マリンにとって大切な人がいる。その人は性格は少し悪いところもあるし、タバコもやるし、賭け事もする。そんな人だけど、船長にとっては恩人。この人が居たから今の自分があるんだ。もしかしたら、彼にとって船長はお荷物しかないのかもしれない。それでも船長は彼に付いていく。目を離すと勝手にどこか遠くに行ってしまうような感じが彼からはしますからね。
男はベランダでタバコを吸っている。空を見上げて遠い昔を思い出しているかのように。すると、ベランダが開く音がした。
「本当にそろそろ止めた方がいいよ?」
入って来たのは赤い髪色をして眼帯をしている女性。今や有名な宝鐘マリン。
「…いくら言われても止める気はない」
マリンは大きなため息を付きながら話し出した。
「はぁ…只でさえ色々とあるのに」
「俺の体だからいいんだよ。これで死ぬのだったら本望だ」
「私のことも考えてくださいよ。船長はキミが死んだら嫌ですよ」
「へい、へい」
「それにしてもキミはなんでいつも空を見てるの?」
「なんでって?」
「だってずっとですよね。キミと出会って二年ぐらい経ちますけど、いつも決まった時間にベランダに出て空を見上げてますよね。タバコを片手に」
気になった事を言うと男は少し笑みを浮かべてから……ただの癖だと言った。
「それよりお前がベランダに出て来るなんて珍しいな。いつも俺がタバコを吸っているとベランダで吸ってと言ってくる癖にな」
「あ、そうだ。キミに言っておかなければいけないことがあったんだった」
「なんだ?」
「明日は友達の家に泊まるので帰ってこれないんです…」
男は別に驚いたような表情を何もせずにタバコを吸っている。
「そうか。まあ、うるさいお前が居ないとこっちとしても楽でいいがな」
「も~少しは寂しがる振りでも見せてくれてもいいじゃないすか!?」
「お前はいつもうるさいからな」
「それはキミが色々と乱雑に置いたり、コンビニ弁当で全てを済まそうとするからですよ!」
男は体があんまりよくないからこそマリンはとっても心配している。元々、病気がちらしくて幼い頃は寝たままの生活をしているらしい。今ではさすがに寝たままの生活ではないのですが、全てが治ったわけではない。
だからマリンとしてはこの家を離れるのは不安しかない。只でさえ、だらしない生活をしようとする彼だからマリンが居なかったら確実にもっとだらけるから。
「大丈夫だよ…」
最後にそれだけ言って彼は部屋の中へと入っていった。
―――――――
まだ夜明けの時間帯。今日はこの時間に出ないと間に合わないから早起きをしたけど、本当にねむい。彼はまだ眠っているだろう。寝室は分かれているから彼の寝顔を見ることはできないけど。
マリンは荷物を持って家を出ようとドアの取っ手に手を掛けた時に―――――――――
「まあ…気を付けて行って来いよ……」
後ろを振り向くとそこには少し顔を赤らめながら呟く、彼の姿があった。それを見た、私は一瞬で頭がフリーズしてしまった。
だって普段はそんなことを言うような人では全然ない。それにまず、休みの日にしっかりと朝起きているのが珍しすぎる。
「……い、いってきますね!!」
彼も少しは船長のことを大切に想ってくれているということなのかな。そうだったら嬉しいな。
続きを書いて欲しい話がある?
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