霊圧が……消えた?
820:名無しの海賊団 ID:PupQfKJf2
マジで反応ないぞ
821:名無しの海賊団 ID:bGoCucOoe
え、マ?
822:名無しの海賊団 ID:LIKwB329b
ひょっとして本当にマズイ感じ?
823:名無しの海賊団 ID:yaKAIqw5X
スレ民のせいでイッチが死んじゃったァ……
824:名無しの海賊団 ID:Pi1yw31Bp
うせやろ???
825:名無しの海賊団 ID:9euq9lDXZ
あいつ死におったwwwww
826:名無しの海賊団 ID:WxUad5xHa
>>825
人が死んでるのに何ヘラヘラ笑ってんだよ!!!
827:名無しの海賊団 ID:teNPHnzO5
俺は信じてるぞ
◆◇◆◇◆
アラバスタ王国の内乱の構図は二度変わった。
初めは国王軍と反乱軍の戦いだった。
しかし、それは首都アルバーナに攻め込まれた時点で国王コブラ自らが降伏の意志を示したことと、安物のマスクを被ったなんだかよくわからない奴によるリサイタルにより膠着状態になる。
その後すぐに駆けつけた護衛隊隊長イガラムが、この内乱の真相を語った。
たった一人の海賊、それもこの国のヒーローとも言える者が、この国を乗っ取るための陰謀だった、と。
「嘘だろ……」
「クロコダイルがそんなことをするはずが……っ」
いかに荒唐無稽な話のように聞こえようか。
だが、生贄のように差し出された国王軍内にいた
「だ、騙されるな! これは国王が罪をなすりつけようと──────」
「その腕の刺青、ここに拘束されている者と同じように見えるが?」
「……くそっ!」
こうして反乱軍側にいるスパイの存在も示唆された。
見つかるのも時間の問題だと形振り構っていられなくなり、彼らは逃走を試みる。
それを抑える反乱軍及び国王軍……否、アラバスタ王国の者たちとの対立へと変化した。
そして、二度目の変化はすぐに起きる。
「……おい、どういうことだ? 予定では既にこの広場は戦争の真っ最中になっているはずだが?」
「クロコダイル!!!」
睨み合っている中、全ての元凶が現れた瞬間だった。
宮殿の門の上に立つクロコダイルに全員の視線が集まる。
「……よくも我が国を嵌めてくれたな」
コブラは宿敵に対して隠すつもりもない敵意を向ける。
他の者たちも驚愕、疑問……と言った感情が窺えた。
クロコダイルは周囲を見渡す。
この場にいる
これらだけで彼は悟った──────己の計画の破綻を。
「……ハァーッハッハッハ!!!!
なるほど、全て知っているということか。ああそうさ、この内乱は全てこの
高らかに宣言するように自白する。
この瞬間から、対立構造はアラバスタ王国と
「ようやく正体を表したな、海賊め」
「ああ、俺は所詮“海賊”だ。だが、その“海賊”を英雄だの何だの持て囃したのはこの国の民衆たちだ。そして、それに甘えていたのは他ならぬ王国だ。違うか?」
「……っ」
コブラは黙るしかない。
実際、娘がこの危機を知らせてくれるまで気づくことすらできなかったし、あの謎マスクがいなければ内乱はかつてない規模にまで膨れ上がり、多くの国民が犠牲になっていた。
無意識なのか旗の柄を握る力が強くなっていた。
怒りは勿論のこと、言い返せない己の無力さと弱さ。その心中は余人では計り知れないほど複雑に違いない。
「本当はこのまま英雄ごっこを続けてやろうとも思ったが……いいだろう、お前たちに免じてここからは“海賊”らしくやるとしよう」
門から降りてきたクロコダイルは右手で地面に触れる。
一瞬、体が宙に浮いた。
まるで地面が揺れた感覚は、決して錯覚なんかではなかった。
「あ、足が!!!!」
「出られねぇ! 何だよこれ!?」
アラバスタでは縁がないため彼らには例えようがないだろうが、地面が雪のように柔らかくなった。
この場にいる人間は例外なく膝上まで沈む。いや、人だけでなく建物をも飲み込み、藻掻けば藻掻くほどに身を取り込まれる蟻地獄だ。
「クックック……安心しろ、この広場一帯の地面を柔らかくしてやっただけだ。変に動かなきゃ沈みやしねぇさ。広さは大体──────5kmってところか?」
「貴様ァ!!!!」
「ほう。その反応、やはり爆弾のことも知っているようだな」
「爆弾!?」
この場にいる者全員の視線が集中する。
ざわつく様子を見て、クロコダイルはさらに笑みを浮かべる。
「おっとしまった。これはまだ口にしてはいけなかったか?」
「くっ……」
「ククク、教えてやれよ王様。それとも、もうここまできて何でもありませんなんて言えるかな?」
コブラは視線をチャカたち近しい配下を見る。
一同は、目を閉じて首を縦に振った。
……やむを得ないか、とばかりにコブラは衝撃的な事実を告げた。
「っ……午後4時半、この男は広場に砲撃する段取りをつけている!」
「なっ……!」
「そうさ! 花火みてぇなチャチな威力じゃねぇぞ! この広場は間違いなく消し飛ぶことになる!」
一瞬の静寂は嵐の前の静けさだったか。
「「「うわあああああ!!!」」」
動揺と悲鳴が爆発する。
ある者は脱出をしようとして、みるみる流砂に囚われ。またある者はここから抜け出そうと、他人を足蹴にする。
このように暴露すれば死の危機に瀕した皆がパニックに陥ってしまう。故に、彼から存在を知らされた際にはチャカと言った近しい者たちにしか存在を教えなかった。
かと言って、あのまま沈黙を貫いてはせっかく味方になった反乱軍たちの不信感を買ってしまう。
苦渋の決断をさせられたコブラは、当のクロコダイルを一層睨む。
狙い通りになった奴は混乱に陥る群衆たちを見下し、嗤っていた。
「…………」
だが、クロコダイルの心中も決して晴れやかなものではない。実際、咥えていたはずの葉巻はくの字に折り曲がってしまっていた。
爆弾が残っているのは幸いだったが、それ以上に腑に落ちないことが多すぎる。
まるで計画の全容が筒抜けになっているような状況。
一瞬、
……内通者という線は薄い。普通に考えて、
であれば、残りの線は──────
「そこでじっとしてもらおうかコブラ王。この場にいる者たちの命はお前の判断に委ねられることになる──────
「ぐおっ!?」
城壁の影に隠れていた伏兵に向けて砂の刃を放つ。
幾百の兵が攻め入っても砕けない守りは瞬く間に切り刻まれる。
左腕を掠っただけで辛くも避けられたようだが、受け身すらとれず無様に転げ落ちる。尻餅をつく男の焦りは、趣味の悪いマスク越しからでも見て取れる。
「Mr.プリンスか、それとも“覇気使い”か。
さァ、お前はどっちだ?」
「はあ、はあ……ま、マスク・ド・アラバスタだ。覚えておくといいワニ野郎。フッフッフッフ!」
クロコダイルは眉を顰める。額には確かに青筋が走っていた。
このやり取りだけで確信したからだ。
目の前のこいつが
「いいだろう、てめェは直々に殺してやる」
右手に握っていた葉巻を一瞬で砂へと姿を変える。
彼の象徴たる左腕のフックの針。刀の鞘のように黄金の針を手前に引くと、銀色の針が姿を現す。
針から滴るそれはまぎれもない毒。
掠るだけで致命傷になり得るクロコダイルの切り札だ。
「……はっ、やだよ。そんな終わり方ゴメンだ!」
「お前!?」
「逃がすと思ってやがるのか!」
マスクの男は西側に向けて走り出し、それをクロコダイルが追いかける。コブラとチャカは止めようとしても、足が囚われていて動くことができない。
彼の意図は察することはできた。
自分がクロコダイルの注意を引きつけているうちに爆弾を止めてくれ、と。
余裕がないにもかかわらず、あからさまな挑発をする理由などそれしか考えられない。
「くそっ!」
だが、文字通り身動きが取れない今のコブラたちにできることと言えば、この地獄に囚われた国民たちを鎮めることくらいだ。
無謀な賭けに出てくれたはずなのに、それに報いることすらできない。助けられてばかりな自分たちの無力さを痛感するしかなかった。
「なんだよこれ……」
「な、何があったの?」
ビビたちが到着した頃には、広場は既に阿鼻叫喚に包まれていた。
あれほど栄えていた街並みは廃墟のように傾き、沈もうとしていた。
「ビビ様!」
「イガラム! どうしたの!?」
見れば、下半身が地面に沈んだイガラムがいた。
気づいたのを確認すると、そのまま両手に抱えたそれをコーザに向けて投げ飛ばす。
それがカッパだと確認すると、傷が痛むのを我慢しながら慌てて彼を受け止める。
「大変なんだ! クロコダイルが!」
「この広場にいる皆を爆弾を撃ち込んで吹き飛ばそうとしています!」
「なんですって!?」
「コーザ! その子とビビ様を連れてどこか遠くへずもももももも……」
「イガラム!?」
動き回ったせいで身を囚われ、言い終わる前に顔まで砂に浸かってしまうイガラム。
この砂地獄の中には反乱軍も国王軍も、そして
そして、自分の父とチャカの姿もあった。
「クロコダイル……!」
せっかく内乱を止められたのに、今度は直接国民の命を奪おうとするのか。
だが、裏を返せば奴自身も後がないことを悟っている証拠だ。確実に奴を追い詰めていることは間違いない。そう考えればほんの少しだけ溜飲が下がった気がした。
ビビは他ならぬ怨敵を探すと、その姿はすぐに見つかる。
奴は父を眼中に留めず、街の西側へと逃げる誰かを追いかけていた。
「“
「うおおおおおおっ!?」
巻き上げられる砂嵐と宙に舞う一人の男。
ビビは遠目で見てもわかる特徴的なマスクに見覚えがあった。
『え、これ? 宴会芸用のグッズだけど』
『なんでアンタがいてそんな無駄遣いすんのよ!?』
『だって無駄遣いじゃないから』
『ふんっ!』
ナノハナで買い出しに出た
深刻な顔をしながらそんなことを答える彼に、ナミが顔面にパンチしてめり込んでしまったのは記憶に新しい。
「“
「かはっ──────!」
空中で無防備な状態に砂の刃が振りかざされる。
首につけていた国旗が
左腕に巻いていた包帯も切断され、砂嵐の中に消えていった。
『よし! とにかく、これから何が起こっても左腕の“これ”が仲間の印だ!』
上陸する前のルフィの言葉が反響する。
ただ血が滲んだだけなのか、それともただの傷なのだろうか。彼の腕には
「お願い、コーザ! 私をクロコダイルのところへ連れていって!」
「ば──────何言ってんだ! そんなことしたら俺たちも巻き込まれるぞ!」
「早くっ!」
「……ちっ、直線距離で行くと砂に巻き込まれる! 周り込むぞ!
お前は巻き込まれていない連中を見つけて、砂に囚われているやつらをロープで引っ張ってやれ!」
「う、うん! わかった!」
ビビの必死な懇願には折れるしかなかった。
コーザはカッパを置き、円形に広がる流砂の縁を沿うように馬を走らせる。
ビビは、前に座るコーザの衣服を強く握りしめていた。皺どころか、そのまま破いてしまいそうだ。
王国軍の遣いがイガラムを迎えに行っていた時点で薄々期待していた。何せ、ビビの手紙にイガラムの安否については書いていなかったからだ。にもかかわらず、迎えに行かせられる人間なんて、それこそ
もっとも、その期待は多大な不安へと反転してしまっていた。考えれば考えるほどに、己の予感が正しいことを思い知らされてしまう。
──────死体を見るまで死んだなんて信じてたまるか。
辿り着くまでの数分間、彼から教わった言葉を何度自分に言い聞かせただろうか。
しかし、彼女は知っている。
この世界の現実はいつだって──────非情なことを。
「……来たか、ミス・ウェンズデー。コーザ」
「クロコダイル!」
「
口火を切ったのはクロコダイル。
ひと仕事を終えた後のように、新たな葉巻を咥えて火を灯していた。
「勝利を確信させた隙に死角から硬化させた糸を忍ばせて絞死を狙う。
手段は悪くねェが、忘れていたわけでもあるまい──────“覇気”は決して“能力を封じるものじゃねえ”ことをな。
残念だが、肉体を自在に変化させられる
ムカつく野郎を思い出した、と首元を触りながら独りごちるクロコダイル。特に傷はついていないのはコーザからは見えるが、ビビはその姿を直視ができない。
見たくもないし、聞きたくないとばかりに視線を下に落として首を振るばかりだ。
「チッ、ここに来て小娘になるとはな」
張り合いがねェ。
そんな吐き捨てる言葉とともにクロコダイルから何かを投げつけられた。べちゃり、と投げられた先はコーザが乗る馬の足元。
──────お前のせいで、こいつはこうなったと。
間違いなく、ビビへと見せつけようとする意図があった。
丁寧に外された青いはずのマスクはすっかり鮮血に染まり、瞬く間に足元に血溜まりが出来上がる。
肌の色は血を失っただけにしては明らかに毒々しい色へと変化しつつある。
そして、
「ハジメくんっ!!!」
変わり果てた仲間の姿を前に、ビビの悲痛な慟哭はアルバーナ中に響き渡る。
悲しいかな。名前を呼ばれたはずの男は、既に動くことはできなくなっていた。
・ ビビ
死んでないと思っていた仲間が本当に生きていてくれていたけど、目の前で殺されるという虐待コンボを食らわせられる王女。
作中屈指の鋼メンタルだから大丈夫でしょ。大丈夫だよね?
・ コブラ王
実はマスク野郎からロビンのことや爆弾の在り処までしっかり教えられているが、余計なことを口にして予定を早められても困るので口を噤んだ。
結局ペルが来ないと解決しようがないため、Mr.7たちはそのまま刺激せずにしている。
・ サー・クロコダイル
ビビ虐おじさん。アラバスタ虐待おじさん。
ここまで計画を無茶苦茶にされて勝ったなんて言えるわけもなく。毒針を使ってまで殺しに来たのは覇気を警戒したのは勿論だが、知略で上回られた彼なりに海賊として敬意があったのかもしれない。
アラバスタ軍事国家計画は半ば諦めて古代兵器の取得にフォーカスして目的達成に臨む。プルトンさえ手に入れられれば海軍も敵じゃねンだわガハハ。
・ ミス・オールサンデー(ニコ・ロビン)
取引して見逃した男が良い意味でも悪い意味でも想像以上の働きをしているため、どちらに着くか決めかねている模様。
平然とした顔で不干渉を貫いているが、内心穏やかではなかったりする。
・ 麦わらの一味の皆さん
基本的に原作通り。
船長は隼に乗ってリベンジしに向かっていて、他の仲間たちもエージェントたちを倒して集合しながら宮殿へ向かっている。
・ スレ民
惜しい人を無くしてしまった。
次のイッチはもっと幸福に安価することでしょう。
・ハジメ(イッチ)
イッチは激怒した。
必ずや、あの邪智暴虐のスレ民とついでにワニ野郎を根絶やしにしなければならぬと決意した。
今回ネタ少なめで申し訳ないっス。
そろそろ風呂敷を畳みにいく準備をしないといけないなァ……なんてネ……