「マリンを捨てないで」
急にそんなことを言われると…こっちの方が驚くものだ。朝起きたら俺の上にマリンさんが涙を流しながら覆いかぶっていた。
目を覚ましてすぐにこの状況だとしたら頭が追い付かないのも仕方ないかもしれない。
「マリンはキミに捨てられたら生きていけないの!キミの望むようなことであればどんなこともするからマリンを捨てないで!!」
「まずはなんで俺の上に覆いかぶさっているのかを聞いていいかな?」
「……っ……」
「…はぁ……しばらく落ち着けるように時間を置きましょうか」
このままの状態のマリンさんに説明できるとは思えない。もう起きる時間でもあるし、一旦落ち着いてから話を聞くことにしようかな。
そしてそれから朝の支度を整えてある程度時間を空けてから話を聞いた。
「こわい…ゆめをみたの」
「怖い夢ですか?」
「うん…。キミが他の女と離れていく夢。マリンさんはそれを見守る事しかできなく……とっても悲しくて。それで目を覚まして隣にキミがいたから離れないように覆いかぶさったんです。キミが居なくなったらと想像するだけでマリンさんは本当にやっていけないことに改めて気付いたんです」
いつもは船長に付いてきなさいとか言っているのに…案外、気弱なところがあるんですよね。夢で見たことでも心配しちゃったり、今日の運勢とかをテレビで見て最下位だと気にしちゃったりしているんだよね。
「大丈夫ですから。それは夢ですよ。俺はこの通り、ここに存在していますし。マリンさんから離れるようなことはないので」
「ほ、ほんとに!?」
「はい。だからそんなに心配そうな顔をしないでくださいよ。俺はマリンさんに夢中なので…」
初めて会った日からマリンさんに夢中。だからもし、離れる時が来たとしたらそれはマリンさんに捨てられた時かな。なるべくそんなことが起こらないようにしたい。
「…捨てないでね」
「大丈夫ですよ。本当にマリンさんは心配性ですね」
「ほんとうに、ほんとうにすてない!??」
「う、うん。大丈夫だから…。じゃあ、どうしたらマリンさんは納得してくますか?」
「絶対に捨てないって言いながらマリンの頭を撫でて!」
「それでマリンさんが落ち着けるのであれば…」
今はマリンさんの心配を解くのが第一優先。このままだとマリンさんは何か強行に走ってしまいそうで少し怖いから。
「じゃあ行きますよ」
「うん」
「絶対にマリンさんを捨てません。絶対にマリンさんを捨てません。絶対にマリンさんを捨てません。絶対にマリンさんを捨てません。絶対にマリンさんを捨てません」
これで本当にマリンさんが落ち着けるのであれば…少しマリンさんも変なのかなと思っちゃったりする。それでもマリンさんのことは好きですけどね。
「…本当にマリンのことを捨てないで」
「はい。大丈夫ですよ…。もし、俺の方から捨てたとしたらその時はどんなことになっても俺は何も言いませんよ。マリンさんに生涯を捧げると決めているので」
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