黒上フブキは誰に対しても気を許す訳ではない。
そんな彼女が白上フブキと同じ位、信頼を寄せている人物が存在する。
これはそんな二人の物語
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「ただいま」
「お、おかえり」
「うん。忙しいのに出迎えてくれてありがとう」
男は満面の笑顔を浮かべながら黒上に向かってお礼を口にした。黒上はその笑顔を直視することをしなかった。
「べ、べつに…れいなんかいわなくていい」
「でも、態々玄関まで迎えに来てくれる訳だしね。お礼はちゃんと言うよ」
それから黒上と男は玄関からリビングに場所を移した。そしてリビングに行くと…大きな机の上に豪華な食事が用意されていた。
「まだ食べなかったの?今日は遅いから先に食べちゃっていいと連絡したのに」
「お、おまえと……」
黒上は蚊の鳴くような声で言ったこともあって男には聞き取れなかった。
「ごめん。もうちょっと大きな声で話してくれないですか」
「う、うるさい!早く食べるぞ!」
「うん。そうだね。とても美味しそうだしね」
それから食事を食べ始めた。お互いに他愛もないような話をしながら食事を楽しむ二人。そんな食事中の最中に男は黒上の顔を一瞬見て、はしを止めた。
「ちょっと動かないでくださいね」
すると男は自分の椅子から身を乗り出して黒上の頬に手を伸ばした。
「おいおいおい、やめろ!!はなれろ!!」
「少しじっとしててね」
黒上の頬はもうこれでもかと言うほどに赤く染まっている。
「おい、だからそれ以上近づいて来るんじゃねぇよ!」
「すみませんね。すぐに済みますから」
男は黒上の頬にくっついていたご飯粒を手で取るとそれをそのまま自分の口に運んだ。
「…え…///」
「どうしたんですか?あ、すみません。ご飯粒が付いていたので取った方がいいかなと思いまして」
黒上は男の方を見ながら信じられないとでも言いたそうな顔を浮かべている。そして黒上の頬はもうリンゴのように赤い。
「……な、な…なんで!お、おまえは…」
「どうしたんですか?黒上さん、少し顔が赤いようですよ」
男は別に何で黒上の顔が赤い理由が分かっていない様子だ。キョトンとしている男の姿を見て黒上はため息を一度はいてから。
「き、きのせいだよ!!」
「そうですか……」
それから三十分ぐらい雑談しながら食事をして、その後はお風呂に入ったりしてそれぞれの時間を過ごすのがいつもの日課だった。本を読んだり、テレビを見たり、仕事をしたりとそれぞれ違う場所で過ごしたりしていたのが今日に限っては二人ともリビングにいた。
男はテレビを見ていて、黒上は何かをノートに書いている。
「今日は珍しいね」
「なにがだ?」
「二人が同じところにいるなんて」
「まあ、確かにそうかもしれねぇな」
「黒上さんは何を書いているんですか?」
「これは次の休みの日の予定を考えてるんだよ。お前は仕事が忙しくてあんまり休みの日が多いわけではないからな。しっかり1日1日を大事に過ごすためにも……って…///」
何故か、急にまた黒上の顔が赤く染まりだした。
「べ、べつにお前との時間が少ないから大切にしたいとかではないからな!!」
「そうなんだ。ありがとね」
そう言いながら男は黒上のところまで優しく撫でた。
「そんなことされちまったら俺はお前のことを…」
黒上の目は獲物を狙う時の目に変わり、男は寒気がした。すると次の瞬間に黒上は男のことを突き倒した。男はその状況に頭が付いていけていない様子。
「ど、どうしたんですか?急に」
「ずっと我慢していたんだよ!オレはお前を自分のものにしたかったんだ。けどよ、お前は襲っちまったらお前はオレのことを嫌いになるかもしれねぇだろ。それは嫌だったから今までは絶対にしてこなかった」
「な…なんで?」
「なんで、そんなのお前のことを大切に想っているからに決まってるだろ!オレは会った時からお前のことを好きだった。でも、さっきみたいなことされるとオレの理性が壊れんだよ。お前の全てをオレのものにしたいっていう欲が溢れ出るんだよ。今にも襲っちまいそうだ」
「や、やめてくれ」
「逃げられる訳ねぇだろ!もうお前はオレのものだ。だから大人しくしてろ!そうしておいた方がお前のためだぜ」
「……く、ろ…」
「全部お前が悪いんだ。オレを本気にさせたのが」
その後、どうなったのかは語るまでもない。
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