「ラミィさんは本当に美味しく飲みますね」
男はお酒を飲むラミィの姿を見ながら笑みを浮かべて言った。
いつから私は彼が楽しそうにしているのを見るのが好きになったんだろう。こんなに誰かの仕草や言動に感情を動かさせられるのは初めての経験で私も困惑しているのが正直なところだ。自分がここまで誰かに執着するなんて思いもしなかった。
「な、なんですか!ラミィ、なんか変な飲み方してましたか!?」
「いや、ラミィさんは普通に飲んでいただけですよ。別に変わったことはないです」
「じゃあ、何で笑顔なんですか?」
「だってラミィさん、お酒を飲んだ時昇天したような顔をするんですもん。笑わずにいられないですよ。お酒好きな人は今までたくさん見てきましたけど、ここまでの良い顔をする人いなかったですから」
私ってそんな変な顔をしているのかな。確かにお酒は大好き。一日の疲れが一瞬で吹き飛ぶような感覚がする。でも、自分が好きな人にはやっぱりちゃんとしているところだけを見て欲しい。もしかしたら、お酒のせいで私の願いは叶わないかもしれない。
「…幻滅しましたか?」
「全然してませんよ。僕はラミィさんのそういうところは好きですよ。自分の好きな物を食べたり、飲んだりしている時に表情に出る人は正直で良いと思いますよ」
「ほ、ほんとうですか?」
「うん。僕、そういう人間味のある人は好きですよ。逆に表情に一つも出さない人より出す人の方が良いと思いますよ」
彼は私の瞳を貫くような視線で見て来る。こちらが恥ずかしくなって目を外したくなるほど。私はこういう風に見つめられるのに弱い。
「そうですか…それならよかった」
「でも、お酒は程々にしてくださいね。少量であれば良薬になると言われていますが、飲み過ぎると明日に響くこともあり得ますからね」
「わ、わかってますよ」
あなたが来ているのに飲み過ぎて介抱されるなんてことは避けたいですし。でも、いつも何だかんだ言って介抱させてしまうことが多い。いつもは制御してるけど、あなたが来ている時は何でかその枷が外れてしまう。あなたが私のために来てくれたと思うと嬉しい気持ちになってしまう。
そして最終的に私は酔ってしまう。
「そうしてくれると助かります。案外、ラミィさんは酔っぱらうとかなりめんどくさいので」
「め、め、めんどくさい……」
やっぱり私は酔うと面倒くさいんだ。よく色んな人に言われることはあっても、あなたからそれを言われると傷つく。私が凹んだ事を察知したのか、あなたはすぐにフォローしてくれた。
「あ……大丈夫ですよ。ラミィさんは確かに面倒なところもありますが、それ以上にとても可愛いですから」
ラミィってなんて単純な人なんだと自分でも思ってしまうけど、あなたが『可愛い』と言ってくれただけでさっきの事を全て忘れてしまうほどに嬉しかった。
「かわいい……」
「ラミィさんは本当に可愛いですよ。たまに天然なところもあったりしますし、お酒を飲むと絡んできたりしてくるところも全て含めて僕はラミィさんのことを可愛いと思っていますよ」
彼は私の目を貫くように視線で見ながら言った。私は恥ずかしくなって視線を外してしまった。だってあんなに恥ずかしい事をラミィのことを見つめながら言ってくるんだもん。
「……///」
少し深呼吸をして落ち着かせようとしていると彼が近づいて来て、私の耳元でささやき始めた。
「恥ずかしがっている、ラミィさんも可愛いですよ」
急に彼のウィスパーボイスが耳元で聞こえてきたものだから私は驚いてしまった。
「ひゃ!」
私の反応を見て、彼は微笑を浮かべている。
「可愛いですね」
「もう『可愛い』禁止です。私のことをからかってそんなに面白いの!?」
「うん。でも、可愛いって言った事は本当だよ」
「も~~~~~~」
ラミィは彼から視線を外した。何であんなに恥ずかしい言葉を言えるのかな。ラミィだったら絶対に恥ずかしくて言うことができないのに。
「ラミィさんは本当に可愛いですね」
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