「側にいてくれ!!」
大空スバルは目の前に立っている男に向かって勢いよく叫んだ。僕はスバルが急に目の前に立って叫ぶものだから驚いてしまった。
「別にいいけど、どうしたの?」
「い、いいから来て!!」
男はスバルに引っ張られていった。男もスバルがこんな事をするなんて珍しいためか抵抗することなく連れられて行った。
――――――――――
「後ろに絶対にいてよ!!帰ったりしたら一生恨むから!!」
「分かってるよ。それが終わるまではここにいるから安心して」
「信じていいよね!信じてる!ぜっ~~たいにはなれないでね!」
言葉から必死さが伝わるほどにスバルは話していた。ここまで必死なスバルは普段の生活では見ることが出来なかった。
「でも、スバルがホラゲーが苦手だなんて初めて知ったな。それなりに長い付き合いになる方だと思っていたんだけど…」
今までホラゲー配信とかもやっていたし、別にすごい苦手な印象は受けなかったんだけどな。本当はホラーがとても苦手だったのかも。
「普通のだったら大丈夫なんだけど、今回のホラーはちょっと…」
「それにしても何でそんなに怖いホラゲーを家じゃなくて事務所でやってるんですか?家でやった方が落ち着くんじゃないかな…」
「だ、だってすぐに終わらせるつもりだったんだもん」
「怖いけど、面白いから止められなくなっちゃったってところかな」
「う、うん」
「それにしても後、どれくらい掛かるの。僕も仕事が途中だからあんまり長い間は付き合っていられないんだ」
「スバルを見捨てないで…」
ディスプレイの方を向いていた目が振り返りこちらを見ている。そしてスバルの目には大粒の涙が溜まっていた。今にも泣きだしそうだ。
「な、なかないでよ!わかった!!ホラゲーが終わるまでずっといるから!」
「ほんとうにどこにもいかないでよ!!」
こんなに弱っている大空スバルは初めて見たかもしれない。僕はスバルの後ろから見ているから少ししか見えないけど、かなり怖いゲームなんだろう。
それから三時間してやっとゲームはクリアされた。こっちもこれ以上、長引いたらさすがに帰れなくなる可能性もあるから。
「やった~~おわった~」
「クリアおめでとう」
「すっごく怖かったけど、振り返ってみればすっごくおもしろかった~」
「それなら良かったよ。僕もスバルがここまで怖がっているところを見られたからとても面白かったよ。普段はビビっているところはあんまり見れないからね」
「スバルが弱っているところを見てそんなに面白いのか~~~」
「面白いよ。普段は見えない姿だからね」
日にちが変わろうとしている時刻だというのに二人は楽しそうに言い合っていた。
続きを書いて欲しい話がある?
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ある
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ない