時臣「おや、彼自身が日本に来るとは..........珍しいこともあるものだな」
葵「あ、あと言峰さんの娘さんも一緒に来るみたいです」
時臣「え?」
あー、やっと着いた。
冬木が九州にあるってことをすっかり忘れてたよ..........。
でも、カレンがいたから疲れなんて全然感じなかったけどね。
カレン「ここがときおみおじさんのいえ?」
言峰「あぁ、そうだ」
カレン「おにんぎょうさんのおうちみたい!!」
遠坂邸をキラキラとした目で見ているカレン。
うん、まぁ、分からなくもない。
そんなことを思っていた時、遠坂邸の扉が開き.............遠坂凛(三歳)と遠坂桜(二歳)が出てきた。
凛「きれー!!きれーがきた!!」
桜「きれー!!きれー!!」
そう言うと、二人は俺の足元に抱きついてきた。
どうやら、この頃の遠坂凛は、俺のことを嫌っていないらしい。
にしても..........可愛いな。
葵「こら、凛、桜、言峰さんが困ってるでしょ」
「「はーい」」
言峰「いえいえ、私は特に気にしてはいませんよ」
葵さん..........お世辞抜きでめっちゃ美人だな〜。
葵「ところで..........その子がカレンちゃん?」
言峰「えぇ、さすがにまだ一人でお留守番はできないので、連れてきたのです」
葵「まぁ.......そうだったんですか」
まだ小さい子どもを育てているからか、俺の言葉に納得する葵さん。
凛「きれー、このこだぁれ?」
桜「だれー?」
言峰「私の娘です。さ、カレン、自己紹介は?」
カレン「コトミネカレンです!!三歳です!!」
凛「わたしリン!!よろしくね!!」
桜「さくら〜」
愛娘たちの会話を微笑ましく眺める俺と葵さん。
あ〜、ここは天国かな?
葵「ささ、外で立ち話をするのもあれですし、とりあえず入ってください」
言峰「では、お言葉に甘えて」
☆☆☆
ここは遠坂邸の応接室。
一応、大事な話なため、カレンたちは二階で遊んでもらっている。
時臣「言峰くん、わざわざ遠いところから、こんな街まで来るとは.................」
葵「お茶、飲みますか?」
言峰「ありがとうございます」
時臣「それで?何故、君が
俺はその言葉を聞いた後、紅茶を一口飲み、そして..........こう言った。
言峰「時臣師、あなたと決別するためですよ」
「「!?」」
俺の言葉に驚く二人。
そりゃそうだろう。
何せ、今の今までそんな素振りを見せていなかったのだから。
時臣「言峰くん..........君は何を言って」
言峰「あのですね、いくら後継者争いを避けるためとはいえ、R18禁のエロゲ並のえげつないことをする老害に、自分の娘を渡そうとする時臣師の考えに幻滅しただけです」
時臣「なっ..........!?」
葵「は?」
ん?この反応は..........まさか、葵さんはこのことを知らなかったのか?
葵「あなた..........今の話は本当ですか?」
時臣「あ、いや、その」
葵「あなた?」
oh.........完全に怒ってる。
てか怒ってる葵さんは初めて見たかも。
葵「言峰さん、そのことを詳しく教えてくれませんか?」
言峰「はい、実は.......」
俺は、遠坂時臣の目論みやら、間桐臓硯の正体やその行いをありのままに伝えた。
すると、今までニコニコ笑顔だった葵さんの表情が一変。
まるで般若のような顔になっていた。
葵「.....時臣さん」
時臣「ハ、ハイ」
葵「このクズ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
時臣「ブヘェ!?」
そうキレるのと同時に時臣に右ストレートをかます葵さん。
いいぞ、もっとやれ。
葵「な〜にが『家のため』よ!!あなたのワガママのために私の娘を犠牲にしないでください!!」
時臣「ケド」
葵「というか、そんな変態ジジイに娘を渡すぐらいなら..........私はあなたと離婚します!!」
時臣「は..........ハァ!?」
あーあ、とうとう出ちゃいましたか。
離婚宣言。
でも、これは100%時臣が悪いからね、うん。
時臣「し、しかしだな..........」
時臣がそんなことを言いかけた時、更に状況が悪化する出来事が起こってしまう。
凛「おとうちゃまはわたしとさくらのことがきらいなの.......?」
桜「おとうちゃま?」
時臣「あ」
そう、時臣の愛娘、凛と桜が乱入してきたのだ。
凛「わたし、ぞうげんおいちゃんのところにはいきたくないよ..........」
時臣「ち、違うんだ凛、これは」
ポロポロと涙を流す凛。
時臣は、なんとか凛を宥めようとするものの、それが葵さんの逆鱗に触れたのか
葵「あら、それがあなたの答えなのね..........分かったわ。ならせいぜいこの家で自由気ままな
と、さっきまでの般若の顔から静かな怒りの顔へと進化していた。
..........うん、女って怖い。
時臣「さ、桜はお父様のことが好きだよな!?」
慌てた様子で桜を抱き抱える時臣だったが、かえってそれが嫌だったらしく
桜「ピギャァァァ!!!!!!!」
桜はギャン泣きしていた。
葵「凛、桜、お母様と一緒に荷物をまとめましょうね〜」
時臣「え」
葵「あ?」
時臣「イエ、ナンデモアリマセン」
葵「言峰さん、せっかく来てくれたのに、お茶を出すことしかが出来なくてごめんなさい」
申し訳なさそうにそう言う葵さん。
言峰「いえ、お気持ちだけでもありがたいです。それで..........今からどこへ?」
葵「とりあえず、禅城の家に帰ろうと思うのですが.................」
言峰「それなら..........
葵「彼..........?」
言峰「えぇ、彼なら..........間桐雁夜なら何とかしてくれるはずです」
俺は微笑みながらそう言うのだった。
あ、言っとくけど悪意はZeroだからね。
遠坂時臣
遠坂家当主..........なのだが、例の一件を考えていたところ、自身の弟子である言峰綺礼にそのことをバラされるわ、葵さんにブチ切れられるわ、挙げ句の果てには娘たちから嫌われるという散々な目にあった。
ちなみに、葵さんたちが家を出た後、電化製品の扱いがわからず、毎日電化製品を爆破させているんだとか。
遠坂葵
時臣の妻にして凛や桜の母親。
普段はお淑やかなのだが、今回の一件で珍しくブチ切れ。
最終的には娘二人を連れて家を出て行ってしまった。
それ以降、『お母様を怒らせるとヤバい』ということを、幼いながらも凛と桜は学習するのだった。
遠坂凛(三歳)
遠坂家長女。
まだ言峰綺礼のことを嫌ってはいない時期。
言峰の娘であるカレンとは秒で仲良くなった模様。
しかし今回の一件で父親である時臣が大っ嫌いになる。
遠坂桜(二歳)
遠坂家次女。
まだ舌足らずでうまく喋れないプリティーガール。
姉と同じく、カレンとは秒で仲良くなった。
だが今回の一件で時臣=敵という認識になった。