「ねねのバースデーがおわっちゃう~~」
一人の少女が寝転がりながらそんなことを呟いていた。その少女の名は桃鈴ねね。ホロライブ5期生で天真爛漫な少女。小学生男子のように下ネタを言ったりすることもあるが、根はとてもいい。
「皆からたくさん祝われてとても楽しかったな……」
でも、そう言っている桃鈴ねねの顔は少ししょんぼりしていた。誕生日の人がするような表情ではない。皆から祝われたんだったらもっと笑顔を浮かべていいものだ。
「…でも……」
どんどん不満さが顔に出て来る。すると、ねねは携帯で連絡アプリを立ち上げてずっとある人との会話の履歴を開いている。携帯の画面を見つめている、ねねの顔は少し悲しそうだ。
でも、いくらねねが見ても端末は何も反応していない。新着メッセージの中に自分が望んでい人の名前がない。
「わすれちゃったのかな~~」
携帯の通知がくればいつもより早くその内容を確認する。そしてそれを確認して落ち込むのを何度も繰り返している。
時計は23時50分を指していた。ねねの誕生日が終わるまでもう10分しかない。
「はぁ……もういいや…」
桃鈴ねねは自分の携帯を手の届かない遠いところに置いた。それはもう諦めたことの証明だった。このまま待ったとしても期待の人物からの連絡は来ないという。
そして静かに作業をしている部屋に通知音が響いた。1時間前のねねなら絶対に確認しに行っていたのにパソコンの前から動いていない。もう半分諦めムードになってしまっているから。
「…………」
「…………で、でも!」
体を伸ばして携帯をつかみ取り、連絡を確認する。それと同時に時計は0時を指した。
その携帯の通知欄にはねねが望んでいた人の名前が表示されていた。
「え……」
ねねは急いでその人からの連絡を確認するためにアプリを起動した。そして彼の名前をタップするとそこには――――――――
『誕生日おめでとう』
たったそれだけなのに飛び上がりたいほどに嬉しい。こんな一言を打ってもらえるだけでここまで笑顔になるなんてねねって単純?とも思っちゃったけど、そんなことはどうでもいいよね。
「やっぱり覚えてくれていたんだ。やった~~~」
もう連絡は来ないと諦めていた、諦めるなんてねねらしくないけど、今回に関しては彼が覚えていてくれるかは運だったから。ねねがどんなに祈ったとしても彼が連絡してくれるかは分からないから。
「覚えてくれていたというだけで…うれしいな~~」
そう呟いた、ねねはとても良い笑顔を浮かべているのであった。
続きを書いて欲しい話がある?
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ある
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ない