「あたしを撫でてくれ」
「うん。いいけど何か意味があるの?」
「ただ、あたしが元気になるために必要なんだ」
獅白ぼたんは上目遣いでマネージャーにお願いをする。獅白ぼたんは知っている。マネージャーが上目遣いでお願いすれば断れないことを。
獅白ぼたんのマネージャーはずっと変わっていない。獅白ぼたんがホロライブ5期生とデビューしてから今までずっとマネージャーは支えてきたのだ。それほど長い付き合いになれば勿論、信頼が生まれる。
「わかったけど、獅白さんに一つお願いしてもいいかな?」
「なに?」
「僕も獅白さんのためなら何でも頑張るつもりだよ。獅白のマネージャーとしてキミを支えるつもりだよ。でも…」
「でも?」
「ちょっと最近、マネージャーとしての業務からは逸脱したお願いが多くないですか?」
獅白ぼたんはマネージャーが何を言っているのか分からないようで首を傾げている。
「膝枕をしてだとか、添い寝をして欲しいとか、手をつないでほしいとか、絶対にマネージャーの仕事の範囲外のことですよ!獅白さんに活躍してもらうためと思って今までやってきましたけど、さすがにマズイと思うんですよ」
「そんなこと気にしなくていいじゃん。あたしはマネージャーをだからお願いしているだけで見ず知らずの相手や信頼に達していない相手には絶対に許したりしない」
「いや、そういうことではなくてですね」
マネージャーは半分諦めたようなため息を吐いた。そしてそれから少し話してマネージャーは楽屋から出ていった。
マネージャーが立ち去った楽屋の中で獅白ぼたんは思う。あたしのマネージャーは何だかんだ言って甘い。デビューする時に会った時の第一印象は寡黙な人だった。多くの事を語らないし、必要最低限のことだけ口にするだけ。
でも、そんなマネージャーも時間が経過していく事に少しずつ雑談などをしてくれるようになった。自分のことを信頼してくれるようでとても嬉しかった。
ある大型の案件の前であたしがとても緊張していた時にマネージャーは優しく背中をさすりながら「大丈夫だ」と言ってくれた。
あたしはそれでとても安心できた。それから案件とか失敗出来ないものの前はマネージャーにしてもらうようになった。そしてそれが予想以上に心地よかったので、何にもない時でもお願いするようになってしまった。
彼が自分のことをどう思っているのかはあたしには分からないけど、ただ一つだけは言える。
「あたしのマネージャーがキミでよかった」
続きを書いて欲しい話がある?
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