これは僕と兎の物語。
「なんでダメぺこ?」
「なんでもだよ。それは出来ないよ」
「やぁ~だ~やぁ~だ~」
うさ耳が頭についている少女は僕の前で寝転がりながら駄々をこね始めた。こうなると本当にめんどうなんですよね。ほっとく怒るしな。彼女の望みが叶うまでずっと駄々をこねるもんだから面倒。
「はぁ……じゃあ、分かりましたからちゃんと静かにしていてくれますか?」
「うん!するぺこ!ぺこちゃん、静かにしてるぺこ」
「それなら仕方ないですね。約束は守ってくださいね」
「わかったぺこ!」
まるで小学一年生が元気よく手を挙げているようだった。
するとぺこらは僕の膝の上に頭をのせるように寝転がった。所謂、膝枕という感じ。どうやら、ぺこらにとってこれが一番落ち着くようで一日に一回は絶対にやってと言われる。僕も別にやるだけなら良いのだけど、ぺこらは色々と邪魔をしてくる。今日もだが、会社の仕事をしている日に膝枕をした時には狙ったようにいたずらをたくさんしてくる。それのせいでどれだけ苦労したか。
「ぺこらはこれがいいの?」
「最高ぺこ!あんたの膝枕を世界最高にいいぺこよ~」
本当に気持ちよさそうだ。ぺこらが満足しているのならいいんだけど。
「そうですか、それなら良かったです」
それから暫くして急にぺこらが口を開いた。
「あんたはどこにも行かないよね?」
心配そうな目で私の方を見ながら聞いてきた。普段、笑顔を浮かべている顔がとても印象的なぺこらだからこそ、こんな顔を見たのは初めて。
「どうしたんですか?急に」
「…答えて」
「どこにもいかないよ。それにここは僕の家だしね」
「絶対にどこにもいかないで」
「それにしても珍しいね。ぺこらがそんなことを聞いてくるなんて何かあったの?」
「……怖い夢をみたぺこ」
「怖い夢?」
「あんたが急にどこかに行っちゃう夢。ぺこちゃんがいくら「待って」と言ってもあんたは振り向きもせずにそのまま歩いて行ったぺこよ。それがとても悲しくなって、心配になってしまったぺこ……」
案外、ぺこらは自分が思っている以上に繊細。
「大丈夫だよ。僕は離れたりしないし」
言いながら僕は頭を優しく撫でることにした。本人が嫌がったら止めようと思ったけど、何も言わずに受け入れているように見えたから僕は撫で続けた。
少しも時間を立てば、可愛い寝息を立てながらぺこらは眠りに落ちた。
「僕はずっとキミと一緒にいるから心配しなくてもいいのに」
ぺこらの安らかな顔を見ながら呟いた。
続きを書いて欲しい話がある?
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