英雄の孫にして革命家の息子の三兄弟   作:鈴木颯手

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若干ダイジェスト気味になってます


第13話「マリンフォード頂上戦争2」

 ついに始まった後の世で頂上戦争と呼ばれるようになるこの戦争は序盤から激しい攻防戦を展開した。白ひげの一撃から始まり大将青雉による湾内の凍結。そして両軍の戦闘。そして、王下七武海が動き出した。

 

「! へぇ、“鷹の目”が真っ先に動くのか。これは予想外だな」

 

 ノワールは動き出した“鷹の目”ミホークに驚きの声を上げる。因みに、彼の傍にいたルートは既にいない。前線に出て敵を切りまくっていた。

 そして、ミホークが自らの愛刀夜を振り下ろすと凄まじい斬撃が白ひげに向かって一直線に飛んでいく。巨体であるはずの白ひげを飲み込めるほどの強大なそれに対して一切動く事はない白ひげ。しかし、誰もが直撃すると感じた瞬間間に入るように3番隊隊長ダイヤモンド・ジョズが斬撃を受け止めた。彼は自らの能力をフルに使い斬撃を空高くに打ち上げ白ひげに与えるのを阻止した。

 

「世界最強の剣豪の斬撃を……、空に!?」

「やはり白ひげだけじゃなく隊長達も危険か……!」

 

 海兵もその離れ業に改めて白ひげ海賊団の脅威を再認識している。ここ最近目立った活動がなかったからと言って力も衰えた訳ではないと。しかし、それで海兵が諦める訳がなかった。次に大きな動きを見せたのは“黄猿”ボルサリーノだった。彼は自らのピカピカの実の力で一瞬で湾内上空に移動すると白ひげに向かって光の弾を発射する。目もくらむ眩しさに加えて一撃一撃が致命傷になりかねない弾が数えきれない程放たれた。

 

「あれが噂の……!」

 

 そしてそれすらも白ひげ海賊団は防いで見せる。防御に出たのは1番隊隊長マルコ。彼はトリトリの実モデル不死鳥(フェニックス)の能力者であり、回復に限度こそあれこの程度のダメージ等直ぐに回復出来た。それゆえに、マルコは反撃と言わんばかりに黄猿に蹴りを入れその体を吹き飛ばす。

 

「あの実、欲しいな。あれがあれば大幅な戦力強化につながる。……とは言え老いた白ひげと違って殺すのは難しいな」

 

 ノワールはそう呟きながらも戦況の流れを確認していく。未だに彼が動く気配はなく、ただただ後方で見ているだけだった。

 

「っ!? あれは……!?」

 

 そして、そんなノワールでさえ無視できない存在が登場した。それは国引き伝説と呼ばれる偉業をなした魔人オーズの子孫。それが姿を現したのである。それも白ひげ海賊団の傘下の海賊として。それは巨人族すら上回る圧倒的な体格でもって湾内に侵入するべく前進を開始した。

 オーズの子孫、リトルオーズjrはその巨体を生かして軍艦の砲撃すら受け付けずに湾内へ侵入口を作りながら進み続ける。途中、迎撃に出てきた巨人部隊すら叩き潰した彼は白ひげ海賊団の支援を受けながら湾内を驀進していく。

 

「くそっ! あんな巨大な奴をどうやって止めれば……!」

「……仕方ないか」

 

 誰もがリトルオーズjrを止める事が出来ずにいる中、遂にノワールは動き出した。彼は足に力を込めて一気に跳躍するとリトルオーズjrすら超えた位置まで飛ぶ。

 

「っ!? ノワール少将だ! 少将が動き出したぞ!」

「あのオーズの子孫を止める気なんだ!」

 

 “黒の英雄”と呼ばれ、次代の海軍を率いる存在として認知されているノワールが動く。それだけで味方の士気は大いに上がり、白ひげ海賊団は最大限の警戒を見せた。

 

「グララララ! ガープの孫か。大層な異名を持っているじゃねぇか」

「だけど親父、アイツの実力は確かだよい」

 

 白ひげはノワールをルーキーと思いつつもその実力は本物だと理解しており、それは隣にいたマルコとて同じ意見だった。

 ノワールは上空で制止すると周囲に複数の槍を生み出す。その数はどんどん増していき、やがて一つの槍として合体し、矛先をリトルオーズjrに定めた。

 

「黒の、剛槍!」

 

 リトルオーズjrの頭よりも大きいそれは、自らの巨大さに似合わない超スピードでリトルオーズjrの胸部に突き刺さった。

 

「ガッ!? アアァァァァッ!!!!」

 

 処刑台のエースに気を取られ、ノワールの攻撃に気付かなかったリトルオーズjrは諸にダメージを受けてしまい、その場に膝をつく。しかし、ノワールはそれでは終わらないとばかりに今度は10本にも及ぶ腕を出すとそれを上空で二つの巨腕へと合体させるとそれを互いに握り、リトルオーズjrの頭上に振り下ろした。

 

「黒の、剛腕!」

「っ!!!」

 

 凍った地面が砕け散り、下の海水にまで沈ませる程の威力を頭に喰らったリトルオーズjrは白目をむいて前に倒れる。巨人部隊ですら倒す事が出来なかった相手を発った二回の攻撃で沈めて見せたノワールに海兵たちは雄たけびを上げた。

 

「っ! エースぐん!」

「は!? まだ動けるのかよ!?」

 

 しかし、倒れたと思ったリトルオーズjrは最後の力を振り絞るようにエースの下に少しでもと進んでいく。そのタフさにはノワールも驚きの声を上げるがそれならばと黒の槍を生み出し、射出していく。それらは半分ほどまでリトルオーズjrの体に突き刺さっていくがそれでも歩みを止める事は出来なかった。

 

「っ! これなら、どうだ!」

 

 そして再び黒の手を合わせた剛腕による振り下ろし。リトルオーズjrの頭部にめり込むように入ったその一撃によって広場に頭をぶつけた。湾内と広場をつなぐようにして倒れたリトルオーズjrは最後までエースに手を伸ばし、力尽きるように動く事はなくなった。

 

「っ! オーズ!?」

「船長!!!」

 

 仲間がやられたという事実に白ひげ海賊団の誰もが驚くが、その中で怒りを感じつつも冷静さを保った白ひげは、その怒りをぶつけるように横から強襲してきた巨人族中将を一撃で粉砕した。

 

「オーズを踏み越えて、すすめぇ!」

「「「「「オオォォォォォォッ!!!」」」」」

 

 リトルオーズjrの位置は狙ったかのように湾内と広場をつなぐようにして倒れている。これを狙わない手はなく、白ひげ海賊団はその体の上を通って広場へと侵入していく。更に、湾頭においても動きがあり、リトルオーズjrが通って来た道を使って傘下の海賊が侵入し、それとは反対側でも砕氷船による入り口の形成が行われた。

 その様子を遥か上空から観察するノワールは口角を上げて両軍の動きを観察する。既に自分の仕事は終わったと言わんばかりに眺めている。

 

「これは……。流石はセンゴク元帥。肉を切らせて骨を切る、か……。これはハマれば白ひげ海賊団は()()()()

 

 既に海兵は作戦に向けて動き出している。その事に気付いた者は白ひげ以外ではおらず、その彼でさえ何かを仕掛けてくるとは分かっても何を仕掛けてくるかまでは分からなかった。ノワールはこれから白ひげがどう動くのか注視しようとして、

 

「……ん?」

 

上空から落下してくる一団に気が付いた。それはノワールの横を落ちていくがそれらは軍船と乗っていたであろう囚人服を着た一団だった。

 

「……まさか!?」

 

 ノワールの耳にも、インペルダウンで起こった事は報告が来ている。しかし、脱獄できたという話は来ていない。こちらに集中する為に報告が途切れているとしてもまさかこのタイミングで、それもあり得ない事に上空から乱入するとは完全に予想外だった。

 

「ルフィ……!」

 

 末っ子にして、自分たちとは違う海賊の道を歩んだ弟、ルフィの登場にノワールは笑みを深めて再会を喜ぶのだった。

 

ノワールの力

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