「む~~」
「………」
「む~~~」
視線を感じる方向に視線を移すとそこには…頬を膨らまれてジト目でこちらを見る、そらさんの姿があった。
「………ど、どうしたんですか?」
「今日、綺麗な女の人と楽しそうに話していたよね」
「女の人ですか?…そんなことありましたっけ」
「あったよ!ほら私とキミが一緒に買い物に行った時に」
確かにそらさんが言うように今日は二人で買い物に行った。でも友達にあったという覚えもなければ、人と話し込んだという記憶もない。
それからしばらく考えて一つの…心辺りが浮かんだ。でも、これは……。
「もしかして…道を聞かれて答えた時のことを言っていますか?」
「うん」
「でも、あれは道を聞かれたから答えだけですよ。相手が困っているようなので」
「分かってるよ。その時にキミの横顔がとっても嬉しそうだったの。キミがとっても優しいのは私も分かっているよ。キミの優しいところも私がキミに惚れた一つだからさ。でも、私と一緒に居るのに他の女の人と話しているのがどうしても嫌なの。なんかモヤモヤとして」
そらさんがそんなことを想っていたなんて初めて知った。どんな時も誰に対しても優しい、そらさんは嫉妬なんかしないと思っていた。
「…ごめんね。そらさんにそういうところまで配慮が足りてなかったですね」
「自分でも驚いてるの。こんなに誰かに対して嫉妬をするなんて生まれて初めてだから」
「でも、僕は嬉しいですよ」
「嬉しい?」
「はい。嫉妬してくれるということは僕のことを少なからず『好き』で居てくれているってことですから」
嫉妬してくれるぐらいに好かれているという現実は嬉しい。元々、そらさんはあんまり嫉妬をするようなイメージがなかったから余計に。
「もちろん、キミのことは大好きだよ!キミ以外の人なんて考えられないほどに大好き。絶対に手放したくないし、誰にも渡したくない人は初めて」
「……そ、そうなんですか。ありがとうございます」
こんな直球で自分のことを好いてくれると言われると照れてしまう。
「え、なんでお礼を言うの?私は正直に自分の気持ちを言っただけだよ」
「それが嬉しいんです。こんな風に言ってくれると自分は愛されているんだと感じることが出来たので。正直、ずっと心配だったんです。僕はそらさんの事が好きだけど、もしかしたら、そらさんは僕のことを好いてくれないんじゃないかと思ったりもして」
「え、なんで!?」
「あんまり、そらさんって僕がどこかに遊びに行っても何も言わないじゃないですか。笑顔で送り出してくれるし、誰と行くのとか聞かないので。逆にそれが不安になったんです。もしかしたら、そらさんは僕のことが好きじゃないのかと」
自分だけがそらさんを好きなだけで、そらさんが好きじゃないと不安になっちゃったりする。嫌いだったらとっくに別れているだろう。でも、やっぱり不安になったことも多かった。
「そんなことないよ!キミのことは好きだよ。でも、変に「誰と行くの?」と聞いたり、「いかないで」と言ったしたらキミに迷惑が掛かっちゃうから。キミに嫌われたくなかった…」
初めて聞く、そらさんの気持ちに僕は今までの自分を恥じた。そらさんを僕のことなんかに気を使ってくれていたんだ。
「…僕もそらさんのこと好きですよ」
続きを書いて欲しい話がある?
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