スバルは先輩のことが好きになっていった。最初はただの選手とマネージャーという関係性だった。それで満足だし、スバルもマネージャーとして皆を支えられることが嬉しかった。自分にしか出来ないようなことが出来ていると感じられたから。
でも、マネージャーとして勤めている内に一人の先輩にばっかり目が行くようになってしまった。その気持ちの正体が『恋』だと分かったのは少し後だった。そしてそれを『恋』と認識してから妙に意識するようになってしまった。前のように先輩と話すことも困難になっていった。自分の気持ちにウソが付けなかった。
そしていつものように練習の休憩時間にベンチに来た、先輩に対して水を渡すだけのことでさえも。
「せ、せんぱい」
「どうしたの?」
「あの…お水をどうぞ」
「うん!ありがとう!」
「………///」
お礼を言われるだけでも舞い上がってしまうほどにスバルは恋に落ちていた。家に帰ってもずっと先輩のことを考えているし、先輩から連絡が来たら返事を返すのにも何時間も掛かってしまったりもした。
そのまま素直に先輩のことを想っているだけなら良かったのだ。それだったらスバルはあんなことに走らずに済んだのに。
「先輩…」
スバルの視線の先には……先輩と女の人が楽しそうに手を繋いで歩いていた。この場からすぐにいなくなりたいという想いが強くなる。すぐにでも立ち去りたいのに足が動かない。
「……スバルじゃ……だめなの」
そんな言葉が漏れてしまうほどに…私は先輩のことが好き。その日からスバルは…塞ぎこむようになった。なるべく人に悟られないように頑張ろうと思ったりもしたけど、無理だった。
そして次の日にスバルは先輩をメールで連絡して家まで来てもらって……水を出してすぐに先輩は眠気がするって言って眠りに落ちてしまった。
「ごめんね、先輩」
「先輩、目を覚ましたんすね」
「……うううう」
「だめですよ、先輩。暴れちゃったらもっと縛らなくちゃいけなくなってしまうじゃん」
「…………」
「もう先輩はスバルのもの。スバル以外の人のものになるなんて許せないんだ。最初はただの純粋に先輩のことが好きだったんだ。普通の高校生らしくね。でも、先輩は他に好きな人がいるんだよね。だからスバルは諦めようとしたんだよ。それでも先輩のことを忘れることが出来たなかったんだ」
「…………」
「ごめんね、先輩。こんなことはスバルもしたくなかったんだ。でも、どうしても無理なんだ。先輩をスバルだけのものにしたいという欲が溢れ出て来るの。止めようとしても止められないの」
「………」
「でも大丈夫だよ。先輩のことを悪いようにはしないから」
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