常闇トワは素直になれない。別にホロメンや友人の前では普通に話せる。でも、ある人物の前でだけは素直に慣れずにいる。
その人物はマネージャー。いつも常闇トワの身の回りの事で困ったことがあれば解決に向けて頑張ってくれる。常闇トワを支えるために精一杯な彼。
これはそんな二人の物語
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「はぁ……また…」
なんでトワは素直に言えないんだろう。『ありがとう』って言う、たった五文字を言えればどんだけ楽になれるか。トワはマネージャーのことを信頼してる。あんなにトワのために頑張ってきてくれる人を信頼しないわけがない。
でも、感謝の言葉を伝えられない。自分でも分からないけど、なんか言おうとすると恥ずかしくなって口からその言葉が出てこない。
そして今はトワはマネージャーと二人きりで打ち合わせをしている。
「トワさん」
話し掛けてきたマネージャーはいつもより真剣な顔をしていた。
「は、なに?」
「あの……いや、なんでもないです」
「なに!そう言われるとすっごく気になるんだけど」
「いや、本当に大したことではないので」
「だから気になって「トワさん、ちょっとえーちゃんが呼んでます」」
社員さんがトワを呼ぶためにきちゃった。
「じゃあ、帰ってきたら教えてよ!」
そう捨て台詞を吐いて、トワは少し小走りでえーちゃんのところにいった。
マネージャーは何を言いたかったんだろう。えーちゃんと会話しながらずっとマネージャーのことが頭によぎる。もしかしてトワはなにかしちゃったかな。
考えていくと嫌な方へとどんどん行ってしまう。トワのことが嫌いになったんじゃないかとか、トワのマネージャーを辞めたいんじゃないかと。
トワがそんなことを考えているとえーちゃんが話しかけてきた。
「どうしたんですか?顔色悪いですよ…」
「べ、べつになんでもないよ」
「なにかあったんですか?少し話してみませんか?話したら少しすっきりするかもしれないですし」
確かにこのままじゃ悪い方にばっか考えちゃうし、ここでえーちゃんに話してみるのもいいかもしれない。
「……わかった」
そしてトワはえーちゃんにマネージャーに素直になれていない事や、さっきの事をこと細かく話した。するとえーちゃんはくすりと笑っていた。
「なに!なんで笑うの?トワは真剣に話したんだよ」
「わ、わかってますよ。でも、トワさんがそんなことで悩んでいたとは思いもしなかったので」
「しかたないじゃん。悩んでるんだからさ」
「笑ってごめんなさい。でも、大丈夫ですよ。トワさんが考えるような事にはならないので…」
「そんなの分からないじゃん!!トワはマネージャーに対してあんまり良い態度を取れていないから面倒くさい人だと思われているかもしれない……」
「大丈夫ですよ。ほら行って来てください」
トワはなぜか、えーちゃんに背中を押された。
そしてえーちゃんとの話し合いも終わり、トワはマネージャーがいるであろう部屋に向かった。すると、予想通り、マネージャーは待ってくれていた。
「えーちゃんとの話は終わったんですね」
「う、うん…」
「トワさん、ちょっとこっちに来てくれるかな」
「うん」
するとマネージャーは自分のカバンを少しあさってからトワの方を直視した。さすがにトワも直視されると少し後ろに後ずさってしまう。
「これを渡そうと思って」
マネージャーの手には包装された袋があった。
「なに?」
一応、受け取ったけどなんで渡されたのか全く理解できていない。
「…かなり遅くなっちゃったんだけど、誕生日プレゼントです。トワさんには忙しくて誕生日プレゼントを渡せていなかったので」
そう苦笑交じりに言うマネージャーを見ていると……自然と目から雫が零れ落ちる。意識して止めようとしても止められない。
トワは何の心配をしていたんだろう。マネージャーがトワのことを考えてくれているのは分かっていたことなのに…。
「……っ…」
「え、トワさん、どうしたんですか?プレゼントとかは嫌だったんですか!?それなら捨てちゃってもいいので…」
「捨てるわけないじゃん!!!トワのためにマネージャーが選んでくれたものは宝物!一生、大事にするに決まってんじゃん!この涙は何でもないから!!」
トワは急いで服ので涙を拭いた。本当にトワにはもったいないぐらい優しくて、考えてくれるマネージャー。
マネージャーはトワの様子に動揺しているのが見て分かる。そんなマネージャーにトワは言わなくちゃいけない言葉がある。今こそ言わないと。
「マネージャー」
「……?」
「いつもほんとにありがと!!トワは少し我儘なところがあったりもするけど、いつでもマネージャーはトワのことを考えて一生懸命に頑張ってくれたのをトワは知ってる。いつも素直にお礼を言えてないけど、マネージャーがトワのマネージャーで良かった。トワのマネージャーになってくれてありがと!!こ、これからもよろしく」
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