「あ、あの……」
「お嬢ちゃん、可愛いな」
そしてまた一歩と風真との距離を近づけて来る。こんなに誰かに近づかれるのが恐怖と感じたのは生まれて初めてだった。いつもの風真なら剣さえされば撃退出来てたけど、今日に関しては持っていなかった。
「やめてく…ださい」
「いいじゃねぇか。少し遊ぶだけだからさ」
風真の手を取ろうとしているの怖くて振り払うことも出来なかった。
「ねぇ、ちょっと離してあげてよ」
「あんだてめぇ!」
「キミたちが怖がらせている子の連れなんだよ。悪いんですが、あんまり怖がらせるような真似をしないでくれるかな」
「だからなんだよ!お嬢ちゃんは俺たちと遊びたいからお前は大人しく帰りな」
「そうはいかないんだよね」
すると次の瞬間にさっきまで風真の手に触れてた男が膝を付いて倒れた。そして私は倒れた男よりもそれをやったであろう青年の顔が……とても美しく見えた。少し笑みを浮かべてごみを見るように倒れた男のことを見ている。
「おい、どうしたんだよ。てめぇなにしやがった!!」
「何もしてないよ。でも、これ以上やるんだったらキミたちも同じように地面に横たわる羽目になるかもよ」
青年がそう言うと怖くなったのか倒れた男を担いでどこかに去っていった。
「無事?」
「う、うん。ありがとうございます」
怖くて何も出来なかった自分が情けない気持ちはあるけど、今は目の前の男性の顔が見れない。
「いいよ。別に何もしていないし」
「いや、あなたが助けてくれなかったら風真は連れていかれていましたから」
自分の心が負けてしまって抵抗が全くできなかった。本当にそんな自分が情けなさ過ぎて。でも、本当にこの人の顔が美しいと思った。人が戦っている姿を見て、美しいと思ったのは初めてかもしれない。
「これからは少し気を付けてくださいね。今のような人たちも多くいるので。あなたのように可愛い人だと狙われやすいと思いますしね」
「……か、かわいい……」
「はい。とっても可愛いですから。だからこれからは気を付けてくださいね。僕はそろそろ行くので…またどこかで」
それだけ言って去ろうとする男性の服の袖を掴んだ。
「あ、あの!!」
「はい?」
「あの…連絡先を教えてくれないでござるか!!」
「え…」
明らかに動揺しているのが伝わって来る。自分も彼と同じ立場だったら動揺すると思うし。でも、今を逃したら彼ともう一度会えるかなんてわからない。
「迷惑だったらごめんなさい!!」
「別にいいですよ」
「え?」
「大丈夫ですよ。連絡を交換するぐらいなら」
正直、断られる可能性がかなり高いと思っていたでござるが、案外あっさりと受けて入れてくれたので驚いてしまった。
「あ、ありがとうございます」
「ではまた」
彼が去っていく姿を見届けてから風真は教えてもらった連絡先を眺めた。
続きを書いて欲しい話がある?
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ある
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ない