このクラスには人気の女子が二人いる。一人目は白上フブキさん。白い髪にケモ耳。とても優しい性格をしていてクラスメイトからの信頼もとても厚い。そういうこともあってクラスでは学級委員という役職に就いている。
二人目は夏色まつりさん。クラスのムードメーカー的な存在でどんな時でも明るい性格の持ち主。誰に対しても接する態度を変えずにいつも明るいこともあって男子からも人気が高い。
正直、僕は同じクラスになるまでこの二人のことについて深く知ることはなかった。同じクラスにない限り、深く知ることはないしね。
二人とも『可愛い』人とは思うけど、そこまで。そんな二人が僕から見て左右の席に腰を下ろしている。この席になった時は別に気にすることなかった。でも―――――――――
「今日の昼食って誰かと食べる予定がありますか?」
右隣に座っている、白上さんが僕の肩を優しく叩きながら誘って来た。
「いや、別にないですけど」
「じゃあ、私と一緒に食べませんか?」
白上さんのお誘いに答えようとした瞬間に急に腕を引っ張られた。
「だめ~キミはまつりと一緒に食べるの」
それに関しては初耳なんですが。
「まつりちゃんは約束してないよね」
夏色さんの言葉に対して白上さんが反論を話している。僕を抜きにして会話はどんどん繰り広げられている。
「そうだよ。でも、まつりは昼食は彼と食べたいと思ったの」
「白上も彼と一緒に食べたいの。まつりちゃんには昨日、ノートを見せてあげたよね。ここは白上に譲ってくれないかな?」
「ダメ。ノートを見せてくれた事には感謝するけど、彼に関してのことでまつりも簡単に譲るわけにはいかないんだよね」
二人は僕を挟んでなぜか睨み合っている。こんな風に二人の争いに巻き込まれるのが僕の日常茶飯事。誰かにこの席を譲れるのであれば喜んで譲りたい。だってこの席じゃ落ち着かない。いつもこの二人の視線を左右から感じるし。
「それじゃあ、彼にどちらと昼食を食べたいか聞いてみましょう。それならまつりちゃんも文句はないですよね」
「それならね」
そして二人の視線は一斉に僕の方へと集められた。こういう事があるからこの席は嫌なんだ。
「キミは白上かまつりちゃん、お昼を食べるのならどっちがいいですか?」
「やっぱりまつりちゃんだよね~」
「いや、白上の方がキミと仲良いもんね」
お互いになぜかアピールをしている。食事なんて誰と食べてもそんな大きなことはないと個人的には思ってるんだけど。二人から目の圧力がすごい……。
「い、いっしょにたべませんか?」
「え?」
「だって二人が昼食のことで喧嘩するのは嫌ですから。なら三人で食事を食べれば全て解決じゃないですか」
この答えが正解なのかは分からない。でも、僕にはこれぐらいしか解決法が思い浮かばなかった。だって左右の二人の仲が悪いと真ん中にいる僕が巻き込まれてしまうかもしれない。
「それに二人には笑顔が似合いますから」
「………///」
「………///」
二人は沈黙してしまった。もしかして怒っているのかな…。二人とも顔が俯いていて表情を確認することができない。
僕は恐る恐る、二人に問いかけてみた。
「ど、どうですか?」
「そうですね。三人で食べましょうか。ねぇ、まつりちゃん」
「うん!笑顔が一番だからね」
そして僕と白上さんと夏色さんで昼食を取る事になった。
続きを書いて欲しい話がある?
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