駄作です。初心者の作品なんか読みたかねーよ、って人はブラウザバックを。
どうなっているのだろう。
俺は高校からの帰り道で一瞬、痛みを感じた後で、気がつけば空中に浮かんでいた。そして足元に視線を移すと、自分の体が見えた。そう、足元に自分の体が見えるのだ。
しかし、その胴体を鉄柱が貫いていた。この場所の横には工事現場があるので、作業員が何らかのミスをして、鉄柱がここまで飛んできた上に俺の体を貫いたのだろう。
鉄柱に貫かれた俺の体からは止めどなく血が流れ出て、流れ出た血が小さな水溜まりを作り出していた。
この惨状に気づいた人が病院に連絡を入れて救急車を呼んだようだが、この出血量では助かる見込みは無いに等しいだろう。第一、こうやって自分の体を見下ろす俺がここに居る訳だし。
それにしても、自分が死んだはずなのに、どうしてこうも冷静でいられるのか。
「そこんところどう思います?」
「何がです?」
俺は同じく空中に浮かんでいた白くてフサフサした羽の生えている女性に聞いてみた。見た目的に天使と呼ばれている存在なのだろうな。彼女は俺の質問の意図をつかめず、頭に”?”を浮かべている。
「いや、どうして俺は冷静でいられるのかなって」
「ああ、それですか。自己防衛本能ですよ。自分の死体なんて見たら精神崩壊してしまいますからね。本能的に自分の死体を見ても冷静に、客観的にいられるようになっているのです。人間の体って面白いですね~。不思議がいっぱいです」
別に、死んだ後に精神崩壊しても、なにも困らないんじゃないかと思ったりもするが、そこは敢えて言わないでおく。
「ああ、いけません。こんな話をしに来たんじゃないんですよ。実はあなたに神様からのお呼びだしがあるのです」
「俺が生前になんか厄介なことでもしたって言うのか?俺は良くも悪くも平凡な男だったぞ?」
「さあ?私も呼び出しの理由を聞いておりませんので何とも言えません。あ、とりあえず私に着いてきてください」
そう言って、天使は空中に指を向けて、エイヤッ!、と叫んだ。すると天使の指先から白いビームが出て、光輝くモヤモヤとした何かを作り出した。
何だろう、目の前で超常現象を起こされた筈なのに、出てきたのがモヤモヤとした物って・・・
あー…なんか気が抜ける。
「ほらほら、行きますよ?」
「あ、うん。自分で行けるから、手を引っ張らなくていいからね?」
俺は天使に手を引っ張られながらも、光輝くモヤモヤとした何かの中に入っていった。俺の意見は無視されたようだ。謎のモヤモヤとした何かの中は暫く通路が続いていた。白く、透明な通路だ。しかし、それ以外に何もない。通路以外は真っ黒に塗りつぶされたような感じだ。
通路を歩いていくと、10階建てのマンション程の大きな扉があり、その前で天使は立ち止まった。
「あなたをお呼びした神様はこの先におられます。くれぐれも粗相のございませんように」
「大丈夫だ、問題ない・・・と思う」
今更だけど、この天使は何で俺にも敬語なんだろう。いやいや、今は神様に集中しよう。
でもどうしよう。俺は敬語とか礼儀作法はサッパリなんだけどな。
「では、入りますね。主様!失礼します!」
俺の不安を他所に、天使は無情にも扉を開いた。10階建てのマンション程の大きな扉を片手で、だ。どこにそんな力があるんだよ。それに主様ってなんだよ。さっきまで神様って呼んでいたじゃないか。
「あーもう!ボーッとしないでください」
「おっと、ゴメンゴメン」
また腕を掴まれそうになるが、自然体を装って天使の手を避けて、奥に進んだ。
部屋に入るとまず驚いたのは、部屋の大きさだ。扉が大きい分部屋も大きかった。東京ドーム1個分はあるのではないだろうか。
家具などは特になく、部屋のど真ん中に置かれた、これまた大きな木製の机と椅子ぐらいだろう。
そしてそんな大きな椅子に座る人物も大きかった。一言で表すと、まさに巨人、だ。威圧感、存在感共に巨大である。
見た目の年齢は30歳といったところだろうか。神様だから見た目の年齢なんて宛にならないが。顔は赤黒く、少し短めの黒い髭を生やしている。
その人物はその大きな目をこちらに向けた。
「よくぞ、来てくれた。我がそこの天使の主であり、人間には神様と呼ばれている」
やはり神様だった。中々に渋い声をお持ちのようだ。しかし、その発言に俺は疑問を持った。
「宗教によって信仰する神様は違うのでは?」
人間に神様と呼ばれる存在は色々あるはずだ。
ゼウスとか、スサノオとかロキとか…たくさんあって覚えきれない。
神様は髭を手で撫でながら答えた。
「その信仰されている神は元々我だ。人間の信仰する神の数だけ、我の体から分離させた。ちなみに分身の集めた信仰は、全て我に集まっている。」
「それよりも主様。何故この人間をお呼び出しなさったのでしょうか?」
天使にとってはどうでもいいことだったようで、会話を早く進ませたい様だった。
「そうだったな。お前は忙しいんだったな。では、用件を早急に片付けようではないか」
神様は机の上に置いてあったコップを手に取り、水分補給した。あれ?何か黄色い液体・・・アレってビールじゃね?コップじゃなくてジョッキだったよ。て言うか仕事中だろ!?
「実は我の分身の内の一人がお主の情報を誤って上書きしてしまってな。そのお詫びのために呼んだのだ。本来なら我が直接出向くのが筋っていうモノなのだが、最近腰を痛めてな動くのが辛いのだ」
俺の心の中のツッコミが空しくも消えていき、神様の悲しい現実を知った。俺はここでどう反応するべきか迷った。
腰痛なら神様パワーで何とかしろよ、と言いたい。
「お詫びって何をするんd・・・でしょうか?」
「無理して敬語を使わなくてもよい。生前のお主のことは調べてあるからな」
ホレ、と言いながら、これまた大きな紙束をヒラヒラさせる神様。全ての個人情報はあそこに書いてあるのだろう。神様は神なだけあって器の大きい人のようだ。ありがたや、ありがたや。
あれ?でもこれって、俺のこと諦められてね?
俺だって、ですます口調なら(がんばれば)できるぞ。
「して、お詫びとはッ!・・・とりあえず、来世での希望について何かないか?と思ってな。来世で望むことを全て叶えてやろう。何でも言ってみるがよい」
あ、決まってないんだ。しかし、どうしたものか。そう言えば最近ハマっているゲームがあったな。確か名前は・・・東方Projectだったか。
「では、東方Projectの世界に転生したいです。能力も何かつけてもらえたら嬉しいです」
東方Projectはまだあまり知らないんだけどね。なら知っている世界を選べよ、何て言うツッコミはなしで。細かいことは気にしたらダメだよ?
「東方Project、とな?確か『~程度の能力』のやつだったな・・・ならば『森羅万象を司る程度の能力』なんてどうだ?」
「無敵ですね。もっとこう、抑えたもの、ないですかね?」
苦笑しつつ俺は言った。流石神様。スケールが違う。天使も頬をピクピクと引きつかせている。・・・あれ?怒ってる?まあ、俺ごときにそんな大層な能力を付けるのもね…
「ヌゥ・・・『流れを操る程度の能力』ならばどうだ?」
天使の顔を見た神様は慌てて別の提案をした。上下関係とは何だったか。神様の威厳とは何だったか。ツッコミを入れたら負けだろう。とりあえず天使は怒りを鎮めたようだ。良かったね、神様。
「じゃあ、それでお願いします」
一気にスケールが小さくなったが、俺にはこれ位で丁度いいだろう。強すぎる力は身を滅ぼす、とも言うことだしな。
神様は怒りを鎮めた天使を見てホッと一息吐き、再びビールに口をつける。だから仕事中だろうに。天使もツッコミ入れないし。もしかしていつもの光景だからツッコミを入れる必要性を感じていないのか。大丈夫だろうか、この主従コンビは。
「では、これより転生の儀式を行う。目を閉じよ」
急に重々しい、威厳のある声になって神様は言った。俺はそれに従い、ゆっくりと目を閉じる。当然なにも見えなくなり、神様の声が余計にハッキリと聞こえてきた。
「お主は新しい生を望んだ。我もそれを許可する。また、特殊な事例により、指定の世界へ、特殊な能力を付け、記憶を持ったまま転生を行う」
記憶も残していてくれるのか。神様のサービスに本当に感謝だな。
ヒュッ、と風を切る音が突然聞こえた後に、俺の意識が遠のいていく。遠のいていく中、神様の声が聞こえてきた。天使も何かを言っているようだ。
「第2の人生を楽しんでくるがよい。すまなかったな、これからだという、お主の人生を台無しにして」
「主様の仕事は私見張って起きますので、次は不慮の事故が起きないようにしておきます。安心して楽しんできてください」
薄れ行く意識の中で、俺は神様達がいるであろう方向に”楽しんでくる”の意味を込めて、右手の親指を立てて、”グッジョブ”のサインを送った。
さあ、第2の人生を楽しんできましょうかね。
元々は『東方 始めました』を投稿していた、トロントロンです。
間違ってアカウントを削除してしまいましたので、新しく作品を投稿しています。
主人公は同じですが能力が違うので、以前とは別の作品になるかと思いますが、よろしくお願いします。
あ、批評とか、アドバイスとか、酷評とか、貶しとか、楽しみにしてます。
別に、作者はMって訳じゃないですよ?