「助けて…」
薄く暗い場所で女性は声をからしながら誰に届くかわからい助けを求めた。
身体は縛られ壁に張りつけられており、明らかに異常な光景が広がっていた。
辺りには無数の糸が張り巡らされていて触れれば簡単に張り付き取り除くのは困難であろう。
だが問題なのはそれはそのどれもが人間が作った紐ではなく蜘蛛の糸でできた場所で女性はとらわれていたのだ。
チラッ
っと女性は下を覗き込む。
そこにあったのは倒れている男性で先程までは女性と一緒に吊るされていたのだが今は倒れていて意識もない。
女性は男性がナニカに身体を弄られてしまったのを見てしまった。
そのナニカはこの場にいる二人を攫ってこの蜘蛛の糸で縛り上げてこの蜘蛛の巣を作り上げた。
そして…
パキッ…パキッ
「………え?」
男性の身体から、パキパキと割れる音が聞こえる。
どうして男性の身体からそのような音が聞こえるのかわからず注意深く覗きこむとそれは直ぐに分かった。
男性の身体から…いやもっと正確には中から何かが生まれようとしていた。
身体が割れ、中から柔らかいあ人間の肌とは見えない昆虫のような身体がみえそれが最終的には男性の身体から飛び出る。
「…!?…ひ…」
出てきたのは人の形をした蜘蛛の化け物。
目の前に出てきた怪物に女性は恐怖で悲鳴を漏らす。
「……?」
女性の声に反応して蜘蛛の怪物が振り向く。
「シャー…」
「い…いや…」
だらだらと口からよだれを流しながらゆっくりと近づいてくる。
女性の脳内では何をされるのか分かり切っていた。
「…助けて!」
大きな声で助けを求める。
が蜘蛛の怪物は一歩…また一歩と歩きそして。
…ちゃぷん…
「…ギ?」
足元から伝わる冷たさに気付き見ると、足元…床一面が水で埋め尽くされていて水位もどんどん上がっていき怪物の足首まで上がる。
何が起きているのかわからず怪人は後ろに後ずさり一歩下がる。
「…ギィ!?」
突然怪人が水の中に落ちていく水は浅いはずなのに中は深く怪物は溺れ、水の中でもがいているとその水の中に何かを見つける。
その姿はアームドスーツに包まれた人の姿をした者で顔はサメの形をした仮面で隠れていた。
それはだんだん怪物に近づいていきそして怪人とぶつかる。
ドォ!!
「ギィィィ!!?」
水の中から怪物が飛び出していき外にはじき出される。
「え?何?…」
突然目の前で起こった事に女性は何が起きているのかわからず、怪物が水の中に潜って行ったと思ったら今度は別の所で先程の怪物が悲鳴を上げている声が聞こえわからず困惑していると水の中からもう一人仮面の人現れる。
仮面の人が女性の方に向けばすぐに腕を伸ばして蜘蛛の糸を引きちぎり女性を抱き上げる。
「大丈夫?」
「…は…はい」
抱き上げた仮面の人から聞こえた声は若い男のような声で女性は他の人の声を聞いて安堵し、頷く。
「直ぐに此処からでるよ。ちょっと息止めてて」
「…え…」
そういうと仮面の男は女性の口を手でふさぎ水の中に潜りその場から消える。
「…よっと!」
そして直ぐに別の場所から飛び出ると先ほどの怪物が飛ばされた場所に仮面の男と女性が飛び出る。
「え!?私今、地面の中を泳いで…え?」
「ほら、もう大丈夫だから逃げて」
「…!はい!」
着地すると女性は自分の身に起きた事を理解できず少しパニックになっているところで仮面の男が声を掛けられて我に返り、すぐにその場を離れていく。
「気を付けるんだよ~」
逃げていく女性に手を振って見送ると後ろから腹周りに糸が巻かれる。
「お!?」
それに気付くと引っ張られ、地面を引きづられる。
「おっおぉぉぉぉ!?」
引き連られていくと先ほどの蜘蛛の怪人の足元で止まり蜘蛛の怪人と仮面の男が目が合う。
「キィィァァ!」
「まてまてまて!」
口元が歪んでいくと蜘蛛の怪人の背中から四本の鋭い蜘蛛足が生えてきて足元にいる仮面の男に蜘蛛足を重ねて突きさす。
「あっぶ!」
…事はなく重なった蜘蛛足は仮面の男の足の裏で支えられていた。
「ねぇなぁ!」
仮面の男が声を荒げると縛ってあった糸の中から銃弾が飛び出し、蜘蛛の怪人に着弾する。
「ぎぃ!?」
蜘蛛の怪人が顔を抑えている間に仮面の男を縛っていた糸がほどかれ、腰にセットしていた糸の中から撃ちぬいたサメ頭の銃を取り出す。
『シャーク・ガン』
「ふん!」
照準を合わせて引き金を引き抜いて蜘蛛の怪人に撃っていくが、蜘蛛の怪人の背中から生えていた蜘蛛足で銃弾を弾き飛ばす。
「!…生まれたばかりの割には随分やるじゃんか」
自身の顔を抑えていた蜘蛛の怪人はその手を離して仮面の男に走って行く。
「じゃあこれだ…」
こっちに向かってくる蜘蛛の怪人に仮面の男は銃の後ろにある尻尾を引っ張る。
『シャッフル!』
【シャーク・ガン】の音声と共に数字が表れ2から6までの数字と鮫のマークがランダムに浮かんでその尻尾を離すと元に戻り数字が確定する。
【2】
『ダブル!ヘッド!シャーク!』
鳴り終わると同時に照準を合わせて引き金を引くと銃口から巨大な二つ頭のサメが現れ蜘蛛の怪人の腕に噛み付く。
「うぎ!?」
腕を噛まれてその場で暴れるも二つ頭のサメは全く離す様子が見られず次第に腕が噛みちぎられる。
「あぎぃぁぁぁ!!!」
腕をちぎられて痛みに悶え、その瞬間を逃さまいと仮面の男がベルトに付いているサメの顔をしたドライバーに手を添える。
「さぁ、サメる前に終わらせようか!」
仮面の男が告げるとサメの顔に手を押し当てる。
『シャーク・インパクト!』
ドライバーから音声が流れると不気味な音楽と共に仮面の男の周りに水があふれだし水の中から巨大な半透明のサメが仮面の男を包みその上を泳ぐように蜘蛛の怪人に迫っていく。
不気味な音楽もだんだんと激しくなりそして仮面の男が飛び上がると半透明の巨大サメも一緒に飛び上がり、蜘蛛の怪人に噛り付きそのなかで仮面の男の蹴りが蜘蛛の怪人をとらえる。
「ライダー、キック!」
仮面の男と蜘蛛の怪人が水の中に消えると数秒後にまた仮面の男が飛び出し、そして水中から大きな爆発がおきて水しぶきが上がる。
「…ふぅいっちょあがりっと」
仮面の男が呟くとドライバーにセットされていたサメ頭が離れ仮面の男の姿が変わり一人の青年に戻っていく。
サメ頭が形を変えると小さなサメの身体に戻り青年の周りをぐるぐると回っては肩に乗っかる。
「お前もお疲れ様、今日はごちそうだから早く帰ろうぜ」
青年が呟くと小さなサメもうなずいて青年のフードに潜り込んでゆらゆらと揺れながらその場を離れていく。
しばらくして助けられた女性の証言から助けてくれた仮面の男を世間は仮面ライダーと呼称されていきその街で仮面ライダーサイラとなる青年【海藤翼】は人々を襲う怪人【モンスター】と戦っていく。
「…俺もバイク欲しいいいいいい!」