お菓子の国にはとっても可愛いお姫様がいる。そのお姫様の名前は姫森ルーナ。国民からもとても人気があるのも特徴の一つ。
そんなお姫様はそれなりに行動を制限される。お姫様である以上は公務などもあったりするのでそんなに自由な時間というのは存在しない。それに平民と同じように休みの日になればどこかに行こうという感じでは出かけられない。それは王族に生まれてしまったが故に仕方のないことだともいえる。だが、お菓子の国の姫はかなり好奇心が旺盛でお忍びで城下に降りたりししているのだ。勿論、両親や執事には内緒で…バレたら怒られるのは分かっているがそれでも好奇心の方が勝ってしまうのだろう。
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城下の裏通りに深く被りものをしている少女が歩いている。被り物の隙間からは綺麗なピンク色の髪が見えてしまっている。
「やっとこれたなら~」
すると被り物を脱ぎだし、綺麗な髪が露になった。そこにはこの国では知らぬ者はいらぬであろう人物。姫森ルーナ。こんなところにお供もなしで居ていい人物ではない。
「なんか賑わっているのならね」
今までずっとお城の中からしか見たことがないような景色が目の前に広がっているのら。すぐにでも飛び込みたい気持ちがくるのならけど…がまんのら。
「バレたらダメなのら…」
誰にもバレずに城下を堪能してバレないように帰らないと絶対に怒られるのなら。怒られるのだけは絶対に嫌なのら!!その後もルーナは城下を眺めていると…急に後ろから肩を叩かれた。もしかしたら、バレたんじゃないかという妙な緊張がしたのらけど、振り向かない訳にもいかないのらよね。
意を決して振り向くこととそこには……青年が心配そうな顔をしてルーナのことを見ていた。
「迷子ですか?」
「…迷子じゃないのら!!ルーナはただ一人で城下に来ただけのなら!!」
「大丈夫ですか?この国では争いがほぼないとは聞いてはいるが可能性がゼロではないですから。暗くならない内に帰るんですよ…」
なんかこの人、ルーナのことを子ども扱いしている気がするのら。ルーナは子供じゃないのら!
「わかっているのら!!」
ルーナの返事を聞いて、男の人は心配そうな表情をしていたが去っていった。
そしてまたルーナが城下の裏通りを歩いていると前と同じ男の人に会ったのら。
「また会いましたね。今日も一人で出てきたんですか?」
「そうのら!!」
「危ないからこんなところを一人で歩かない方が良いって前に言いませんでしたっけ?」
「だいじょうぶなのら!!ルーナは強いのならからね」
「強そうには見えませんけどね」
「ルーナは強いのら!!」
そしてまたまた次もルーナ城下の裏道を歩いているとまた同じ男の人に会った。
「今回もですか……はぁ…。もう何度言っても無駄なんですね」
「そうのら。ルーナは来るのら!」
「…もういくら言っても仕方ありませんね。それにしてもいつも城下を見ているだけですけど何か買い物をしたりしないのですか?」
「いいのらよ。ルーナは眺めているだけでも楽しいのらから」
「そうなんですか?」
それからルーナが城下に出る時には…男の人と会うことが当たり前となっていったのら。男の人はお菓子の国出身ではなくて他の国から来たと言っていたのら。だから多分、ルーナのことを知らない。呼ぶときは好きなように呼んでくれればいいと言っていたのならからルーナは『ナイト』と呼ぶことにした。でもそれが何よりもルーナは嬉しかったのら。いつも周りにはルーナのことを姫様としか呼んでくれないから。それなのにナイトは…ルーナのことを『ルーナさん』と呼んでくれるのら。
名前で普通に呼ばれることがこんな嬉しいなんて思わなかったのら。それにナイトと話す時だけはルーナはお姫様ではなくて、ただのルーナとして話せるのらからね。ちょっとずつ、ナイトと話すのが楽しみになっているルーナがいた。
「今日は何かお買い物でもしますか?ルーナさんが嫌ならいつものようにお話でもしますか?」
「…お買い物をするのら」
「そうですか。それでは行きましょうか」
皆にバレないか心配のらけど折角、誘ってくれているのらからね。ルーナは被り物を深くしていつもより一層バレないように注意をする。
「はぐれるとあぶないですから手を繋いどきましょう」
「そ、そうのらね。ナイトがルーナから離れないようにね。ルーナが仕方ないから繋いであげるのら」
お父さんやお母さんと手を繋ぐのとは少し違う感情。なんか急に体温が上がってきたのら。でもナイトの顔を見るとナイトは笑顔だった。
「そうですか。ありがとうございますね」
なんかルーナが変に緊張をしててナイトは全然何とも思っていない感じなのら。なんかちょっと不満な気持ち。
ナイトと城下を回るのは本当に楽しかったのら。今までは眺めるだけだった城下をナイトと一緒に回れるなんて…思ってもいなかった。ナイトはルーナの我儘にも色々と付き合ってくれて…本当に優しい人。
でも、たまにナイトの笑顔を見るたびに胸の辺りが温かい気持ちになった。この気持ちの正体はまだ分からないのらけど、なんかぽかぽかするのら。
お姫様がこの気持ちに気付くのはもう少し先のお話である。
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