ポルカは好きな人のためならどんなことでもやってしまう。これは大好きな人が出来て初めて気づいた。
よく好きな人のためならどんなことでもやってしまう人がいると聞いたことがあるけど、それがポルカだった。これはポルカ自身でも良いことではないのは分かっている。
その日もポルカはいつも通りにプレゼントを持って待ち合わせの場所で彼を待った。彼は約束の時間よりもか早い時間に来た。
「…ご、ごめん!!もうちょっと早く来ようと思ったんだけど…」
「全然だよ。ポルカが早く来ちゃっているだけだから気にしないでよ」
今日のことが楽しみで低気圧なんて気にならない。いつもだったら布団から出るだけでもかなり苦労するのに今日は全然だった。それぐらいに今日のことが楽しみだった。
「それじゃあ、行こうか」
そこでポルカはカバンの中からラッピングされている小さな箱を渡した。彼は少し不思議そうな顔をしながらもその箱を開けると驚いた顔を浮かべた。
「はい、これ前にキミが欲しいって言ってたよね」
「…う…うん」
「そうだよね。違ったらどうしようって心配だったんだよね」
前にデートをした時に彼が「この腕時計いいな」って呟いたのをポルカは見逃さなかった。本人はもしかしたら呟いたことにも気づいていなかったかもしれないほどの小さな声だった。
「で、でもこれってかなり高かったよね。それにあんな高級ブランドの時計なんて…」
「嬉しくないの?」
「嬉しいよ。ポルカが僕のために買ってくれたのは嬉しいよ。多分、僕のことを想って買ってくれたんだろうから。でもさすがにこんなに高いものは貰えないよ」
「な、なんで!?ポルカはキミの喜ぶ顔が見たかったから買っただけなのに…」
「うん。その気持ちはとっても嬉しい…。ポルカは自分のためにお金を使うべきだよ。いつも僕にばっかり使うんじゃなくてさ」
「ポルカはキミの笑顔が見たいの!ポルカがお金を使えばキミの笑顔が見れるのであれば安いもの。お金はまた稼げば」
「だってポルカはずっとアルバイトを入れているよね。それはポルカ一生懸命に頑張って貯めたお金じゃないの?それは自分のために浸かって欲しいんだ」
視線を上げるとそこには…優しい笑顔を浮かべているキミが立っていた。キミは本当にポルカのことを考えてくれているんだ…。
前にポルカが好きになった人はこんな事は言ってくれなかった。オレのためにお金を使ってくれと言うような人だった。それに対してポルカは別に何とも思わなかった。自分のことを求めてくれるんだと思ったら嬉しかった。
でもその人は離れていった。それから色々と考えた。ポルカのどこが悪かったんだろうって。それから数年経ってポルカはまた恋をした。それが今。
「…それでポルカのことを捨てたりしない?」
「しないよ」
「ほんとうに!?ポルカはキミのためなら何でもやってあげたいの。今まで好きになった人は…本当の意味で好きじゃなかったんだって気付いたほどにキミのことが好きなの。キミから見離れたらポルカは生きていけない」
どんな手段を取っても繋ぎ止めたかった。だから前よりもちゃんと相手が欲しいと思うものは何でも買ってあげようと思った。ポルカにはその手段でしか繋ぎ止めることが出来ないから。
「大丈夫だよ。僕はポルカさんの優しさに触れて大好きになったので…。僕がポルカさんから離れる時はポルカさんから愛想を付かされた時だけですよ」
少し苦笑いを浮かべながらもポルカのことを見てくれている。その目には嘘偽りのない純粋な瞳だった。こんな風にポルカに笑いかけてくれる恋人は初めて。本当にこの人が運命の人なのだと改めて自覚した。
「なら大丈夫だね。ポルカは絶対にキミのことを離さないから」
「それは良かった…それじゃあ今度こそ行こうか」
ポルカは幸せ者だ。だってこんなにも優しい人でポルカのことを想ってくれる人と出会えたんだから。
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