ポルカは救われた。この年、ポルカは自分の道について色々と考えていた。本当にポルカはこのままでいいのだろうかと悩んでしまった。そんな時に出会ったのが彼だった。適当に配信サイトを流し見していると…ポルカの目に一つの動画が目に留まった。別にとてもすごいサムネなわけじゃないのに……興味を引いた。サムネを見ると、どうやらラジオをやっているようだ。ポルカは携帯に手を引き付けられるようにその動画をタッチした。
そして流れて来る動画。今、ちょうどやっていて所謂、生放送。
試しにポルカは十分ぐらい聞いてみることにした。時間に余裕もあるし、ちょうど暇つぶしになるような事を探しているところだったから。
そしてポルカは時間が気になって確認すると見始めて一時間以上が過ぎていた。
「……ちょっと………なにこれ、全てがいい!声も好きだし、話も上手い。何よりも聞き手を楽しませているし、次も聞きたいと思えるような配信」
その日からその人はポルカの憧れになった。
それからポルカは彼を参考にしながら少しずつ自分の満足できるようなトーク。座員さんを楽しませるような配信が少しずつだけど出来てきた。その期間もずっとポルカは彼の配信を見ていた。自分の配信に少しでも還元できるようなことを得るためであり、自分の好きな配信者の配信を見るために。どちらかと言うと後者の方が強かった。
ポルカも彼の配信でコメントする時はさすがにもう一つアカウントを作っている。尾丸ポルカでコメントをしてしまうと相手に意識させてしまう。読まなくちゃいけないという気持ちにさせてしまうかもしれないから。ポルカは一ファンでいい。彼の活動を見れることがポルカに取って何よりも嬉しいことなのだから。
急に電話が掛かってきて端末を耳元に当てて、聞こえてきた声に私は絶句してしまった。
だってそれは―――――――――
「…………え、」
「ポルさんですか?」
「…………」
「ポルさんですか?ダメそうかな…だったら次の人に…」
「あ、はい!ポルです。あの〇〇さんですか?」
「そうです。よかった、電話がつながったようで。今回は視聴者と電話をしてみようという企画でお電話をさせていただいたんです」
そういえば、どうせ電話来ないだろうと思いながらも送ったんだった。まさか、自分に電話が掛かって来るなんて微塵も予想だにしなかった。
「僕の配信をみてくださっているんですか?」
「はい!!見てます!!!絶対に欠かさずに見てます!!!」
「そ、そうなんですか。それは嬉しいですね」
「特に歌声とかトーク力がスゴイです!!ポルカも見習わさせてもらってます!」
かなりテンションが上がっちゃっているのでもう自分で何を言っているのか分からなくなってきている。
「……そんなに褒めてもらえると嬉しいですね。本当にポルさんはたくさん見てくださっているんですね」
「見てますよ!好きな配信者の配信ですから!」
「そこまで言ってくださると配信者として嬉しいですね」
「好きですから!」
こんな風に話せる機会はほとんどないと言ってもいい。この機会を有効活用しないと。ポルカの気持ちを伝えないと。
「ポルさんがこれからも応援してくださるように頑張ります。だからたまにで良いので見に来てくださいね」
「ぜったいにいきます!!毎回リアタイできるように頑張ります!!」
「いや、そこまで無理しなくても大丈夫ですよ」
「あんまりポルカに時間を取っては悪いのでお次の方に」
「あ、そうですね。今回は電話に出てくださりありがとうございました」
「これからも応援します!!」
そして電話が切れたのを確認するとポルカの体から力が抜けていく。
「…はあ……」
憧れの人と話せたのが何よりも嬉しくて色々と話してしまった。伝えたいことが多すぎて。でも、やっぱり耳元で聞こえて来る、憧れの人の声はポルカの脳を破壊するには十分だった。
続きを書いて欲しい話がある?
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