「あの~ちゃんと聞いてますか?夏色さん」
「聞いてるよ~」
「その返事からして聞いてないですよね。もう一回話すので今度はしっかりと聞いて下さいよ」
「え~~聞いてたよ。まつりのことを信頼してよ」
「じゃあ、さっきの話を覚えていますか?」
「…あ……おぼえてるよ…っとね……とね…う、ん……」
「ほら思い出せないですよね。夏色さんは本当に分かりやすいんですよ。聞いてなかった時は返事する声のトーンが一つ下がる」
「え~~なに、まつりのことをそんなに観察してくれているんだ~~うれしいよ。マネくんがまつりのことをそこまで見てくれていたなんて」
もう夏色さんのマネージャーになって2年近くの時間が流れた。それぐらいマネージャーをしているということは話す回数が多い。すると癖や特徴まで捉えられる。
「まあ、付き合いも長くなりましたからね。最初の頃は全然、分かりませんでしたよ。それに毎日、夏色さんが配信でマズイことを言わないかが心配で気が気ではなかったですね」
本当に最初の3カ月ぐらいは生きた心地がしなかった。どんな爆弾発言をするのか分からなかったから。
「そんなに心配だったの?」
「心配でしたよ。夏色さんが配信をするたびに僕の寿命が削られている感じがしましたもん。でも、逆に夏色さんを担当することが出来たので、これから他の人のマネージャーになったとしても強い心をもって出来ますね。ある程度のことであれば動じなくなりましたし」
本当に色々なことがあって僕はかなり鍛えられたと思う。今になって思えば、夏色さんを担当させてもらえたことは僕の人生において大きい。
まあ、どれもこれも今思えばだけどね。本当に最初の頃は早く他の人の担当にさせてもらえないかなぁと思ったりもしたぐらい。
「…だめだよ…」
「え?」
「マネくんはずっとまつりのマネージャーさんだよ。他の担当になるなんてやだよ。まつりが引退するまで、まつりのマネージャーはマネくんじゃないと嫌なんだからね!!」
「そこまで言ってくれてありがとうございます」
「これからもまつりのマネージャーはマネくんの一人だから!他の人じゃ絶対に嫌だ!まつりの輝いているところを一番近くから見て欲しいもん!!」
タレントさんにここまで言ってもらえるのは本当に嬉しいこと。マネージャーの仕事はタレントさんがなるべくいい環境で出来るようにマネージメントをすることが仕事。
その結果としてタレントさんから認められるのは本当にやっていた意味があったなと思える。
「…夏色さんにそこまで言われたら…最後まで見届けないといけませんね」
「うん!!ホロライブの清楚、夏色まつりが輝く姿を見てよ。まつりから視線を外しちゃダメだよ」
「はい。これからも僕に夢を見せてください。夏色さんが輝く姿を」
「絶対にマネくんがまつりのマネージャーで良かったと思わせるよ!!」
そう高らかに宣言する、夏色さんを見て本当に夏色さんは変わらないなと感じた。
「もう思ってますよ」
夏色さんには聞こえないような蚊の鳴くような声で呟いた。
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