沙花叉クロヱは怒っている。頬を膨らませてジト目をしているのだが、その視線の先にいる人物はまるでそれを気にしていないかのように作業をしている。自分は何も意識してくれない言動に沙花叉は怒りを積み重ねていく。
「ねぇ!ねぇ!かまってよ!!」
沙花叉は男の手を引っ張りながら叫び始めた。
「今はちょっと忙しいんだ。悪いんだけど」
男の返答に沙花叉は不満を募らせていく。さっきよりも怒っているのが伝わってくる。その理由は男は引っ張られながらも自分の前のパソコンに視線を向けたままで沙花叉の方には一切視線を向けない。
「やだ~やだ~かまってくれないとやだ~~~」
幼い子供のように駄々をこね始めた。これにはさすがに男もパソコンから視線を外した。沙花叉はこうすれば男が構ってくれると分かっているのか、駄々をこね続けている。
「沙花叉。さすがに駄々をこねるのは止めてくれないか。仕事に全然集中できないからさ」
「仕事なんて止めて沙花叉にかまってよ!沙花叉はキミと一緒に過ごしたいの!!」
「一緒にいるじゃないか」
「そうじゃなくて沙花叉はキミと遊んだり、まったりしたいの!」
腕を振り回しながら沙花叉は何かを訴えている。
「そうは言っても最近は仕事が色々と立て込んでいるんだ。これに関しては沙花叉も了承の上のはず」
男の職業はイラストレーター。元々は絵が描くのが好きなだけでそれを仕事にする気は全くなかった。でも、沙花叉から「沙花叉の絵を描いてよ」と言われて描いた結果が沙花叉にとても好評で沙花叉は自慢するためにネットに投稿してしまった。
そこから彼に対する評価はうなぎのぼり。そして最終的に沙花叉のところに男へのイラストの依頼が来るようになっていった。
「そ、そうだけど…沙花叉はキミが皆に認められて、求められるのが嬉しかったから。でも、仕事のせいで沙花叉にかまってくれないんだったら仕事なんか止めてよ!」
「え……急に言われても」
「止めてよ~~止めてよ~~止めてよ~~」
沙花叉はまた子供のように駄々をこね始めた。男はそんな沙花叉を見ながら静かなため息を付いてから沙花叉の頭にやさしく撫でた。
「…な、なでられた……」
沙花叉は頭から蒸気を吹き出しながら倒れてしまった。男は倒れた沙花叉のこと一瞥して自分の作業に戻った。それから暫く経って、沙花叉は目を覚ました。
「は!ねぇ、もっと撫でてよ~~」
「さっき撫でましたよね」
「あれだけじゃ足りない。もっと撫でてよ~~」
「はぁ…本当に仕方ないですね」
それから男は沙花叉が満足するまで撫でさせられ続けた。
さすがに投稿頻度は落ちるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします!
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