「先輩」
「あ……なんだい?」
「も~~先輩、トワの話聞いてなかったんでしょ」
「ごめんね。ちょっと考え事をしていてね」
「トワが話しているんだからトワの話を聞いてよ」
常闇トワ。一つ下の後輩でどうやら僕のことを気に入ってくれているのか、休み時間の度に話し掛けに来る。僕としては僕なんかのところに毎度話し掛けに来るよりも自分のことに時間を割いてほしいと思ってしまう。
「うん、そうだよね。ごめん」
「もしかして、トワの話ってつまらないのかなぁ」
いつもポジティブな感じのトワがそんなことを言うのはとても珍しい。
「どうして?」
「だって先輩、いつも考え事ばっかしてるし。それってトワの話がつまらないからなのかと思って」
「別にそれは違くて、トワさんの話は面白いんだよ。僕がただ集中力が持たないだけで!!」
元々、集中が長く持たない方の僕は授業中とかもよく居眠りしてしまう。それで教師に注意されることも少なくない。
「先輩、そんなに必死にならなくても」
トワの話は面白いし、僕に話が刺さりやすいようにしてくれているのが分かる。だってトワはあんまりアニメとかに興味なんかないだろうに態々その話をしてくれる。少しでも興味を持ってくれるようにということなのだろうな。
「これだけは言っておかないとと思って。それにトワはもっと他の人と話したりする方が有意義じゃないか?僕なんかと話すよりも」
「あ、また先輩の悪い癖。すぐ自分『なんか』って言うのはダメ。トワは先輩と話したくてトワの意思でここに来ているんだから」
「そ、それはわかってるが、僕じゃ面白い返しをしたりすることも出来ないからさ」
「別にトワは先輩にそんなことを望んでいない。トワはただ先輩と一緒に話をしたいだけ。だから、先輩はそんなこと気にしなくていいの」
「そう、そうか…」
「そうだよ。いつも思ってたけど、先輩はちょっと気を使いすぎだよ、トワに。まず、話したくない相手ならこんな風に毎日のように話に来ないって」
トワが言うことも分かるのだが、でも気にしてしまう。トワほどの人気者に気を使わない方が無理は話だ。もし、トワに何かすれば僕は常闇トワのファンクラブに確実に息の根を止められるだろう。
「そうかな……」
「も~~めんどくさないな。トワは先輩のことがす……きにいってるの。だから話に来るだけ。本当にそれだけだから!!」
「トワがそう言うならそうなんだろうけど……」
今日もチャイムが鳴る、ギリギリまでトワと話した。
続きを書いて欲しい話がある?
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